普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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◆2023年6月

富山県
井上徹彦

スプレーギク品種選定会

2023.06.26

 南砺市福野地区は旧福野町の頃から電照菊の生産地として知られており、旧福野町時代に建設された「南砺市園芸植物園」は国内外のキク科植物を集めた温室で年間を通してキク科植物を展示する他、世界中のキクに関するあらゆる情報を集約することで、南砺から世界に向けた「新しい菊文化を発信する情報基地」を目指しています。


 また、当植物園では「新しい現代感覚のスプレーギク」を育種しており、これまでパステル系の品種を中心とした76品種を開発し、26種類の苗を植物園から「南砺・福野ブランド」として県内外の切花生産者やキク愛好家に供給しています。


  品種選定会は春と秋の年2回開催されています。市長や市内キク生産者、工芸作家、研園芸研究所職員、砺波農林振興センター職員など計10名が選定委員となり、花色の鮮明さや花房の形のまとまり、花数などを基準に選定をおこないました。


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 今回の選抜対象は、令和3年度交配種子を今年1月に播種した6千本から1人5本選抜する1次選抜と、昨年11月に実施された1次選抜された29系統と2次選抜された35系統の合計64系統から1人3本選抜する2次、3次選抜が行われました。


 今後、第3次選抜を経て特に優秀と認められた系統のうち1~3系統が、今年の11月3日(金・祝)から1週間開催される第14回南砺菊まつり期間中に新品種として発表される予定です。

井上徹彦

富山県砺波農林振興センターで、花きと薬用作物の担当をしています。 担当地区は南砺市で、チューリップ球根と小ギク等切花生産者を中心に技術指導をしています。

blog_hukyu_katano_f.jpg 秋田県
片野英樹

みなさん初めまして!秋田県の片野です。

2023.06.23

 秋田県由利地域振興局農業振興普及課で作物を担当している片野といいます。今年度末まで「普及指導員ブログ」コーナーに投稿することになりました。今年度から管理職になり、現場が遠ざかったものの、課員にまとわりついて様々な品目の活動を紹介したいと思います。不定期更新ですが、よろしくお願いします。


 今回はそばについてお話しします。
 水田活用の直接支払交付金交付対象水田の見直しにより、5年間に一度も水張りをしない農地は交付対象外となります。
 当管内において、そばは遊休農地解消の重要な品目であり、県内でも屈指の作付地となっておりますが、湿害に弱いため、田畑輪換や水張りに対応できない農地が多く、多くの農地が交付対象外となる可能性があります。
 秋田県では、交付金に頼らなくてもそば栽培が継続できる単収(100kg/10a)を目指そうと、今年度から当管内で実証ほを設置しています。


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 30年ほど普及指導員をやってきましたがそばの実証は初めてで、ましてや若手普及職員は栽培もわからない状態です。そこで、筆者が老体にムチを打ち、実証ほを担当することにしました(内心現場に出られるのでヨロコンデイマス)。


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 今年度は改良資材の有無やミツバチの有無による単収向上を実証していますが、はたしてどうなることやら。

片野英樹

秋田県で平成4年度採用から普及指導員ほぼ一筋で30年経ちました。主に水稲・大豆担当でしたが、一時期集落営農や法人育成にも携わりました。現在は裏方として、水稲新品種「サキホコレ」の普及に取り組んでいます。

blog_fukyu_gotom_f.jpg 大分県
後藤美智子

普及指導員の活動とは

2023.06. 7

 ご報告が遅くなりましたが、今年の5月より、普及現場を離れ、県庁勤務となりました。この場所で、執筆・投稿できたことは、自身の普及活動を考える一助となりました。事務局、他の投稿者、閲覧しているみなさまにお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。


 私の普及活動のはじまりは、先輩から「あなたは、普及活動をよくわかっていない」という言葉を投げかけられたところからです。当時、試験研究機関に勤務しており、はじめて普及員試験を受験するためのOJT時のやりとりでした。

 そんなわたしなので、1回目の試験は不合格でした。2回目で合格しましたが、その後もずっと「よくわかっていない」と言われた言葉が胸の中にあります。
 本を読み、諸先輩や地域のみなさんの話を聴く中で得たものを、言語化するようつとめてきました。"生産者の所得向上のため、相手のやる気を引き出し(よくよく聴き取り)、自主的な経営者となるよう提案・改善を繰り返し、一緒に取り組んでいくこと"。現在の地域で仕事をする中で、さらに"聴くこと"の重要性を感じています。役割は変わりますが、普及活動で得たものを胸に日々の仕事に励みます。


 写真を4枚掲載します。
 手のひらにのる子犬が成犬になるほどの日々でした。飼い主の生産者には、山間地の農業とやりたい仕事をつくりだすことを学ばせてもらいました。
 花の写真は『ベニドウダン』です。5月、最後に出会った、これまで見たことがなかった植物です。いくつになっても新たな発見や学びがあります。
 

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左 :子犬が成犬になる / 右 :知らないものに出会い


 草が刈られた風景は、私の実家の畑の様子です。他者へ草管理の提案をする際に、自分自身のことをいつも反省しています。栽培管理とは、草管理とのたたかいです。
 最後の写真は、講習会の様子です。いつも、参加するみなさんの"技術や経営の改善"を目指す姿に支えられてきました。
      

blog_gotom20-3.jpg  blog_gotom20-4.jpg
左 :こつこつする / 右 :熱意に支えられました


 ちなみに、私に「よくわかっていない」と言葉を投げかけた先輩は、今年の春、ご退職されました。お会いした際に、「もう一度、同じ職場で仕事をしてみたかった」と言っていただいたので、私もちゃんと成長しているのだろうと感じています。
 日々、健康に気をつけながら、またこの場所に帰ってこられるよう、努めます。ありがとうございました。

後藤美智子

大分県豊肥振興局にて“果樹に関わる人を地域に増やす・地域にやりたい仕事をつくる”を目標に普及活動に取り組んでいます。転職して公務員(農業)になりました。普及員は6年目です。

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