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大分県
塩崎洋一

女性の農業経営管理能力向上

2018.11.19

 全国どこでも、農業に従事する女性組織の育成が図られているかと思います。
 当管内でも様々な活動がされていますが、その中のひとつに、経営管理能力向上をめざしたコースがあります。
 これは、継続して2年間、一定以上の研修を受け、最終段階では自家経営の状況や将来ビジョンを発表します。本県では「女性農業経営士養成講座」と称していますが、この日はその最後の発表に向けた、まとめの打ち合わせでした。


 作業を進める中で、正面右手のトマト農家Sさん。昨年度法人化して規模拡大もされたので、私も同席して状況を伺っていました。そして、「そうだ、ブログ用に写真を撮ろう」と、携帯を探しに退席して戻ると、担当のMさん(背中左側)が「息子さんが就農するので、給付金の話を聞きたいとのことです」となって、急きょ担当のAさん(背中右側)が加わりました。

 まさに普及の組織活動というところですが、こういう普及組織を活かすというか活用するスキル、これが農業経営では、意外なコスト削減につながると思うのです。


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普及所に来ればワンストップできる、です。ところがこうした点については、遠慮しがちな農家さんが多いようです


 今回は研修のためもあり、自家経営のまとめを作っていますが、私が経営計画作成の手伝いをしている、ある農業法人の奥さんは、「これだけの計画書を民間に頼むと、何十万円か要るだろうねぇ」と話していました。また、その奥さんは他の農家さんに、「普及所に頼むといいよ。パソコンですぐに作ってくれる。その代わり、決算書も何もかも全部見せることだよ」と話しているそうです。

 ポイントは、「決算書も何もかも、経営に関する数字をすべて見せることができるか」です。「生活費の中身は出さなくていい、経営に関して全部出せるか」ですが、この意識は、なかなか研修で培われるモノではないようです。

塩崎洋一

昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興局を舞台に、普及活動の第二幕が上がった。臼杵市在住。

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