普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
   普及指導員とは・・・こちら

RSS

blog_fukyu_gotom_f.jpg大分県
後藤美智子

今年の私は去年の私よりもうまくなっている

2023.03.22

 せん定の季節です。今年は、昨年秋の少雨にはじまり、1月下旬の寒波の影響で、樹が弱っているため、4月以降に花を見てからせん定(間引きせん定中心)しましょうと、巡回と講習会時にお話ししています。


blog_gotom19-1.jpg  blog_gotom19-2.jpg
右 :カボスの樹 / 左 :枝の向こうに1年生がいます


blog_gotom19-3.jpg  blog_gotom19-4.jpg
左 :つぼみが膨らむ / 右 :果こう枝から出た発育枝


 樹勢の弱った樹では、せん定はまだまだ先ですが、ぶどうの時と同じく、生産者にお話しし、園地の様子を見ながら、営農指導員1年生と普及員1年生とで、実際の圃場でカボスのせん定を行っています。2人とも結果習性(花がつきそうな枝があるのか)を確認し、間引き中心で行うせん定が身についてきているように感じています。


 ハウス栽培では、もうつぼみがふくらみ、一足早い春がやってきています。
 私自身、今年は去年よりもせん定がわかるようになっていると感じています。早道、抜け道はありません。
 今回の投稿の最後に、過去の大先輩の技術習得の道を照らしてくれる言葉を引用し、これからもせん定を続けたいと思います。

"せん定は一種の技術であって、熟練を要することはもちろんであるが、カンキツ樹自体がおのずと教えるのに従うのが最もよい。自然を無視してせん定整枝をすると、本来の性質が乱れてせん定の方法もむずかしくなる。往々特殊なせん定法が案出され、栽培家を迷わせているが、極端な方法は避けなければならない。それゆえカンキツをせん定するにあたってはまずその性質を十分に知得し、さらにせん定の本来の目的に反しないように心がけることが肝要である。しかし一応のせん定はだれでも容易にできるのであるから、あまりむずかしいものと考えないで、他人まかせにせず、枯枝を切るとか、光線が樹内にはいるように密生した枝を間引くなど、わかりやすい所から入門しおいおいと要領を習得するのが最良の道である。"

出典:改訂新版『カンキツ栽培法』農学博士 岩崎藤助 朝倉書店



後藤美智子

大分県豊肥振興局にて“果樹に関わる人を地域に増やす・地域にやりたい仕事をつくる”を目標に普及活動に取り組んでいます。転職して公務員(農業)になりました。普及員は6年目です。

上へ戻る

カレンダー

loading ...

みんなの農業広場に戻る

アーカイブ