普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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◆2021年3月

大分県
塩崎洋一

こんな景色も見納めか・・・・

2021.03.29

 前回この農家さんを訪問した時は、雨で霧深い日でした。天気の良い日に訪れたいと思っていたところ、部門担当が「今日なら、行きますよ」とのこと。是が非でもと思いながらやって来ました。
 大分県南部、祖母傾山系の麓。この山並みの向こう側は、前任地の佐伯市と宮崎県ですが、たしか傾山の向こう側からの風景、数年前に紹介したと思います。


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現任地、確か着任の風景は北側の久住山系。南側は祖母傾山系です。この絵に祖母山は入ってないですけど・・・・


 この日は、気持ちどおりの風景だったのですが、時節柄「これも見納めかなあ」と、異動の気配に少し気持ちを落としている自分がいました。
 このブログとも、かれこれ8年のつきあい。普及員として自分の活動記録としてつづってきましたが・・・・・。もし、何かの地殻変動があって、4月からも普及現場だったら、続けるかもしれません。


 と、そう思っていたのですが、地殻変動も横風も吹かず、宮仕えの悲しさどおり、普及を離れます・・・。
 ありがとうございました。

塩崎洋一

昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興局を舞台に、普及活動の第二幕が上がった。臼杵市在住。

大分県
塩崎洋一

中山間地域の稲作担当

2021.03.19

 集落営農・稲作担当のIさんに同行しました。
 この日は集落営農法人の経営相談と、圃場状態のチェックでした。
 Iさんは、16、7年前の本庁勤務の頃に、同じ部署で働いていました。本県は、今でこそ農業への企業参入について専属チームがありますが、当時は、私たちの部署で対応していました。一緒に企業訪問をしたり、どこかに遊休農地がないか探し回ったりしました。

 普及員は、一人で動くことが多いと思いますが、稲作担当の相手方、つまり集落営農法人や稲作農家は、中山間地域では戸数は数知れず、です。
 チームで動くこともあるかと思いますが、ほとんどがこんな風景です。"孤独な作業"といえばネガティブですが、"一匹狼"と言えば「かっこいい」と思うのは、私だけでしょうか。


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絵的には孤独感満載ですが、熱き心のIさん。集落の内実まで把握できる着実堅実な中堅です

塩崎洋一

昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興局を舞台に、普及活動の第二幕が上がった。臼杵市在住。

大分県
塩崎洋一

時には、林業青年(2)

2021.03.16

前回からの続き


 ところで・・・・
 中山間地域で山が荒れる、とか、よく聞く話ですが、今回の彼の取り組みは、その対策の一翼を十二分に担っているのです。


 というのも、彼の実家は、この近くで養鶏をやっています。彼自身も市内で稲作のオペレーターなどをやっていますが、今回こうした山を買い上げて、木を切り出しているのです。もちろんその木を売ることで、生活費+資金償還です。楽ではないと思いますが、彼のような存在なくしては、生き残る山もなくなってしまうと思わざるを得ません。
 また、ベースとなる農業経営がしっかりしているからこそ、多額の融資確保を可能にしたという要因も無視できません。

 果たして、山主の依頼などで木を切り出すこともありますが、その木を売って生活ができるとしても、そこに新たに木を植えて山を管理するまでやっていくと、生活ができるか否か、ここはクエスチョンです。
 ということは、そうした山の作業に関わるヒト、木が動いていくというモノの流通、そうした仕組みが循環して生活できるかというカネの流れ、の3つが充分に価値を発揮できないと、山仕事だけでは生活できないかもしれない、となるのは当然の帰結なのです。 


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この日は、森林組合からの受託作業、公共工事関連


 木を切った後に苗を植えると何が起きるか。
 数10haの山を何kmもネットやフェンスで囲みます。そうでないと、新植した苗は鹿のご飯になります。この手間やコスト、すごいことです。


 以前、ある公庫の担当者がつぶやいていました。
「何十年も先になって回収できるものに貸しているのは、公庫だけですよ」と。
 政策金融公庫の「政策」、まさに、そのとおりです。

塩崎洋一

昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興局を舞台に、普及活動の第二幕が上がった。臼杵市在住。

岩手県
菅野千聖

業務内容を紹介します!ヤマブドウ編④

2021.03. 4

 岩手県久慈農業改良普及センターの菅野(かんの)です。

 第7回となる今回は、過去にご紹介したヤマブドウの新たな系統である「高森早生系」「佐藤系」について、岩手県工業技術センターでワインを試作していただき、地域の関係者によるワインの評価会を開催しましたので、その様子をお伝えします。


 評価会にはヤマブドウ生産者、ワイン等製造業者、岩手県工業技術センター、その他関係機関・団体など19名の方々に参加いただきました。

 まず、普及センターから新系統の生育特性や収量性について、工業技術センターからヤマブドウ新系統のワイン醸造適性について説明しました。その後、それぞれのワインについて、涼海の丘ワイナリー(野田村)の坂下所長から解説いただきながら、参加者で試飲・評価を行いました。


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系統毎にワインの色・味・香りが大きく違っていました


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涼海の丘ワイナリーの坂下所長から各ワインについて解説いただきました


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真剣にワインの試飲をする生産者


 評価の結果、高森早生系は「色・香りが良く、味もバランスが良い」、佐藤系は「個性的な香りとビターで厚みのある味」といった声があり、それぞれにワインに適した特徴・個性があることが明らかとなり、いずれの系統もワイン加工適性があるとの評価が得られました。

 また、試飲後に行われた意見交換会では、それぞれの系統を選抜した生産者の方から、これまでの経緯などもお話しいただきました。


 今後は、この結果を生産者に広く周知し、新系統の普及・拡大を進め、ヤマブドウワインの評価をより高めて原料需要を確保できるよう、支援していきたいと思います。

菅野千聖

岩手県一関農業改良普及センター産地育成課の菅野千聖(かんのちさと)と申します。
産地育成課で小ぎくやりんどうといった花の担当をしております。県職員歴は11年目、普及員としては8年目となりました。
本県の農業の現状や一関地方の農業の特徴を皆様にわかりやすくお伝えできるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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