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大分県
塩崎洋一

1億円経営が舞台のOJT

2021.01.19

 今年ルーキーのIくん。この日は、4年前からお付き合いのある法人経営の野菜農家さんの本社で手伝ってもらいました。この会社では、半年ほど前から彼と一緒に動くようになりました。最近では、野菜に関しては、社長との直接のやりとりもできているようです。


 先日、Iくんから
「塩崎さん、来週あそこに行くんですよね、僕も一緒にいいですか」と言われ、
「おう、社長に聞いたんか。なら、いいぞ。1時半頃に本社じゃ。社長は3時頃に帰ってくるけん、それまでに資金繰りを修正するんじゃ、手伝え」と、段取りしました。


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意外と緊張してないIくん。先輩としては安心しています


 社長不在時に押しかけて、事務員さんから決算書や償還表を借りて、資金繰りを作成して社長と検討する。
 社長は、普及員が作った資料をもとに検討して判断する。あるいは、修正指示や事業展開計画の修正案を話すと、これを普及員がさらに盛り込んで校正する、という流れです。


 ここで、「どうして資金繰り表を本人が作らないのか」という疑問が出てくるかもしれません。
 私は他の法人経営者の場合でも、重点的な対応先では同じようにやっています。もちろん、本人に作ってもらう場合もありますが、重点対応先には、資金繰り表は基本、私(普及指導員)が作成しています。

 民間の経営コンサルタントの方々がどのようにしているかは知りませんが、普及指導員がこうした業務を支援することについて、以前ある大規模農業法人の専務さんから、「うちの経営でこれだけの計画を作ってもらうとすると、民間に頼めば何百万円とかかるだろう」と言われました。普段お付き合いをしている農業経営者からのこのような一言は、間違いなく励みになります。
 

 この日の帰り道、Iくんに言いました。
「どこかの研修会に行った時、『僕は1億円の資金繰りを作っています』と、胸を張って言えるぞ」と。

塩崎洋一

昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興局を舞台に、普及活動の第二幕が上がった。臼杵市在住。

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