普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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◆2015年3月

blog_hukyu_kasahara_f.jpg 青森県
笠原 均

お祭りには、情報がいっぱい!(その2)

2015.03.19

前回は、JAの納涼会を舞台にリーダーの見つけ方について説明しました。今回は、その集団へ入ってみましょう。


【集団を見極めよう】
 8人ぐらいのテーブルだと、そのテーブルが何らかの集団、または組織である可能性が極めて高いです。
 特に8人がけのテーブルに、無理して10人くらい座っていれば、
「そこまで無理してでも、なんたかんた(何としても)一緒に座りたい」強い人間関係が、そこにあるのです。
 まさに、肩を寄せ合い、膝を交えて、腹を割ってる(?)・・・・はずです。たぶん・・・。


 さぁ、そのテーブルが、何の集団であるか早めに見極めることにしましょう。
 私の経験から、JAの納涼会ですから、次のような集団であることが多いのです。

①家族・親戚を中心とした農作業の集団
②農協青年部や、4Hクラブ等の若手のつながり
③農協生産部会のまとまり
(時にリーダーではなく、大手市場の販売部長が会話の中心になっている時もある)
④その他(私が分析できなかった集団も含む)


【テーブルへ割り込み、そこへ突入】
 私のことを誰も知らない環境に飛び込むのは、かなり勇気がいるものです。
でも、虎穴に入らずんば虎子を得ずともいいます。入っていきましょう。

 まずは、自己紹介と挨拶。
「こんにちは~、黒石地域の農業改良普及指導員(実際には、普及員と言うことが多い)の笠原と申します。ご迷惑でなければ、こちらに、ちょこっと入ってもいいですか~?」
と言って入ります。こう言って、「入らねんでけっ!(入るな!)」
と言われたことは一度もありません。


 続いて、テーブル全体を見渡しながら、
「こちらのテーブルは、トマト部会か何かの集まりですか?」
と、それっぽい集団の名前を言って、集団の成り立ちを聞いてみます。
 

「いつも、りんごの畑(はだけ)ぇ、手伝ってくれでる親戚どか仲間だねぇ(仲間だよ)」
といった感じに即座に答えてくれた人こそ、この集団のリーダーか、キーパーソンです。
チェック!


kasahara_16_0.jpg
(クリックで拡大します)


 さらに、
「○○町のどちらの地区の方ですか?」
「E地区だよ」
と、地域名も把握。これで、集団の活動しているエリアがわかりました。高冷地なら、「山の方は、涼しいんでしょうね!」とか、ハウスが多い地域なら、「あのあたり、本当にハウスが多いですよね~」とか、何気ない地域ネタで話が展開できます。


 でも、私はあくまでも脇役です。せっかく楽しんでいたテーブルへ、早く話題の主導権を返えさなくてはなりません。
「ずいぶん、楽しそうに話していましたけど、何の話をしてたんですか?」
・・・私が集団に割り込んで、一瞬流れを止めましたが、これで再び会話がもとに戻ります。
 ここから先、私は、どんな話でも話し手の目を良く見て真剣に聞き、しっかりとうなずきます。


 人は、真剣に話を聞いてくれる人を嫌いになったりしないし、何気ない話題の中に、普及指導員として得ておきたいヒントが、いくらでも見つかるのです。


 そして、話が小休止に入ったころを見はからって、
「どうも、どうも、大変勉強になりました。ちなみに、今度、何かいい話があれば、お知らせしたいと思うけど(おもむろに名刺を出しながら)、どなたに連絡すればいいでしょう?」


 こちらが名刺をだせば、名刺をもらえることがありますし、ダメでもケータイの番号を教えてもらえることが多いです。携帯番号を聞けたら、いつでも連絡OKってことです。これで、お互いに力を合わせていけるはずです。


 なお、お名前は、かならずフルネームで聞いておきましょう。とくに女性には、気をつけましょう。

 どう見ても女性に見える方に対して、「お名前は?」と聞いたとき、
「○○地区の、『タナカ カオル(仮名)』 です」と返されたことがありました。

「カオル(香・香織?)さんですね!」
っと、しばらくその女性をカオルさんだと思ってましたが、実はご主人の名前でした。
津軽の女性の奥ゆかしさなのか、自分の名前でなく、経営主の名前を教えてくれることがたびたびあるのです。
それでも、馨(カオル)さん、忍(シノブ)さんは、気がつくのですが、
「タケミ」さん・・・漢字で書いて、「武美」さん(男性名)は、難易度A+でした。

*津軽弁監修:工藤専門員(果樹担当)


【追記】
 とてもステキなイラストを提供してくれたのは、青森県が誇る人気コラムニスト、山田スイッチ先生です。
 日曜日に私が趣味で撮影した「土偶のOLドグ子」の写真を、ものすごーく気に入ってくれて、そのお礼にと描いてくれました。彼女の漫画のゆるーい日常がたまりません。


●山田スイッチ ホームページ
青森県在住コラムニスト。ゆるキャラである「土偶のOLドグ子」の発案者。著書に「しあわせスイッチ」などがある。


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ドグ子さん

笠原 均

青森県の農業改良普及指導員(普及員)です。普及員歴はすでに20数年となるのですが、お話し好きが高じて、農業の担い手育成を担当していることが多いです。 プライベートでは、「気分はプロフェッショナルカメラマン」、「YouTube再生回数が伸びないけど作曲家とウインドシンセサイザー奏者」です。 加えていうと、15年前から音楽の秘められた力をフル活用して地域おこしをやっています。そんな活動のお陰で町内会役員から目をつけられ(勧誘され)、町内会の理事なんかやっています。もちろん、町内の草刈りやしめ縄づくりも、町内会最年少として参加しています。

大分県
塩崎洋一

最後の追い込み

2015.03.17

 来週はいよいよ締め切りだ、となった本日、新規就農の二人がパソコンを持ってきました。最後の追い込みです。申告はもちろん自分でしますが、仕訳や集計作業などについて「これでいいですか?」と質問がきます。


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今期2期目の二人、同じ地区内で新規就農されました


 この写真では、それほど混雑は感じられませんが、この1週間気の休まる暇はありませんでした。
 決算の集計作業は経営の中での経理作業です。発生した取引を仕訳で整理しますが、その取引・仕訳がなぜ発生したかがわからないまま帳簿整理していたのでは、次に困ったことが発生します。

 試算表で整理した時に左右が合わない場合、取引や農場での出来事が、いつ、何があってのことなのかが見えてこないので、合わない原因を探り当て、仕訳をやり直して元帳を整理し直す作業ができなくなる、と私は思っています。


 この二人の農家さんは、簿記ソフトを使わずに、エクセルで仕訳、元帳、試算表と整理していき、青色の様式へ転記、という流れで作業しています。単純に手作業で行う帳簿整理をエクセルでやっている、というイメージです。こちらが簿記の理屈をわかっていれば、ソフトそのものを使いこなせなくても、そこそこ対応できます。

 もちろん、これをお付き合いした農家さんについては、こちらも経営内部のお金の流れや、経営者の資金繰りに対する考え方が見えてきますので、助かります。

塩崎洋一

昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興局を舞台に、普及活動の第二幕が上がった。臼杵市在住。

北海道
田所由理恵

第2回 HIYAMA P1グランプリ!~その1~

2015.03.12

 今年度が第2回となる「HIYAMA P1グランプリ」(檜山南部地域産のメークインの料理コンテスト)。おかげさまで、全国から32点の応募がありました。ご応募いただいた皆様、本当にありがとうございました。


 応募締切は2月10日(火)だったのですが、実は...2月2日(月)のほぼ一週間前段階で、応募点数が0(ゼロ)!!! ひぃぃぃぃぃぃ~(>_<)

 締切ギリギリに提出しようと計画していた方も多かったのかもしれませんが、この段階で青ざめる関係者...(T_T) あわてて再周知、全道の普及員関係者・知人・友人に声をかけまくる人海戦術をおこないました。その結果、締切間近に「二桁(10点)は応募がありそう...」との読みだったのですが、結果は32点のうれしい"読み違い"。


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32点の応募用紙は、ひとつにまとめただけでもずっしりとした重量感があります


 昨年の応募作品以上に、工夫にあふれたおいしそうなレシピが集まりました。今年は、10才の小学生から71才の女性まで、幅広い年齢層の応募がありました。

 また、実施のご案内に、「昨年の最優秀賞は道の駅での販売が取り組まれています」と記載したことが影響したのか、今年度の応募作品は、食べ歩きができそうな&手軽に食べられそうな軽食的な物が多いように感じます。


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なごやかな雰囲気な中に、厳選な一次審査が行われました


 2月中旬、一次審査(書類審査)を実施。昨年度の経験を活かし、比較的スムーズな審査となりました。今回の一次審査通過した10点について、3月中旬に二次審査(実食審査)を行います。

 この後の経過は、後日「第2回 HIYAMA P1グランプリ~その2~」としてお知らせします。
 お楽しみに!!

田所由理恵

平成24年から檜山農業改良普及センター所属。25年度に高付加価値に係わる仕事に変わりました。北海道に新幹線が来るのも間近!北海道の入り口で地域農畜産物の付加価値向上に邁進します。

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