心理的安全性を醸成する
2022.04. 4
新規就農者の方の技術習得をすすめるために、現地の圃場をお借りして栽培管理実習を計画し、実施しています。
現在の私の対象者はぶどうの方なので、2月にせん定を行いました。これからご自身のぶどうの樹を育てていく中で、ちょっと先の生育状況の樹の様子を観察することはとても有意義だと、私は考えています。そして、仕事の9割は段取りです。作業は『点』ですが、管理は『線』であり『面』です。
左 :研修圃場で育てたシャインマスカット / 右 :初夏作業の様子
一緒に研修(作業)を行いながら、少しずつ質問していきます。最初は今年の取組状況と技術に関することでした。次に、借り入れを行っているので、5年後の展望を聞きました。農業をはじめた今は、家族経営が主体となるため『家族の理解状況』、『雇用の確保(対象、賃金設定)』、雇用に必要な『チームマネジメント』の話をしています。これは、『技術と普及』2月号にも掲載されていた『カウンセリング』です。対面だとかしこまってしまいますが、圃場で作業をしながらだと私自身の技術も見てもらえて、信頼を高めやすいと考えています。
この日は、マネジメントの流れで、年上の方との接し方についての話になりました。私は、この仕事を始めたばかりの頃、飲み会の場で先輩から「年上の方(上司)に、フランクに接しすぎている。相手もそれを了解しているかもしれないが、外から見たときには良く思われないこともある。気をつけた方がいい」と助言されたことがあります(これは今でも気をつけていることです)。この話をすると就農者の方から「私も過去、職場の先輩から飲み会で同じ事を言われたことがある」と話されました。それから、お互い顔を見合わせて、"あなたもか"と笑い合って再度反省し、仕事の中で活かそうと話し合いました。
他者と接する中で、過去を思い出し、発見することで私自身もカウンセリングを受けているのだと感じています。相手に話してもらいやすい雰囲気づくりを留意し、今後も活動していきたいです。