大分県には、農山漁村の女性で組織するおおいたAFF女性ネットワーク(以下、AFF)という団体があります。AFFでは女性の資質向上を目的として各種研修会や視察研修を行っていますが、今年度から柑橘農家の女性に特化した研修を開催する「みかんぶ」を設立し、活動を行っています(事務局は私です)。
これまでに2回の研修会を開催し、それぞれの農園の視察、農協の集出荷施設の視察を行っています。参加者からは毎回、「いつもは旦那が研修会に参加しているため、人の農園をみたり、経営を聞いたりする機会が少ないので勉強になる」「このやり方はうちでもできそうなので、帰って実践しよう」「柑橘農家どおし、同じような悩みが多く、皆さんの課題解決の方法を知る事ができる」など、女性ならではの意見が色々と聞かれます。

左 :第1回研修 農協の集出荷施設視察 / 右 :第2回研修 会員の果樹園視察
普及活動をしていると自分自身、色々な農家とお会いするため、「農家は、隣近所や同じ品目を作っている人とはお互いに情報交換し、色々と知り合っている」と勝手に思い込んでいましたが、「みかんぶ」を通じ、その考えを改めました。
目の前の栽培・経営に一生懸命で、実は横の繋がりの機会が少ない農家(特に女性は家の外に出る機会が少ない)に交流と学びの機会をつくることで、新たな出会い・発見が生まれ、農家が次の一歩に進み、経営発展もできるのだと感じる今日この頃です。
あわせて、女性を対象とすることで、女性の特徴である「共感」により、参加者それぞれの課題を全員の課題としてとらえて解決方法を議論したり、学んだ良い点をすぐに実践に移したりと、男性を対象とした研修では起こりにくい効果も生まれています。
「みかんぶ」は、今年度あと1回の研修を計画しており、会員で和気あいあいと県外に視察研修ができるといいなぁーと画策しております。
大分県北部振興局で農業青年や農村女性などの担当をしている鹿島です。大分県国東市生まれ、愛媛大学卒。平成13年に大分県に採用されました。今は豊後高田市に住んでいます。