経営を建て直そうとしている酪農家さんで、ワクチン接種です。今年の初めに、今までになかったトラブルが続き、やっぱり予防をしなければ、との判断です。
本人から連絡があって「役所経由でお願いすると時間がかかる。急ぎたい」とのことで、人脈を活かし、私から知り合いの獣医さんにお願いしました。農家さんからは、関係先に連絡をしてもらい、イレギュラーでも急ぎたいとの意思をはっきり伝えてもらいました。
何かと関係機関の多い農業業界、互いの利害関係も出てくるので、農家さんと直接やりとりをする普及指導員としては、気をつかうところです。

牛の治療などは、牛が動かないように「保定が8割」と言われます。獣医さん任せでは人も牛も危ないし、結果的にみんなが疲れます
ところで、この酪農家さんは、経営改善に向けた意欲もあって、定期巡回や定期検討会、その合間をみてピンポイントでの状況把握と改善策提示など、2年近く積み重ねています。
決算書の数字からの経営安定段階までは今一歩ですが、それを裏付けるかのように、技術面での課題があります。
課題のイメージ的には、家族経営特有の作業人員構成や、地域の水田農業とリンクした自給飼料生産体系の作業状況などから、顕在的潜在的両方の意味での課題が常に農場内に漂っている、みたいな感じです(何のことやら、って思う方がいるでしょうね・・・・)。
その漂っている課題、個別には本人のスキルから見て問題なく解決できそうなのですが、これが季節や年間の流れの中で、あるいは、資金繰りとの連動性の中で、と見ると、綱渡りしながらの経営状態だ、となってしまうのです。
ではそこで、普及の側としては何がポイントか。今までの経過と現在の状況、そして、何をやるかの優先順位を判断しての実行、次の段階に向けての課題解決のプロセスの見直しなど、経営の建て直しに向けて資金状況の厳しい中、危機管理をしながら本人の納得を得ながら、一緒にやっていくのです。
そして、ここにも何らかの絆が生まれてくる、みたいな・・・・
昭和63年に大分県で普及員として奉職。
令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興局を舞台に、普及活動の第二幕が上がった。臼杵市在住。