神奈川県
北見 丘
北見 丘
神奈川県農業技術センター普及指導部果樹花き課の北見 丘(たかし)です。主に全県を範囲とする果樹組織の担当をしています。
2010.10.20
当所で開発したナシの早期成園化技術であるジョイント仕立ての研究会を、10月12日に開催しました。参加者はこの技術の県内の導入生産者(予定者を含む)12名、研究部門担当者4名、県内各地の普及指導員8名です。
ジョイント仕立てに関しては、共同研究の他県研究機関や生産者の工夫により毎年進化しているため、この日は新しい技術の伝達と意見交換を行いました。
2園を巡回しましたが、来春ジョイント仕立て完成をめざす横浜市の園では、主幹部分等の新梢の扱いや側枝の育成方法、接木のポイントについて、ジョイント4年目の藤沢市の園では、側枝の更新の考え方について検討を行いました。新しくジョイント仕立てに取り組む2戸の生産者も参加し、活発な意見交換が行われました。
今後も、ジョイント技術の導入者の技術向上のため、定期的に研究会を開催していく予定です。
左 :ジョイント4年目の園での検討。4年目で棚面がほぼ埋まりました。
右 :太くなってしまった側枝の更新について検討後、実際に剪定作業を行いました。
2010.07.21
7月9日に神奈川県果樹組合連合会主催のナシ現地研究会が開催され、県内各地から約140名の参加者が集まりました。
午前中は農業技術センター果樹圃場および秦野市と伊勢原市のナシ圃場各1園を視察しました。
農業技術センターでは、特許出願中の新技術である‘ジョイント仕立て’と、新しく育成した‘香麗(こうれい)’と‘なつみず’の生育状況を見ました。現地2園では、改植方法や樹勢強化方法等の状況について視察しました。
左 :‘ジョイント仕立て’は、樹の主枝を全てつなげる仕立てです。側枝管理のみとなるので、作業が単純化し省力化が可能です
右 :‘ジョイント仕立て’を見る参加者
左 :第1園(秦野) 補植にジョイント技術を使っています
右 :第2園(伊勢原) 計画密植の間伐樹を改植時に活かし、常に棚面を埋めています
午後は伊勢原市農協本所において、視察園主を中心に改植方法、樹勢強化、病害虫対策等の栽培方法についての意見交換の他、県内では先行して始めている秦野市でのGAPの取組み、農業技術センター育成品種をはじめとした、最近話題の品種についての検討を行いました。
(文中の画像をクリックすると大きく表示されます)
2010.05.17
はじめまして、神奈川県農業技術センター普及指導部の北見 丘(たかし)です。
全県範囲の果樹組織担当をしていますので、果樹の話題を中心に報告する予定です。よろしくお願いします。
さて、今回はみかんの着花調査を紹介します。
神奈川県の果樹は、ナシやブドウの直売経営が有名ですが、県西部を中心にみかんが栽培されており、市場出荷が行われています。
みかんは、よく成った次の年はあまり成らないという隔年結果性が強く、市場出荷量も1年おきに増減しているというのが実態です。多く成った年は価格が暴落しますので、生産量の見極めや摘果による生産量調整が重要です。
これらの対策のひとつが、今回紹介する着花量調査です。
今回は、全県の主要地点の状況把握を目的に、全農神奈川県本部担当者と、農業技術センター足柄地区事務所研究課の職員とで巡回調査をおこないました。
左 :咲き始めの早生みかん
右 :ナギナタガヤも結構導入されています。もうじき枯れこんで土壌表面を覆って、雑草を生やさない役目をします
今年は3月の後半から低温傾向で、かなり生育が遅れていましたが、5月上旬の好天で遅れを取り戻したため、平年並みの着花量、満開日ではないかと思われます。
県内の主要地点を1日がかりで回るのですが、海沿いのみかん園の多くは眺めもよく、天候もさわやかで、気持ちのよい巡回となりました。
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