普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
   普及指導員とは・・・こちら

RSS

◆2025年2月

blog_hukyu_kasahara2_f.jpg 青森県
笠原 均

鳥獣害対策という名目で柿が食べたい(後編)

2025.02.12

●前回の話はこちら


 最初におこなったのは、柿の木の持ち主であるおばあちゃんの紹介と、柿の収穫の仕方です。
 おばあちゃんから、「生で食べる柿と、干し柿にする場合は、残すツルの長さが少し違うんですよ」「柿は折れやすいので登ってはいけませんよ」という、ありがたいお話を聞くと早速収穫です。


 「わーっ」と言って子供達は柿の木の下へ走っていく子供達・・・。わざわざ「わーっ」と言うほどでもないと感じるのは、私が子供の頃、たった100円で仕事として柿の収穫や薬かけを手伝わされていたからだろうか?
 騒ぐほどではない。


kasahara_31_1.jpg
指導するおばあちゃんと、柿を採る小学生
(子供が写っているので、水彩画風に加工)


 子供達には、基本的に大きくて丸い柿を取って欲しかったのだけど、子供達に人気なのは変形果です。特に男の子は、柿のヘタ当たりから突き出した指のような柿(図を参照)が大好きです。「Kちゃんのお父さんも、男ならわかるだろ!?」と不敵な笑みを浮かべて私に見せてくれます。私的には、どうでも良いのですが、子供達が喜んでいるので、「おーっ、これはすごいな!」と一応、合わせます(君たち、本当に楽しいか?)


kasahara_31_2.jpg


kasahara_31_3.jpg
収穫する子供達。絵的に良いです(子供が写っているので、水彩画風に加工)


 さて、晴天にも恵まれ、1時間ほどで柿の収穫は完了。
 続いて、町内会館へ移動して渋抜きです。ヘタに少しだけ焼酎をつける作業ですね。


 りんご箱6箱が満杯という収穫量だったので、単調な渋抜き作業はなかなか大変です。激しく不人気です。すぐに子供達は飽きてしまって、会館の奥のホールに行きフラフープで遊んでいます。仕方がないので、大人達だけが黙々と単調な作業を繰り返します。


 やっと渋抜きの作業が完了しました。さて、ここからが問題です。
 この柿を誰にあげるか!?・・・となるのです。
 中には、「私、柿食べられなーい」と堂々という子供もいて、「じゃぁ、何しに来たんだ?」とツッコみたくなりますが、「ママも嫌いなんだよ」とすぐ横にいる母親を指さして言われると、その母親は無言のまま私から目を反らします。


 結局のところ、行き場を失った柿は、アチコチにLINEで「もらってくれない?」と連絡して配り、ありがたいことに多くの人々から感謝を言われ、時に消費期限切れ間近のお菓子や、ビール等に形を変え、柿イベントは無事に終了を迎えるのでした。


 二週間後、そろそろ良いだろうと、袋を開けるとツヤツヤしている柿がゴロゴロしています。皮を剥いて食べると、甘い! パリパリしたものや、どろっとしたもの、熟しすぎて赤くなっているもの・・・。色々あって、私は、心の底から柿の旨さを堪能しました。

 今度の秋は、栗とクルミを拾いたいです。

笠原 均

青森県の農業改良普及指導員(普及員)です。普及員歴はすでに20数年となるのですが、お話し好きが高じて、農業の担い手育成を担当していることが多いです。 プライベートでは、「気分はプロフェッショナルカメラマン」、「YouTube再生回数が伸びないけど作曲家とウインドシンセサイザー奏者」です。 加えていうと、15年前から音楽の秘められた力をフル活用して地域おこしをやっています。そんな活動のお陰で町内会役員から目をつけられ(勧誘され)、町内会の理事なんかやっています。もちろん、町内の草刈りやしめ縄づくりも、町内会最年少として参加しています。

blog_hukyu_enokida_f.jpg 北海道
榎田純子

乳牛の成育目標を持とう

2025.02. 4

 令和6年2月に酪農女性を対象とした、ほ育・育成牛の飼養管理研修会を開催しました。
 その研修会で、講師の酪農試験場OBから、こんな投げかけがありました。
 「自分の牧場の乳牛の現状を知った上で、どんな牛に育てたいのか、そのためにどんなことをしていくのか、目標を立てて実現していくことが大切ではないでしょうか」
 目標を立ててみたいと手を挙げた酪農女性の牧場で、ターゲットグロース調査に取り組みました。


 5月に、ほ育・育成牛全頭と成牛10頭の体測調査を普及センター地域係と酪農試験場研究員と共に行いました。
 実測した体測データから成育曲線を講師と酪農試験場で作成し、酪農女性、普及センター、試験場で検討を行いました。
 理想の初産分娩月齢にはなっていないこと、成育停滞が初回授精開始の前に起こっており、密飼いになっていることが要因ではないかと検討されました。


 牧場では、密飼いを解消すべく、10月に群分けを実施しました。
 11月に2回目の体測調査を行いましたが、群分けをした効果はまだ現れていませんでした。次の体測調査では、効果が数字に現れることを期待しています。


blog_enokida3-1.jpg
11月に行った体測調査の様子


 この取組で、農業者自身が自分の牧場の課題に気づき、改善策を考え実践することができました。普及センターは、農業者と共に調査し共に検討したことで、農業者の取組を支援しました。

榎田純子

平成10年に北海道庁に普及職員として入庁し勤続26年、今年(令和6年)50歳になりました榎田純子と申します。現在は、北海道の東、酪農王国別海町にあります根室農業改良普及センターに担い手主査として勤務しています。こちらのブログで、北海道の農業・農村で働く普及の仕事について紹介していきます。どうぞ、よろしくお願い致します。

1

上へ戻る

カレンダー

loading ...

みんなの農業広場に戻る

アーカイブ