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大分県
塩崎洋一

タツ(頭絡)について

2016.01. 6

 「タツ」で調べると「頭絡」(とうらく)という語も出てきます。
方言や色々な呼び方がありそうですが、私が新入りの頃、肉用牛農家さんは「タツ」で、酪農家さんは「トウラク」と言っていたように思います。

 鼻環(大分では「ハナグリ」)を通していない子牛や乳牛などで、鼻に輪っかをかぶせるようにして頭にかけて、首の側で結びます。


blog_shiosaki68_00.jpg


 写真にある白いひもで作ったモノが「タツ」になります。
 赤い丸で囲った部分は引き綱です。白いひもがゆるんだり切れたりして子牛が離れてしまわないよう、引き綱でタツと同じような役目をするように縛っています。


 すべての農家さんが自分で作れるわけではないので、これが作れると、とても喜ばれる場面があります。
 これが普及の技術と言えるのか・・・牛の発育を測定する過程においては、牛を保定する必要があります。しかも安全に。だから、これは普及の技術と言えるでしょう。


 それでは、E普及員がタツを作ります。


blog_shiosaki68_2.jpg
輪っかを二つ左右に。


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手前の伸びしろを二つの輪っかの間から上に倒す。


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左側の輪っかを右下へ倒す。


blog_shiosaki68_5.jpg
右側の輪っかを手前に持ってくる。
その時に左側から先ほど倒した輪っかの上をとおり、かつ、最初に手前から上に倒した伸びしろでできた輪の中を通す。


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反対側の結びをつくるのに、左手で絵のように配置。親指が輪っかの中にある。


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上記の親指を回っている伸びしろを最初に作った輪っかの中に通す。


blog_shiosaki68_8.jpg
最初に作った輪っかを通してきた伸びしろの長さの折り返した分と、最初に作った輪っかの長さの分とで、牛の鼻が入る輪っかのサイズを見る。


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上の写真で、最初に作った輪っかから戻ってきている伸びしろが親指の下にあるので、それを手前から下から、牛の鼻の入る輪っかをくぐらせて上の方向へ倒す(上方向に伸びているところ)


blog_shiosaki68_10.jpg
上の写真で残っているもう一つの伸びしろを、先に上に倒した伸びしろの上を通して、鼻の入る輪っかの上から差し込んで手前に出し、さらに、それによってできる輪っかに手前から差し込んで、上の写真で先に上方向に倒した伸びしろとあわせる。


blog_shiosaki68_11.jpg
親指を抜いて、形を整える。


blog_shiosaki68_12.jpg
できあがり。
結びの間が2本直線になっているのが牛の鼻の上に来る。


blog_shiosaki68_13.jpg
裏返して左右の結びの形が、三角形になっていれば、正解です。
二つ目の結びの作り方は他にもあります。
詳しくは、肉用牛関係書籍などで調べてみてください。


しばらく作らないと、忘れてしまうモノです。
仕事始まりのラジオ体操代わりに、毎朝やろうか、との話になっています。

塩崎洋一

昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興局を舞台に、普及活動の第二幕が上がった。臼杵市在住。

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