必要なのは、猛獣か?
2025.03.14
これを書いているのは令和7年の3月上旬。公務員なので転勤を強く意識するタイミングです。
いつもと違って、少しだけ真面目なことを書こうと思います。
農業改良普及指導員として、「少子高齢化、人口減少社会において、農村をどうやって維持していくか」をテーマに、この6年間お仕事をしてきました。
農業改良普及指導員なので、「農家を相手に話をすれば良い」と思っていたのは最初の数か月で、すぐに他産業の人々も巻き込まなくてはならないことに気が付きました。モデル集落の僅か2割にも満たない農家だけで「集落を動かす」なんて、とても無理な話なのです。実際に集落には農家だけでなく、保育園があり、学校があり、お店があり、福祉施設があり、政治家も大工さんも土建業の人も、リサイクル業者の方もいます。
私が「農業」という分野だけに限って、農村を運営する組織、いわゆる農村RMO(Region Management Organization)を形成するのが無理だとすぐに気が付いたのも、皆さんにご理解いただけると思います。
つまり、私の業務は、普段からお付き合いのある農家だけでなく、「人口減少社会の中で、全く知らない分野の人々を巻き込んで農村という地域を運営する組織を作る」ということだったのです。非常に壮大な話です。
誰か先に教えてよ。ヽ(`Д´#)ノ怒!
さらに、組織を運営するために必要だと気がついたのは、
①人が集まって組織として機能すること。
②組織運営に必要な活動費が確保できること。
③組織の新陳代謝が毎年のように行われること。
ということに気づきました。
組織なので、人が集まらなくてはならないし、それぞれの人が能力を発揮して、組織としての総合知を発揮できるように機能しなくてはなりません。さらに「お金」というか運営するための「お金」が必要なのです。2回もカッコ書きで強調するほど、農村を運営する組織を維持するためには「お金」が大事なのです。いつまでも補助金は期待できないし、ボランティア精神だけで運営できるほど、集落社会は「お金」に余裕がある訳ではなく、「時間」に余裕がある訳でもないのです。
さ・ら・にー、組織は作って終わりではないのです。
毎年でもメンバーが少しずつ変わる組織でないと、組織内のヒエラルキーが固定されるし、考え方も硬直します。ただ集落組織の場合は、引退を勧告しなくても、足が悪い、心臓が悪い・・・というような理由で、一人二人と抜けていくので、重要なのは新しいメンバーが「面白そうね!どうか私も入れて!」というような魅力的な組織を作ることが大切だと気づきました。
農村RMOは、一人ではできません。地域に佇む人に協力の手を差し伸べよう
ちょっと話がズレますが、最近読んだIT関係の本で使われていた「IT業界は猛獣の宝庫である」という言葉に心惹かれました。優秀なITエンジニアとなると、突出した才能とともに、突出した個性まで持ち合わせているそうで、彼らをまとめあげ最大の利益を叩き出すマネジャーは、まさに「猛獣使い」のような立場だそうです。
そう!
猛獣の宝庫、そして猛獣使い!
IT業界のみならず、活力を失いつつある日本の農村に必要なのは、猛獣なのかも知れません。
と、訳のわからないフリを入れて話は次回に続くのです。
次回は、強引に猛獣の話に誘導した理由を書きます。ここに転勤の不安を抱えた私が絶対に伝えたくなる農村RMOに対するポリシーがあるのです。
To be continued !