普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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◆2015年8月

北海道
田所由理恵

有機栽培の稔りの秋! 近づく!!

2015.08.31

 全国的に記録的な猛暑が続いたこの夏、北海道もそこそこ暑かったのですが、お盆を過ぎると急激に風が冷たく、秋を感じさせる季節になりました。


 と、そんな前置きをしながらも、今回は8月上旬にさかのぼり、有機栽培の水稲出穂調査実施の話題です。

 北海道では、この冷涼な気象を活かしたクリーン農業や有機農業等を推奨しており、檜山でもたくさんの農業者の方々が、クリーン農業や有機農業に取り組んでいます。道南には「道南有機農業ネットワーク」組織があり、ネットワーク機能を活かした技術研鑽や情報交換等を行いながら、活動しています。


 今回、出穂調査に協力して頂いた方は、このネットワークの相談役の方で、農業試験場の「水稲減化学肥料栽培における有機質肥料の早期施肥技術(H26北海道指導参考事項)」を参考に、平成25年度から有機水稲の施肥技術改善実証に取り組んでいます。この日は、道南農業試験場と普及センターのクリーン・有機農業担当者が出穂調査を実施しました。


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左 :出穂状況を確認
右 :順調な生育状況に、笑顔の中で調査が進みました(^o^)


 調査の結果、天候不順の影響で稲の生育は昨年よりやや遅れているものの、穂の長さが確保され、収量が期待できる姿になってきていることがわかりました。ネットワーク相談役のご本人も、今年の気象状況では、今のところおおむね納得の出来、とのことでした。


 農業者・農業試験場・普及センター(本所・支所)が同じ稲を見て、同じく確認し、雑談を交えながらも情報交換を行うことは意味あることと思います。こうして新しい技術が地域に浸透し、改良されていくのだなぁ...と感じるシーンです(昔、先輩普及員が「重要な情報は雑談にあり!」と言っていたことも思い出します)。


 この調査の後、少しだけ季節も進み、田んぼも少しずつ色づき始めています。
 今年の「稔りの秋」も、楽しみです!

田所由理恵

平成24年から檜山農業改良普及センター所属。25年度に高付加価値に係わる仕事に変わりました。北海道に新幹線が来るのも間近!北海道の入り口で地域農畜産物の付加価値向上に邁進します。

大分県
塩崎洋一

JA金融担当者研修会

2015.08.25

 今年も研修会の依頼が来ました。
 当初はJAの出先を巡回しながらの研修でしたが、3年ほど前からJA本店での集合研修になっています。また、始めは県の主催でしたが、今はJA大分信連(大分県信用農業協同組合連合会)の主催です。受講者は県下各地のJA窓口の金融担当者と、希望する普及指導員です。

 私も回数を重ねてきたので、今回は今までの流れを整理して、テキストの確立というか、研修内容の流れに明確な骨を入れることにしました。


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あいかわらず、熱く語っています


 事前アンケートを実施し、研修したい項目、質問したい項目を集めました。最初に、「現場ではそうした項目がそれぞれリンクしているものと解釈してください、順番に発生するモノでもありません」と、まとめておきました。経営を構成する要因や取り巻く環境はさまざまですが、それらが何らかの因果関係で結びついているようなモノです。


 その後はスライドで、「何のためのJA金融なのか」を皮切りに、普及活動上でこれまでに蓄積してきた考えを述べていきました。JAは誰のためにあるのか、自分たちは何のために仕事をしているのかに始まり、資金計画を作成する際に留意する事項は農家の経営指導と一体でもあること。経営体の血液を止めるとどうなるか、JAとしてこれを止めずにすむ方法のポイントなど、営農指導との連携を含めて話しました。


 次に、制度資金貸付の留意事項などを読み合わせした後に、二人組になって、農家とJA金融担当者の役回りで、借入相談の場面を演習してもらいました。場面演習を終えて、「何かあったときに、またJAに融資をお願いしようと思った人は・・・・」と農家役の方に聞いたところ、何人かの手が上がりました。


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じゃんけんで、JA担当者役、借入相談に来た農家役に分かれます。いろいろなやりとりから、経営実態の把握に努めていました


 つづいて、農家の財務諸表を私が現場でどのように見ていくか、です。これは、資金繰り計画を作る上でも大切です。
 最後は、実際にあった事例をもとに、こんな時あなたはどうしますか、こんなことが起きたら農家の気持ちはどのように変化すると思いますか、などを書いてもらいました。

塩崎洋一

昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興局を舞台に、普及活動の第二幕が上がった。臼杵市在住。

大分県
塩崎洋一

6次産業の最終目的は?

2015.08.18

 今年度からは、わが県でも6次産業化の推進を叫んでいます。誰が叫んでいるかはともかく(やばい、いらぬことを言ってしまった)・・・・。


 管内は、時々紹介してきたように、正直水産地帯です。ですから、6次産業化の1次の部分は当然水産業が多いです。 先日、6次産業化の予算で加工施設を設置する水産の社長さんと事業の打合せを行ってきました。もちろん、水産の普及員さんも一緒です。


 水産加工品もいろいろな流通があるようですが、今回はふぐの加工品です。(話は違いますが、)私の生まれは豊後水道に面した臼杵市ですが、実は臼杵は知る人ぞ知る、ふぐの町です。時期になると県外ナンバーの観光客が多くなります。


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初めて見るふぐの養殖。生産性を上げるための技術は、農業も水産も考え方は同じようです


 すいません、話を戻します。


 さて、私の勝手な論かもしれませんが、農産物に比べて水産物の方が、6次産業では有利な気がしました。くわしくはまたの機会にしますが、1次産業の部分の利ざやが、どうも、水産の方が、あるいは畜産物が有利なのでは、と感じた次第です。


 食べるシーンをイメージしてみてください。テーブルの上では、主役は肉や魚が真ん中です。1次産業の側では、何かを工夫しなければいけないと思うのです。が、一歩踏み込んで、テーブルがどこにあるかをイメージすると、どうなるでしょうか。食べる場所です。3次産業の方は、何かを売るではなくて、どこで食べさせるかになってきます。で、そこはどこか、単にレストランなのか、広い意味での場所、観光地なのか、あるいは1次産業のお膝元、「田舎」なのか、です。


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豊かな生活を送りたいなら、田舎に住めば良いのです。日本中で便利さや金銭的豊かさだけを価値観にしてしまう教育が行われているのではないでしょうか。海辺の直売所、これで最近の為替相場で$7~8、です


 6次産業を「農水産物(1次)を加工(2次)して売る(3次)」という発想だけでやっていくから、最終的な目標であるはずの「中山間地域や農山漁村の活性化」がよそに行ってしまうのではないでしょうか。

 観光ポスターに「温泉とかへ行きたい、の『とか』には、おいしいものが含まれている」という言葉がありました。まさにこれがヒントだと思います。

塩崎洋一

昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興局を舞台に、普及活動の第二幕が上がった。臼杵市在住。

北海道
田所由理恵

食べました! メークイン300kg!!

2015.08.14

 毎年開催される「あっさぶふるさと夏まつり」
 この祭りの目玉になっている巨大コロッケは、実は、昨年度まで衛生上の問題がクリアできず、来場者へ提供することができませんでした。別に製造した普通サイズのコロッケを配付するなどの対応策を講じていたのですが、なんとかして来場者へ提供したい! と改良を繰り返していました。


 しかし、今年度! 改良に改良を加えた巨大コロッケは、ついに衛生面をクリア!
町内産メークインを300kg使用した巨大コロッケは、良い香りを漂わせながらこんがりキツネ色に揚がり、来場者約千人に無料で振る舞われました。


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左 :巨大コロッケ投入前
右 :巨大コロッケ投入後 ~色の変化もお楽しみください~


 切り分けられ配付されたコロッケは、一辺が7~8cmの四角形の、こちらも一人前にしては充分に"巨大コロッケ"。しかも、うれしいことに"お代わり自由"(^o^)v

 私もこのお祭りに参加すること4年目にして、初めて揚げたての巨大コロッケを試食しました。メークインの甘さと揚げたてサクサク感がマッチして、抜群においしいコロッケでした。
 300kgのメークインは、無事、来場者のお腹に収まりました。


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配付されたコロッケ。調子にのってお代わりしたら、さすがに胸焼けしました(^^;)


 そして、今年のステージには"時の人"「北海道新幹線開業PRキャラクター どこでもユキちゃん」が登場!
 約半年後に迫った北海道新幹線開業のPRで、会場を盛り上げました!


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左 :子供達にも大人気!「どこでもユキちゃん」(白いキャラクター)。会場から「ユキちゃ~ん!」「ユキちゃ~ん!」の声援も聞かれました(^^)
右 :でも、実はこの時、本気の雨が...。そんな中ステージ前を陣取っているのが、子どもたちとその親御さんたちです


 このお祭りは、毎年7月第4土曜日に開催されます。
 みなさん、来年度は是非、北海道新幹線を活用して、この巨大コロッケを見に&食べに&体験しに、檜山へいらして下さい!

田所由理恵

平成24年から檜山農業改良普及センター所属。25年度に高付加価値に係わる仕事に変わりました。北海道に新幹線が来るのも間近!北海道の入り口で地域農畜産物の付加価値向上に邁進します。

埼玉県
舟田一与

農福連携の研修会を開催しました

2015.08.11

 さいたま農林振興センターは、平成27年7月31日(金)16時からさいたま市の東天紅において「さいたま地区農業研修会~ビジネスとして成立する農福連携について~」を開催しました。


 障害者が農作業の担い手になり、水田や畑で働く「農福連携」が、近年注目を集めています。「農福連携」とは、障害者にとっては就労先の拡大が図れ、農業側にとっても高齢化で不足する労働力を補うことができる仕組みのことです。

 今回は、2012年から白岡市でネギ栽培を行い、生産・流通販売・社会福祉の3法人を立上げた山田浩太氏を講師に、マーケティングと農福連携についての講演会を行いました。


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 参加された県内の生産者には、「マーケティングや管理会計の話は内容が濃く興味深かった。農福連携も話も参考になった」と、好評でした。

舟田一与

埼玉県さいたま農林振興センター 新規就農・法人化担当の舟田です。 担当は、新規就農・農業の法人化・農業の6次産業化です。 埼玉農業の楽しい話題をお伝えしたいと思います。

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