畜産経営における機械の導入について
2009.01. 8
現在の畜産経営においては、数万円程度のものから、数千万円するものまで、様々な機械が利用されています。
このブログでも一度、「細断型ロールベーラ」という飼料の収穫機械の利用について記載をしました。
畜産経営における機械利用は、大規模な経営を行い、かつ省力的な作業のためには、極めて有効な手段です。
一方、機械の利用には、コスト増や従来の作業体系の変更など、様々なデメリットがある場合もあり、導入条件や導入後の経営試算を行う必要があります。
また、機械導入後に、当初計画どおりの能力が発揮できない場合もあることから、導入後の活用方法について、普及指導員が技術支援を行うこともあります。
酪農経営においては、搾乳(=いわゆる乳しぼり)作業を人に代わって行う「搾乳ロボット」が一部農場で導入され始めており、その利用者らを対象とした現地検討会を開催しました。
左 :搾乳ロボット。牛の前肢と腹が見えています。牛が中に入ると、ロボットは個体を識別し、ブラシで乳頭を洗浄後、記録された乳頭の配置情報をもとに、4本の乳頭の位置を確認しながら、ミルカー(搾乳機械)を装着します。搾乳が終了するとゲートが開き、牛は自分で退出します。
右 :ただいま順番待ち中。
検討会では、各経営の課題やロボットの稼働状況などを紹介し、今後協力して解決すべき課題を確認したほか、試験研究機関での最新の情報(=研究成果)についても検討しました。
概要説明の後、牛や牛舎・機械を見ながら、参加者・農場主らで検討を行います。この後は、会議室に移動して研修会を行いました。
私たち普及指導員は、既に機械を導入している方々が、より効率的に機械を利用できるよう支援するほか、導入を検討している方々が正しい判断ができるよう、情報を提供するなどの支援を行います。また、必要に応じて、試験研究機関での試験研究の実施を働きかけます。
本県の畜産研究所にも搾乳ロボットが導入されており、1,200戸ある酪農家のうち、9戸に10台の搾乳ロボットが導入されています。
(文中の画像をクリックすると大きく表示されます)