山本研究員による第三者継承研修と現地調査
2018.11. 2
農業従事者の高齢化と後継者不足が言われ始めてから、かなりの年数が経過しました。
政府は2017年の成長戦略の中で、『40代以下の農業従事者を現在の約20万人から10年後には40万人に倍増させる』という目標を掲げ、これに先立ち2000年から『青年就農給付金』を、2012年から『農の雇用事業』が始まりました。
その効果もあり、高岡農林振興センター管内では45歳以下の新規就農者が、毎年20人前後誕生しています(ほとんどは農の雇用を活用した雇用就農)。
一方、施設やほ場などの「有形資産」及び、栽培技術や販売ルートなどの「無形資産」が十分あるのに、経営内(親族内)の後継者不在によって離農につながるケースがあり、県農業経営課のアンケート調査によって、数年以内に第三者に経営委譲を検討している経営体が、当センター管内にも複数あることが明らかとなっています。
農研機構では以前より第三者継承の調査を続けてきたとのことで、研究を担当している山本研究員が、高岡管内の2事例について調査するために11月1日から2日にかけて来県されました。
(農研機構では、今年度末に新たな経営継承マニュアルを作成するとのこと)
そこで、山本研究員が来県された機会を利用して、当センターの職員に対する「事例を中心とした第三者継承の現状と課題」について講義していただきました。
支援チームによるコーディネートで移譲者と継承者のマッチングがうまくいっても、その後継承まで至らない場合が多いこと、第三者継承がうまくいくためには「並走期間」を長くし過ぎないことなどが重要であると分かりました。
現在、当センターでは経営継承に悩んでいる経営体をいくつか抱えていますが、それらは今回調査した事例やその他の管内事例とは異なった条件にあり、そのまま参考にはできません。
そこで、それらの事例が移譲者と継承者の双方が喜べる成功事例となるよう、作成中の農研機構のマニュアルを参考にするとともに、今年度中に県外調査を行って、成功事例と失敗事例を学んでくる予定です。