地産地消の研修会
2015.07.17
最近は6次産業化の話がやたらと飛びかっているようですが、皆さんの周囲ではいかがでしょうか。
このお店(写真)は、戦前から75年ほど続いていた、おでん屋さんです。
都合により4年前に一度閉店したのですが、ちょっとした縁からその味を復活させたところ、地元では意外な反響が起きているようです。
実のところ、復活させたのが私の身内でしたので、担当する女性農業経営士の皆さんにお話ししたところ、わざわざ集まることとなりました。
私もプライベートでよく使っていますが、ただ集まっても面白くありません。せっかく行くなら少し勉強を、と思い、「地産地消の研修会」と銘打って、色々と食材の仕入先を調べてみました。
すると、練り物は地元のかまぼこ店さんが魚市場で材料を仕入れ、その他魚介類は地元の漁師さんやスーパーで。スジ肉は県産国産材で、こんにゃくは国産こんにゃく芋。昆布は岩手直送、大根は地元の大根農家さんに直接買い付けです。明らかに輸入原料だったのは、とうふの大豆くらいでした。飲み物も、日本酒や焼酎は極力地元産の銘柄を仕入れているとのこと。これは、緑提灯の星4つはいける、というような研修会でした。
この日集まったのは、会員18人中の10人です。普段の研修会よりも参加率が高いのは、なにをか言わんや・・・・
6次産業化をテーマにビジネスモデルを構築する時、1次産業にうまみのない話がほとんどではないかと見ているのは私だけでしょうか。2次産業3次産業の側が、それなりに1次産業側の納得する価格で仕入れをする。そうして6次産業化を図り地域内での仕組みができるならば、それは仕組み自体が永続的に存在できます。
つまり、1次産業側が2次3次産業分のコストをいたずらに背負わなくても良い。そのポイントは出口にその商品を納得して活用する地元の人たちがいることです。
このお店は、普段のお客さんの顔ぶれを見れば、75年の歴史が有無を言わさぬ付加価値となっているのが伺えます。生命線は味の復活とその断固たる維持だそうです。つまり、地域の中でマーケットまで含めた6次産業の仕組みになっているのです。