普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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大分県
塩崎洋一

塩崎洋一

昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興で普及活動の第二幕、北部振興局で普及活動第三幕を終えた矢先、北部からさらなる要請があって第4幕が上がった。なかなか自分のやりたいことに集中できない、でも断れないジレンマを抱えながら、それでも全力で普及員をやる気持ちです。

この景色に癒やされる

2025.05.15

 この日は、第三幕でも伺った海の見える農場で牛さんの体側です。道中の景色、特に天気が良いと癒やされます。後で気づくのですが、こういう景色、特に海を眺めるのは、心の健康に良いのだとか・・・・。


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青い海・青い空 海辺の普及活動がやっぱり気持ちよい・・・・


 体側が終わった後で、Oくんが何か聞き取り調査をしていました。
 自分から積極的に動けるようになる感触、こうした農家さんとのやりとり、会話、対話のなかからも育まれます。


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聞き取り調査中のOくん、漏れ聞こえる単語に思わず「それ、酪農家さんでのことじゃ、肉用牛には違うで」と言ってしまった。頑張れルーキー!


 普及方法の研修で習うかどうかは分かりませんが、対人関係の中で、相手の方とのコミュニケーション、言葉そのもので伝わるのは1割か2割。あとは表情や雰囲気などで伝わっていくとのこと。


 では、私たち普及員は、農家さんに何をどう伝えるのか。
 色々な問題・課題があるとして、「ここをこのように改善すれば良くなる。だからこうやってみませんか」「こうやってみましょう」というところです。


 このように伝えるとして、伝わったかどうかは、どのようにわかるのでしょうか。
 後日、農家さんが「それを実行してくれた」「その結果が変わった」となって初めて「伝わった」と実感することになるのです。もちろん、こちらが「何とかしてあげたい」と思わなければ、この体験も得られません。

普及活動 第四幕が上がった

2025.05. 2

 昨年第三幕が閉じて、年が明けました。
 しばらくすると事務所から、「年末に送別会をしなかったので、3月末の全体送別会に是非」と声がかかりました。
 もちろん参加したのですが、その席上、と言いますか、廊下ですれ違いざまに「塩崎さん、良かったら4月から来てもらえないか」とのこと。
 「実は農大から外部講師を頼まれています。私は良いですが、事務所として問題がなければ構いません」と答えていました。すると1カ月も経たないうちに、「4月の歓迎会に参加しませんか」となった次第です。頑張ります。


 ということで、昨年関わった案件に引き続き、ブログを挙げていきたいと思います。
 この日は子牛の体側でしたが、4月に着任したルーキーのOくんと出かけました。
 気持ちの良い春空の下、牛の捕まえ方やロープワークを教えながら、許可をもらってデータ取り。農家さんにバックするとは言え、農家の財産を扱っていることの大切さを伝えながらの現場でした。


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 Oくんを真ん中に、右は先輩のSくん3年目。左は広域指導班のKさん。Kさんは塩崎が広域時代の十数年前、当管内で肉用牛担当でした。
 その頃に牛さんはこうして捕まえて、繋ぐ、と教えていたのですが・・・・。

時には自分の普及活動

2024.12.30

 この日は、肥育のSさんところで、体重測定でした。
 年末で勤務期間終了なので、挨拶もしておかねば、と思ったところです。


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まずはGET。ロープで輪投げです。農場によっては、長めのフックで鼻ぐりを引っかけたり、いろいろです


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他の牛を捕まえることを考慮して、繋ぎます。注意するのは、他の牛が、この子を繋いだロープの下をくぐることです。だから長めに、なるべく高さのあるところで繋いでおきます。捕まえながら、牛の観察もします。こいつ、元気ねえなあ、とか


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終わったあとの雑談が大切。60年やってるSさんでも、うっかりがあったりします。雑談の中から、牛舎での改善点を提案したり、本人が解りやすく、やりやすい方法で伝えます


 さて、ブログを始めた南部振興局勤務の前の広域普及員時代、県庁の普及主務課でのこと。


塩崎「耕種園芸の反収調査は坪刈りとかじ、男(子)でん女(子)でんでくるけど、肉用牛の反収はデイリーゲン(DailyGain:1日増体)やから、体重量らんとならん。けど、牛捕まえよっち怪我したら、公務災害になるんかな。『若えもんを鍛えてくれ』ち言われてん、畜産担当は牛を捕まえなならん」


主務課担当「公務災害にはならんから、そりゃあ、農家か農協に捕まえてもろうて」


塩崎「そげぇ言うてん、それじゃあ普及員が牛も引ききらんじ、農家ん信頼は得られんで」と返すが、議論にもならず。
 技術もデータ収集も普及方法もセットだという、典型的な会話です。


 ですが、やっぱり大きくなった肥育牛は、大変です。でも、やらねばならないし、牛に怪我はさせられない、自分も怪我をするわけにはいかない。若手に怪我はさせられないけれど、覚えさせねばならない。こんなことの繰り返しです。
 たまに思いますが、試験場でのデータと現場でのデータ、やっぱり違うなあ、と。私だけでしょうか。


 さて、これにて普及活動の第3幕が終わります。
 これまでお読みいただき、ありがとうございました。

熟度調査

2024.12.28

 実を言うと、私は学生時代から、草の類いが苦手でした。
 そんなこともあって、自給飼料関係とか、苦手な気持ちが今もあります。
 先日のような電柵の作業とかは良いのですが、草の生育状況とか成分とか種類とかは、どうも苦手です。


 秋に播種したトウモロコシを刈り取ってサイレージにする頃で、この日はSくんがその熟度を見るとのことでした。

 そうは言っても年の功で、「割って見るだけじゃねえで、粒をつまんで見れや、噛んでみれ」とか「畑ん端だけじゃねえで、中ん方も見るんじゃ」など、エラそうに言ってしまいました。
 ですが、事実、圃場の中程と外側では違いがあった次第です。
 私が言ったんではなくて、経験がものを言ったのでした。


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実を割って判断しているSくん。日差しは良かったですが、風が強くて寒かった1日でした

体重量るだけじゃねぇぞ

2024.12.27

 この日は、酪農から肉用牛に経営転換したOさんのところで、発育調査です。
 子牛市場では、価格と日齢体重に相関がある面は避けられないので、体重を量るのはもちろん、牛さんの発育のバランスから、体高も胸囲も測ります。
 量る・測る・計るで、それぞれ意味あいが違いますが、それぞれの数字を、和牛登録協会にいただいている標準偏差値を計算する表に並べます。すると、例えば体高のσ値が+1ならば、その他の値も+1になっているかなどで、その子牛の発育のバランスが解る、と言うことです。


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胸囲を測るSくん、子牛と一緒に体重を量るH総括。普及現場では、自身の体重を気にしているようでは、仕事は進みません。私は三桁ですけど・・・・


 最近は便利なグッズと言いますか、体重計も良くなりました。
 以前、南部振興局に在籍していた時代は、軽トラで運ぶようなサイズでしたが、今は、公用車で運べます。
 何事も数字で把握していくのが、技術の基本だと思うのは、私だけでしょうか。

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