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大分県
塩崎洋一

6次産業の最終目的は?

2015.08.18

 今年度からは、わが県でも6次産業化の推進を叫んでいます。誰が叫んでいるかはともかく(やばい、いらぬことを言ってしまった)・・・・。


 管内は、時々紹介してきたように、正直水産地帯です。ですから、6次産業化の1次の部分は当然水産業が多いです。 先日、6次産業化の予算で加工施設を設置する水産の社長さんと事業の打合せを行ってきました。もちろん、水産の普及員さんも一緒です。


 水産加工品もいろいろな流通があるようですが、今回はふぐの加工品です。(話は違いますが、)私の生まれは豊後水道に面した臼杵市ですが、実は臼杵は知る人ぞ知る、ふぐの町です。時期になると県外ナンバーの観光客が多くなります。


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初めて見るふぐの養殖。生産性を上げるための技術は、農業も水産も考え方は同じようです


 すいません、話を戻します。


 さて、私の勝手な論かもしれませんが、農産物に比べて水産物の方が、6次産業では有利な気がしました。くわしくはまたの機会にしますが、1次産業の部分の利ざやが、どうも、水産の方が、あるいは畜産物が有利なのでは、と感じた次第です。


 食べるシーンをイメージしてみてください。テーブルの上では、主役は肉や魚が真ん中です。1次産業の側では、何かを工夫しなければいけないと思うのです。が、一歩踏み込んで、テーブルがどこにあるかをイメージすると、どうなるでしょうか。食べる場所です。3次産業の方は、何かを売るではなくて、どこで食べさせるかになってきます。で、そこはどこか、単にレストランなのか、広い意味での場所、観光地なのか、あるいは1次産業のお膝元、「田舎」なのか、です。


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豊かな生活を送りたいなら、田舎に住めば良いのです。日本中で便利さや金銭的豊かさだけを価値観にしてしまう教育が行われているのではないでしょうか。海辺の直売所、これで最近の為替相場で$7~8、です


 6次産業を「農水産物(1次)を加工(2次)して売る(3次)」という発想だけでやっていくから、最終的な目標であるはずの「中山間地域や農山漁村の活性化」がよそに行ってしまうのではないでしょうか。

 観光ポスターに「温泉とかへ行きたい、の『とか』には、おいしいものが含まれている」という言葉がありました。まさにこれがヒントだと思います。

塩崎洋一

昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興局を舞台に、普及活動の第二幕が上がった。臼杵市在住。

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