光でガを防ぐ
2008.09. 3
農作物を育てるときに問題になる害虫。これからの季節は雑食性のハスモンヨトウ防除が重要です。
ハスモンヨトウを始めとするヤガ(夜蛾)類には、周囲が暗いとき(夜間)には活発に活動するけれど一定以上の明るさになると行動を停止する性質があります。
そこで、夜間もほ場を明るくしておくことで、ヤガ類の飛来、産卵を抑制しようというのが「光防除」の考え方です。作物を食べてしまうのは幼虫ですが、そもそも産卵にやってくる成虫を寄せ付けないようにしよう、ということです。
光防除は農薬散布量を削減できるうえ、薬剤散布労力が軽減できるため、環境に配慮した害虫防除法として注目を集めています。
写真 緑色(左奥)と黄色(右奥)の蛍光灯を設置したシクラメンのハウス。園主の笠原氏と
通常の蛍光灯では日長反応が問題になるため、まずは黄色の蛍光灯が普及しました。
近年、花芽分化への影響が黄色より少ないという、緑色の蛍光灯が出てきました。
そこで、シクラメンを栽培している農家のハウスで、1棟に黄色蛍光灯、もう1棟には緑色蛍光灯を設置し、ヤガ類の被害軽減効果と、シクラメンの生育への影響の比較を行っています。
(注:本来、電気を付けるのは夕方から明け方ですが、写真を撮るために点灯してもらいました。)
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