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blog_hukyu_kasahara_f.jpg青森県
笠原 均

夏のレタスは、夜明けにて(連載第2回)

2014.09. 8

【前回までのあらすじ】 ▼前回ブログはこちら


 「どうしても、夏場のレタス収穫を写真に収めたい!」

 そう思った普及指導員の私は、有限会社サニタスガーデンの代表、山田広治さんの協力を得て、青森県八甲田山の標高750mにある開拓地、沖揚平地区のレタス収穫風景の撮影にこぎつけました。山田さんと、約束した時間は、なんと夜明け前の午前4時。
 暗闇の中、なんとかレタス畑にたどり着いたものの・・・


【夏でも高原は寒い
 夏でも標高750mのレタス畑は、肌寒いです。普段着の上にジャンパーをはおってきて正解でした。
 重いカメラと三脚をかつぎながら、私は、良い撮影ポイントを探そうと畝間を歩きまわり、腰を落としては、ベストアングルを探します。畑に入ってまだ5分も経っていないのに、すでにズボンはぬれて、まるで水たまりにしゃがみ込んだようで、とても冷たいです。
 生産者のみなさんが、星が降るような晴天に、雨合羽を着ているのがよーくわかります。

 
 さて、気を取り直し、まずは風景を一枚。
私を案内してくれた山田さんのトラクターです。


kasahara_8_5.jpg
朝焼けをバックに、サニタスガーデンのトラクター。でかい!


 続いて、ヘッドライトの光を頼りに収穫するサニタスガーデンのみなさん。
 私の知っている昼間の畑は、誰も居ない静かな畑ですが、収穫作業中は、こんな感じ。10人近くの方が作業してました。


kasahara_8_6.jpg  kasahara_8_7.jpg


【来てみて感じたこと】
 レタスの収穫作業って、かなり体系化されているんですね。とても効率的に作業が進んで見えます。


 まず、収穫を担当する人達が、レタス畝に向かって横数列に並ぶと、まっすぐ畝間に入っていき、スカスカとレタスを地面から切り離しています。
 その後ろには、レタス箱を準備する人、箱詰めする人、芯が渇かないように霧吹きで水をかける人が控えていて、次々と出荷用のダンボールが畑を埋めていきます。その光景は、まるで工場の生産ラインのようにも見えますし、一つの大きな生き物が、レタス畑の上で食事をしているようにも見えました。


 途中、レタスを生まれたての赤子のように抱き上げるシーンが見られました。
「おっ! これぞ、シャッターチャンス!」
とばかりに、その人に近づくと、
「あ! ダメダメ! 私、化粧してないの~。」
とのこと。あぁ、女性でしたか! それではということで、シルエットで撮影しました。


kasahara_8_8.jpg


 さぁ、夜明けです。
八甲田山から、朝日が差し込んできました。気がつけば、出荷を待つ、たくさんのレタスの箱が、畑の此処(ここ)彼処(かしこ)に見られます。


kasahara_8_9.jpg  kasahara_8_10.jpg


【幸せを感じる瞬間】
 最初に書いてますが、私は大の野菜好き・・・特にレタスが好きです。もちろんレストランや自宅で食べるレタスもおいしいのですが、やっぱり、鮮度に一番をつけるなら、収穫直後のものに軍配が上がるでしょう!


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 外葉は、まだ葉露でびっしょり。外葉を外せば、滴(しずく)がキラキラと宝石のように飛び散ります。さらに、レタスを一口サイズにちぎってかめば、バリッ、シャキッと音がした後、さわやかなレタスの香りと、ほのかな苦みが口の中に広がります。

 世の中には、お金を出せば手に入る、たくさんの「贅沢」がありますが、夏の夜明けに畑で食べるレタスの味は、まさに格別! 贅沢そのものでした。


 ささやかな贅沢を楽しませてくれたサニタスガーデンのみなさまに感謝を込めて、ブログにて、報告させていただきました。

「ごちそうさまでした。」m(_"_)m

笠原 均

青森県の農業改良普及指導員(普及員)です。普及員歴はすでに20数年となるのですが、お話し好きが高じて、農業の担い手育成を担当していることが多いです。 プライベートでは、「気分はプロフェッショナルカメラマン」、「YouTube再生回数が伸びないけど作曲家とウインドシンセサイザー奏者」です。 加えていうと、15年前から音楽の秘められた力をフル活用して地域おこしをやっています。そんな活動のお陰で町内会役員から目をつけられ(勧誘され)、町内会の理事なんかやっています。もちろん、町内の草刈りやしめ縄づくりも、町内会最年少として参加しています。

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