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大分県
塩崎洋一

自給飼料調査

2014.02.12

 管内の肉用牛農家さんが自給飼料を購入するに当たって、ロールベールの個数だけではなかなかkg単価が解りにくい、とのことで計量に向かいました。
 もちろん、JAさんや市の担当者も一緒です。
 普及としては、実際にどのくらいの重量になるのかを把握して、他の場面での収量把握に役立てたいとも考えました。
 都合60個。写真にありますが、軽トラックで牛の体重計を持ち込んで量りました。


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この日は午後から寒風が吹き荒れてきました。寒かった・・・・。だけど、農家のためなんですよね~、とみんなでがんばりました 


 ところで、このロールベールを生産したのも肉用牛農家ですが、自給飼料生産で本当に経営の低コスト化は成されているのかが、私の中では実は普及活動開始以来、二十数年間にわたっての疑問なのです。


 もちろん、その政策を否定するつもりはありませんので、言い換えれば、その経営体において、自給飼料生産は低コスト化の手段として有効か、常に柔軟に考えておかねばならない、というところです。


 たとえば、季節によっては、自給飼料生産に追われるあまり、肝心な牛の繁殖管理などが手薄になって、結果的に売上の減少になるというようなリスクの存在です。
 あるいは、日本の気候から、生産する自給飼料の品質が安定せず、酪農などでは搾乳量に影響が出るというリスクもあるでしょう。


 逆に、自給飼料生産により堆肥の有効活用が図られるというメリットもあるでしょうが、リスクとメリットのバランスをどう考えるか、経営を取り巻く環境と合わせて、経営者の判断が分かれるところかと思います。
 私としては、まずは自給飼料を作らねばならないという前提からの話だけは、極力避けるようにしているところです。

塩崎洋一

昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興局を舞台に、普及活動の第二幕が上がった。臼杵市在住。

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