普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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◆2016年4月

青森県
伊藤和彦

七戸町のトマト産地育成に向けて

2016.04.29

 4月14日、ゆうき青森農協主催のトマトの育苗講習会が、七戸町(旧天間林村)で行われました。
 ゆうき青森農協のトマト生産者は41名で、面積は5.7haです。これまでは農協野菜部会の下部組織という位置付けでしたが、販売額が1億円を突破したことを契機として、平成25年にトマト部会となりました。


 七戸町ではトマトが重点推進品目に指定されており、町と農協でパイプハウスの建設や、循環扇等の設備に対して補助を行っており、新規栽培者(特に若い栽培者)が増えています。

 新規栽培者が多いため、育苗講習会は、実際に移植やかん水の方法について実演しながら行いました。質問も多く出され、アットホームな講習会になったと思います。
 今後、8月までは毎月講習会が行われますが、現地巡回指導を中心に、新しい産地を盛り上げていく予定です。


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左 :栽培講習会のようす / 右 :育苗培土の詰め方を指導しています

伊藤和彦

青森県上北地域県民局農業普及振興室で野菜の産地育成を担当しております。仕事のストレスを家の家庭菜園で癒し、家庭菜園の疲れを忘れて普及活動を行っております。

青森県
伊藤和彦

六戸町の先進地視察を行いました

2016.04.27

 4月13日に八戸市南郷区で、そらまめの先進地視察を行いました。昨年秋に引き続き2度目の視察となります。

 六戸町では昨年からそらまめの生産に取り組んでおり、生産者は11名で面積は75aです。六戸町は「大玉にんにく日本一」の看板を掲げており、重量野菜の生産が盛んですが、小規模生産者でも簡単に取り組める野菜ということで、そらまめの作付けをすすめています。

 当日は、八戸農協主催のそらまめ講習会の日で、三戸地域県民局の佐藤技師から定植後の管理について説明が行われました。


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左 :そらまめの生育状況 / 右 :栽培講習会のようす


 ここ数年は春の時期に乾燥した年が続いているため、かん水チューブの実演も行われました。
 昨年は春の乾燥により単価が高かったものの収量が低く、課題が残ったことから、今年は課題を1つずつ克服しながら、そらまめ産地の育成に向けてがんばります!


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左 :かん水試験 / 右 :そらまめ生産者とスタッフ

伊藤和彦

青森県上北地域県民局農業普及振興室で野菜の産地育成を担当しております。仕事のストレスを家の家庭菜園で癒し、家庭菜園の疲れを忘れて普及活動を行っております。

大分県
塩崎洋一

技術の予防・経営の予防

2016.04.25

 経営を建て直そうとしている酪農家さんで、ワクチン接種です。今年の初めに、今までになかったトラブルが続き、やっぱり予防をしなければ、との判断です。


 本人から連絡があって「役所経由でお願いすると時間がかかる。急ぎたい」とのことで、人脈を活かし、私から知り合いの獣医さんにお願いしました。農家さんからは、関係先に連絡をしてもらい、イレギュラーでも急ぎたいとの意思をはっきり伝えてもらいました。

 何かと関係機関の多い農業業界、互いの利害関係も出てくるので、農家さんと直接やりとりをする普及指導員としては、気をつかうところです。


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牛の治療などは、牛が動かないように「保定が8割」と言われます。獣医さん任せでは人も牛も危ないし、結果的にみんなが疲れます


 ところで、この酪農家さんは、経営改善に向けた意欲もあって、定期巡回や定期検討会、その合間をみてピンポイントでの状況把握と改善策提示など、2年近く積み重ねています。

 決算書の数字からの経営安定段階までは今一歩ですが、それを裏付けるかのように、技術面での課題があります。
 課題のイメージ的には、家族経営特有の作業人員構成や、地域の水田農業とリンクした自給飼料生産体系の作業状況などから、顕在的潜在的両方の意味での課題が常に農場内に漂っている、みたいな感じです(何のことやら、って思う方がいるでしょうね・・・・)。


 その漂っている課題、個別には本人のスキルから見て問題なく解決できそうなのですが、これが季節や年間の流れの中で、あるいは、資金繰りとの連動性の中で、と見ると、綱渡りしながらの経営状態だ、となってしまうのです。


 ではそこで、普及の側としては何がポイントか。今までの経過と現在の状況、そして、何をやるかの優先順位を判断しての実行、次の段階に向けての課題解決のプロセスの見直しなど、経営の建て直しに向けて資金状況の厳しい中、危機管理をしながら本人の納得を得ながら、一緒にやっていくのです。
 そして、ここにも何らかの絆が生まれてくる、みたいな・・・・

塩崎洋一

昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興局を舞台に、普及活動の第二幕が上がった。臼杵市在住。

佐賀県
平野稔邦

「温州みかんの根域制限栽培」研修会

2016.04.22

 当地区は温州みかんを中心とした果樹産地です。マルチ栽培をすすめ、品質向上を図っていますが、所得に結びつく高品質なブランド品が安定的に生産できず、課題となっています。


 ただ、その中でも、根域を制限した高畝で温州みかんを栽培することで、どんな気象条件でも水分コントロールが可能となり、安定的にブランド品づくりが行えています。初期の導入費用と細かい水分管理は必要ですが、糖度は平均13度を超え、昨年のブランド率は平均80%と高く、高収益が確保できる栽培法として、産地全体でも推進している所です。


 そんな中、今年は気象条件の影響が大きいためか、産地全体の温州みかんで着花過多の状況になっています。細かい栽培管理で隔年結果対策を行ってきた根域制限栽培園でも例外ではありません。異常に多く着生した花が咲いてしまうと、樹勢の低下や隔年結果につながるため、今回は手作業で蕾を落とす摘蕾の方法について、現地で研修会を行いました。


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手作業での摘蕾作業は大変ですが、これが最も効果的な対策です。処理の方法等を実演しながら研修会を開催しました


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また、昨年摘蕾作業をした作業状況の動画と現在の状況を見比べることで、生産者に摘蕾作業の効果をより理解してもらうことができました。こんな時、一人一台のタブレット端末が役立ちます


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隔年結果対策は摘蕾の実践あるのみと、生産者の作業への意気込みが感じられました

平野稔邦

佐賀県佐城農業改良普及センターで果樹を担当しています。佐賀県ではテレワーク推進の一環で普及指導員は、一人一台のタブレット端末を持ち日々の普及活動に活かしています。タブレットを活用した普及活動を中心に、産地の動き等を紹介します。

大分県
塩崎洋一

6次産業・・・・

2016.04.20

 今年度は少々色合いの違う仕事をやることとなりました。6次産業の所内窓口です。もちろん推進もやりますが、所内全体を扱うので、林業も水産も請け負います。
 今日は早速水産関係に足を運びました。普及活動としては仕込みの段階です。経過はいつかご報告することにします。


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水産の普及指導員さんと一緒に、知り合いの漁師さんを訪ねました。同じ1次産業でも、港の空気感は農業とはずいぶんと違うように感じられます


 ところで「6次産業」は、みなさんご存知のとおり「1次産業・2次産業・3次産業」をミックスしてやっていくビジネスモデルが故の造語です。そして時に話題となるのが、三者を足し算で「6」なのか、かけ算なのか、です。

 私は足し算派です。かけ算ではどれかがゼロになると、全部ゼロだからです。言い換えれば、2次、3次が倒れる場合に1次まで倒れるような仕組みでは困る、ということです。
 そもそも、農林水産の1次産業側が、その生産物などに何らかの付加価値を加えて、外に販売なりを行うスタイルです。2次、3次の側の利益を重視したシステムは、いつか行き詰まると確信しております。


 「6次」の定義はいろいろあるようですが、「1次+3次」という、2次がなくても良いのではと思うのは私だけでしょうか。

 具体的にはグリーンツーリズムです。上手に商売すれば、1次と3次は、利益率の高いビジネスモデルが作りやすいと思っています。2次は利益率の低さを回転や規模でカバーせざるを得なくなる。なぜか、1次と3次は、生産技術や品質以外にも目に見えない付加価値が多種多様に存在している、と思うのです。

塩崎洋一

昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興局を舞台に、普及活動の第二幕が上がった。臼杵市在住。

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