キャベツの品種比較試験
2018.10. 3
富山県では、2010年からJAの園芸作の取組みを支援し、野菜等の大規模産地づくりを加速するため、県単の補助事業である「1億円産地づくり支援事業」を新たに開始しました。
『メルヘンの街おやべ』として有名な小矢部市と隣接する高岡市福岡町をエリアとするJAいなばでは、2010年から加工業者に卸すキャベツの栽培を始めました。生産者と指導者が一丸となって栽培に取り組んだ結果、2017年度は約20ha、今年度は約24haと、作付面積は年々拡大しています。
加工用キャベツは単価を抑えるため、良い悪いを選ばずに一斉に収穫するなど収穫作業の省力化を図る必要があります。また実需者側からは、加工時の歩留まりや作業性向上のため、市場出荷用のM・Lサイズ(1.0~1.6kg)よりも大きいサイズが求められています。つまり、生育ムラがなくて大きくなるキャベツ品種がいいということです。
そこで、今年新規採用された当センターの技師が『一人一課題(※)』として、小矢部市の気候や土壌条件に合った加工用キャベツの品種選定を目的に、8月23日に7品種の秋冬どりキャベツを定植しました(今回、井上はそのお手伝いです)。
※ 関係機関等との密接な連携により地域の課題(技術・経営・普及方法)を解決することで、現場での課題解決能力の向上を図る調査研究
新規採用職員が、メルヘンな建物をバックに機械植えした試験区を手直し中
定植から6週間経過しましたが、7品種中育苗時の生育不良で活着が悪かった1品種を除いて、6品種は概ね順調に生育しています。
この中から、より良い品種が見つかることと合わせ、技術指導による品質・単収の向上により、管内主穀作経営体へのキャベツ栽培の定着と経営安定につながることを、経営支援班の一員として私も心から願っています。