普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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大分県
塩崎洋一

値頃感、はたして。。。。

2019.09.10

 ちょっとした日程調整でも、農家さんの畑や家で、直接顔を見ながら会話する。用件はメールかLINEか、電話でもこと足りるが、それを車で20~30分かけて出向く。このひと手間が、普及方法の基本中の基本。農家さんと普及員の間に信頼関係を築く、超大切な基礎、です。

 この日もそうでした。後継者組織の会長のところへ出向き、本人はともかく、調整作業中の奥様ともやりとりをした次第です。


 先般、私が後継者組織を2つ担当していることはお知らせしましたが、両方の会長の奥様方は、女性組織の活動を通じて仲良しこよしなのです。会長本人とだけLINEで用件を済ませたならば、奥様との会話はできません。

 今回は、2つの後継者組織の皆さんで交流会をする話です。ここ10数年以上、一緒に交流も活動もしていないので、実質は初めての試み。両者を仲良く結びつけたいこちらとしては、まずは会長役員だけで一度顔見せをやろうぜ、ということです。
 そこで「会長の奥様同士が仲良し」というのがものすごい付加価値であることは、普及員ならピンとくるところ。組織育成のポイントです。


 ところで、現在「かぼす」の出荷最盛期。この日会長宅では、調整作業中でした。大分県は全国一の産地ですが、流通面にいまひとつの感を持つのは、私だけでしょうか。
 作業場でおもむろに声をかけると、写真のコンテナは、なんとジュース用だとか。


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数年前にUターンした二人。今では文句なしに地域の中核です


 「うそやろー、こんなん直売所に持って行こうぜ。ジュースでキロ何十円か知らんけど、これなら一個100円でんいいやんか。直売所にもよるけど、大きいのが好きなお客さんもおるで。これで3個300円。これなら見栄えもするで。。。。。かぼすは売り方じゃあ。ついでにレシピもつけてだすとか、してみらんかな。小さいのが3個300円より、よっぽどいいでなあ。。。。」

 つまり、3Lサイズは規定の流通には向かないそうで、系統出荷でのジュース行きだとのこと。


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さすが、プロのできばえ。趣味でやっている私とは、全然違うのです・・・・ジュース用も不足してるとは聞きますが、かぼすの使われるシーンを思い浮かべれば、この子たちの活躍の場は、加工の場ではないと思うのは、私だけか・・・・


 普及員の仕事は農家さんに儲けてもらうこと。いかに手取りを増やすかだ、と心に決めて毎日を過ごす私としては、ひさびさに「なんとも言えない感」が心を支配した瞬間でした。

塩崎洋一

昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興局を舞台に、普及活動の第二幕が上がった。臼杵市在住。

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