普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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◆2024年2月

blog_hukyu_kasahara2_f.jpg 青森県
笠原 均

やってみれば楽しいのです!

2024.02.16

 令和4年の8月と言えば、まだコロナ禍の真っ最中です。
 そんな訳で周辺から「コロナ禍でイベントをやっていいの?」みたいな「不安のくすぶり」を感じながらも、五所川原市三好地区においてジャズライブを「本当(マジ)に」開催することになりました。

 ただ、ここで勘違いしてはいけないのは、「ジャズライブを行うこと」が、私達の目的ではないということです。
 普及指導員や中間支援組織の真の目的は、
①集められた住民が主人公となって、結束力を高めること
②三好地区において、地域おこしに向けた活動がスタートしたことを地域住民に伝えることなのです。

 さらに、面白い仕掛けがあります。
 実は、イベント開催に向け座談会に集まってくれた「意識の高い住民」の皆さんと普及指導員の間では、密約を交わしていたのです。それは・・・


「一見、ジャズライブをやると見せかけて地域の住民を集め、そのまま座談会に誘導する(ひきずりこむ)こと」です。


 と言っても、
「少子高齢化対策に向け座談会で議論したいので、参加してください!」と言った真正面からの誘い方はしません。

 ここは、
「わざわざ三好地区で演奏してくれたジャズオーケストラに、皆さんから労いの言葉をかけてもらえませんか。演奏が終わったらコミュニティセンターで、楽器の片付けをするので、皆さんも一緒にセンターへ入ってもらえませんか。」

 ・・・そうやって地域住民を誘うことを、私達は、固く、堅く、硬く約束しました。


 そんな訳で、写真でご紹介しましょう。


kasahara_21_1.jpg
<会場準備のための草刈>

 基本的に、普及指導員がやるのではなく、住民がみんなでやります。達成感を一緒に味わうためです。
 当然、地元農家の方が、私よりも草刈の手際が良いです。


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<ジャズオーケストラの演奏>

 8月21日、いよいよ演奏当日!
 しばらくコロナ禍での行動制限がかかっていたので、久しぶりに体をスイングすれば、スカッとします。


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<三好地区住民協議会会長からの挨拶>

 このイベントをやることになった経緯を会長から説明。
「行動制限が続く中ですが、やはり地域住民が交流する場が、私は必要だと思うのです!今日は集まってくれて本当にありがとう!」
 拍手!拍手!


・・・私は、この時、あることを思い出していました。
 「会長!あなたは、コロナから住民を守るためと、最後まで開催に反対してませんでしたか!?真面目に怒ってましたよね!?」・・・今は良き思い出(´∀`*)


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<マスクこそしていますが、会場の皆さん、大盛り上がり!>


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<消防団から地元の若手も参加!>


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<平均年齢が一気に下がった座談会>


 地域おこしのための集まりであることは最後まで明かしませんでしたが、「三好地区で何かが動き出している」そう皆さんは、感じたみたいです。

 ちなみに中央で立ち上がって自己紹介する地元の青年は、この1年後、三好地区のために多大なる貢献をするのです。
 ただこの時、まだ誰もその大きな変化の胎動に気づいていませんでした。

 この日は、玉のような汗が噴き出す真夏の暑い日でしたね。
 でもこの日を境に、急速に県(普及指導員)とNPO、住民間のワダカマリが解けて流れたのです。


 ということで、普及指導員としては一つ目の壁は越えたな~というぐらいの思いでしたが、「地域おこし」という転がり始めた大きな石は、この後、急激に加速していくのです。


To be considered.


※肖像権保護のため、写真は画像処理をしております。

笠原 均

青森県の農業改良普及指導員(普及員)です。普及員歴はすでに20数年となるのですが、お話し好きが高じて、農業の担い手育成を担当していることが多いです。 プライベートでは、「気分はプロフェッショナルカメラマン」、「YouTube再生回数が伸びないけど作曲家とウインドシンセサイザー奏者」です。 加えていうと、15年前から音楽の秘められた力をフル活用して地域おこしをやっています。そんな活動のお陰で町内会役員から目をつけられ(勧誘され)、町内会の理事なんかやっています。もちろん、町内の草刈りやしめ縄づくりも、町内会最年少として参加しています。

blog_hukyu_katano_f.jpg 秋田県
片野英樹

普及計画外部評価と普及職員大会の開催

2024.02. 1

 秋田県由利地域振興局農業振興普及課の片野です。

 令和6年1月24日、普及計画の外部評価がありました。秋田県は課長(普及指導センター所長相当)が発表することになっています。今まで数々の実証ほ等の発表をしてきましたが、普及活動実績発表の緊張は別格です。なんせ、課員の汗と苦悩と喜びの結晶をわたしの拙い発表で外部評価委員に伝わらないとおおごとですから...

 そもそも、筆者は原稿を読みながら説明するのが大の苦手で、ほとんどの発表はスライドを見ながらその場で説明しています。今回もこのスタイルで臨みましたがはたして評価結果はどうなることやら(写真1)


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写真1:緊張しまくりの筆者


 評価委員からは全体の講評として、活動手法が適切だったのか、工夫や改良したことに焦点をあててほしいとありました。手法の評価はなかなか数値化できないため、この結果としての単収や販売額を記載しましたが、どうもそれだけではよくなかったようです。難しいものです。


 それはさておき。
 外部評価終了後に、普及職員大会を開催しました。今年度は農業改良助長法が施行されて75年目ですので、75周年記念講演として(一社)全国農業改良普及支援協会の関戸章一さんから御講演をいただきました。盛りだくさんな内容で、笑いあり滑りありと楽しい講演でした。若手普及職員は、腱鞘炎覚悟で必死にメモをとっており、筆者もこんなすごい普及指導員がいた(いる?)んだと感銘を受けました。ありがとうございました(写真2)


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写真2:終始なごやかだった御講演


 外部評価委員のアドバイスと関戸さんの講演内容を来年度の普及計画に活かしながら、産地や経営体を盛り上げていきたいと、懇親会でぼんやり考えながら関戸さんとひたすら飲み交わしました。

片野英樹

秋田県で平成4年度採用から普及指導員ほぼ一筋で30年経ちました。主に水稲・大豆担当でしたが、一時期集落営農や法人育成にも携わりました。現在は裏方として、水稲新品種「サキホコレ」の普及に取り組んでいます。

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