岩手県
吉田 泰
吉田 泰
岩手県中央農業改良普及センター軽米普及サブセンターで葉菜類の担当をしています(岩手県の県北にあります)。県内の葉菜類産地を対象として、安定生産に向けた課題解決を図っています。
2012.12.28
みなさんこんにちは!
今回は久慈地域で先日開催された「県北圏域ほうれんそう生産者技術交流大会」のようすについてご紹介します。
前回、生産者と関係機関が集まって行われた実績検討会において、来年の取組みの1つに「品質の確保」が挙げられ、ていねいな調整作業をいま一度取組むことが確認されました。
今回の交流大会では、生産者の方を対象に、安定生産と品質向上対策を中心とした研修内容となっており、その中の品質向上対策について、私から説明を行いました。
市場を交えた査定会の結果や、JAや研究センターで調査した品質低下の要因を紹介することで、参加した生産者は、県内産のほうれんそうの品質がどのように捉えられているのか、品質を向上するために何が必要なのか理解されているようすでした。
岩手県の県北でも、最近の夏は猛暑になることも多く、品質の低下が懸念されることから、土壌消毒やかん水など、新たな技術を取り入れて安定生産につなげるとともに、ていねいな調整作業を実践し、岩手県産ほうれんそうの品質向上につなげていく予定です。
2012.12.13
みなさんこんにちは!
今回は先日開催されたほうれんそうの実績検討会についてご紹介します。
9月の活動紹介として、県内各産地が集まっての現地研修会をご紹介しましたが、栽培がほぼ終盤になったことから、今回は各産地がこれまで取組んだ成果と残された課題を検討し、次年度の取組みを整理するために、検討会が開催されました。
各産地からは、土壌病害や高温対策について、土壌消毒や遮光幕の利用状況や生産者の反応などが紹介され、今後も継続した取組みが必要とのことで一致しました。
また、今年発生した品質不良の調査結果や査定会などから、品質の確保に向けて、いま一度ていねいな調整作業の徹底をおこなっていくことが確認されました。
そのほか栽培面積の減少に歯止めをかけるため、調整作業の委託や露地栽培への取組みなど、次年度に向けて新たな意見も出されました。
今年は春の雪どけ遅れや夏の乾燥など、天候に影響を受けた年でしたが、次年度も各産地と協力して、高品質安定生産に向けて取組んでいく予定です!
2012.11. 1
みなさんこんにちは!
今回は、以前にご紹介した、久慈地域のねぎの取組みについて、ご紹介します。
今年の生育はおおむね良好に進み、無事に収穫を迎えることができたことから、実証担当者、久慈普及センターと、今後の収穫に向けて打ち合わせを行いました。
また、今年も病害虫や雑草対策など、作業に追われることがあったことから、あわせて一度管理を振り返ることになりました。
病害虫では発生した時期や薬剤の散布実績を整理し、効果的な防除について意見を交換しました(写真1)。
その他、除草や土寄せについても、今年はかなり多くの労力を要したことから、来年の面積拡大も見据えて、除草剤の効果的な利用や栽植距離の検討について広く意見を交換しました。
収穫に向けては後日、JAの担当者も参加して、規格や荷姿を確認しました(写真2)。
写真2 JA担当の方から、規格の説明
岩手のねぎは有機質由来の窒素を30%以上利用した「やわら香(か)」ブランドで販売しています!
久慈地域での新たな品目として定着できるよう、今後も支援を行っていく予定です。
2012.09.27
みなさん、こんにちは!
今回は県内ほうれんそう産地の安定生産に向けて開催した検討会のようすをご紹介します。
検討会は、ほうれんそうの県内各産地が情報を共有し、課題に対して全県で一体的に取り組む事を目的に生産者、JA担当者、普及員を対象に年数回開催しています。
今回は始めに八幡平地域の省力化に向けた取り組みとして、JAで設置している調製施設を視察しました(写真1)。各産地とも個人ごとに調製(選別、下葉除去、計量、袋詰め)している場合が多いのですが、非常に多くの作業時間がかかります。調製施設を利用することによって作業を軽減できるため、参加者は興味深く見学していました。
写真1 調製施設のようす:
調製施設を利用することで、作業を軽減することができ、空いた時間を栽培管理や面積拡大にあてることができます
次に、施設を実際に利用している生産者のほ場を視察しました。空いた時間を病害対策にあてているため、管理が行き届いており、見事なほうれんそうが育っていました(写真2)。
写真2 ほ場のようす:
夏は病気の発生などにより生育不良となりやすいのですが、空いた時間を防除にあてたことで、生育不良の株はほとんど見られませんでした
その後、室内で主に夏場の安定生産に向けた取組について情報交換を行い、当センターからは、夏期に問題となる品質低下の防止に向け、原因の整理や収穫、調製時の意識向上に向けた取組状況について紹介しました。
今年の夏はここ数年と同様に高温が続きましたが、例年よりも品質の低下が少なく、取組みの効果が徐々に出てきたと感じています。
今後も各産地と協力して、高品質安定生産に向けて取組んでいく予定です!
2012.08.30
みなさんこんにちは! 岩手県も30度を越える暑さが続いています。
さて、今回は久慈地域で行っている、ねぎ栽培支援の取組みについてご紹介します。
久慈地域は岩手県の北部沿岸に位置しており(図1)、「やませ」が吹く(写真1)などの夏期冷涼な気候を活かして、ほうれんそうが盛んに栽培されており、県内主要産地の一つとなっています。
左(図1) :久慈地域の位置
右(写真1) 「やませ」のようす :冷たい濃霧の風が海から内陸へ吹きます。やませが吹くと夏でも気温が一気に下がります
一方、地域では、ほうれんそうを補完する新たな品目を模索しており、ここ数年はねぎに取組んでいます。
しかし、県北沿岸におけるねぎの栽培は、まだ技術確立されていないことから、久慈農業改良普及センターと当センターが一緒に実証圃を設置して、技術の確立を目指しています。
今回は、実証圃場の生産者と生育状況を見ながら、主に病害対策について、今後散布する薬剤や時期を確認しました。
やませが吹くと葉がぬれるため病気にかかりやすく、そのために昨年は思うような収量が取れませんでしたが、今年は昨年の反省をもとに防除が行われ、おおむね順調な生育になっていました。
左 :この日もやませが吹いていました
右 :病害対策について打ち合わせ
今後も栽培管理を確認しながら、地域での普及に向け、栽培技術の確立につなげていく予定です。