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後藤美智子

春の心はのどか

2022.04.11

 どうして柿の木は大きくなってしまうのでしょう。
 大きくなった柿の木は収穫しにくくなり、カラスのえさになってしまいます。また、落ちた柿はイノシシを寄せる餌になります。畑に鳥獣害が広がるため、鳥獣害対策として、まず『収穫しない果樹は伐採すること』とされています。
 

 3月に入り、かぼすのせん定のご相談や定期巡回の中で、管理不足の柿の木があると、鳥獣害対策として整枝の助言を行っています。亜主枝の位置まで低く切る『カットバック』です。


 私がはじめて柿の木をカットバックしたのは、普及員1年目の年です(私は34歳で普及員デビュー)。手法として知ってはいましたが、いざ柿の木を前にするとすぐに決断できません。そこで、総括に現地から電話をして相談しました。今でも敬愛する上司は、私にこのように助言をくれました。
 「あなたが果樹の技術者として必要だと思うのなら切りなさい。大丈夫」
 生産者にも普及指導員にも技術者として尊敬されていた大先輩に、「技術者」と呼ばれたことは1年生の私の心を強く押してくれました。そして、ばっさり、カットバックします。その例を参考に生産者もカットバックを行い、翌年は収穫しやすい園地に生まれ変わりました。私が柿の木のカットバックを提案する際の心の中には、今もずっと総括の言葉があります。
 

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カットバック前(左)とカットバック後(右)


 私自身がそうだったように、悩む生産者方が整枝・せん定が行えるような言葉をいつも考えます。これは、コーチングです。もし、この記事を読んで、柿の木を整枝と思った方がいらっしゃれば、応援しています。
「あなたが必要だと思ったのならぜひ切ってください。大丈夫です!」

後藤美智子

大分県豊肥振興局にて“果樹に関わる人を地域に増やす・地域にやりたい仕事をつくる”を目標に普及活動に取り組んでいます。転職して公務員(農業)になりました。普及員は6年目です。

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