肉用牛繁殖経営改善の技術
2015.02. 5
県内の肉用牛繁殖経営を対象に、繁殖成績向上の勉強会が開催されました。管内からも10人を超える農家さんが出席。わが管内の状況からすると、参加の動機は何であれ、素晴らしいことだと感じました。
露地栽培の果樹では、収穫量に裏年表年がある話は皆さんご存じかと思いますが、実は、肉用牛の繁殖経営においても、子牛を出荷する頭数に裏年表年があるのです。
あまり聞かない話ですが、これについて少々・・・・
牛の妊娠期間は284~285日ですので、順調に妊娠を続ける牛の場合は、1年365日の中で、おおよそ毎年出産を迎えることができます。ただし、牛の場合はほぼすべて人工授精で妊娠させるので、このタイミングを押さえる必要があります。
出産後、タイミングのサインを1度見逃すと、人工授精の機会は次は約3週間後になります。これを数回見逃すと、1年のサイクルで子牛が産まれないことになるのは、誰しも解ります。
さらに、出産前後は人間でもきついものがありますが、母牛も、出産前後の飼養管理によっては、これまた次の人工授精のタイミングを見落としやすくなります。見落としやすくなるというよりは、母牛が疲れていたりコンディションが悪いと、サインが弱くなるのです。
つまり、1年に1度の出産をキープするためには、牛のサインを見逃さないこと、サインをはっきり出せるように飼養管理する、特に栄養のバランスを考えたエサを与えることが、重要になります。そして、最大のポイントは、この二つがどちらも経営者自身の意識によるところが大きいということなのです。牛やエサの責任ではないのです。
そんな中、今回の勉強会では、いかに妊娠させるかの技術を学びました。