普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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◆2014年10月

blog_hukyu_kasahara_f.jpg 青森県
笠原 均

老眼!?普及指導員お薦めツール(その1)

2014.10.31

【近くが見えにくくなってませんか?】
 最近、近くのものが見えにくくなった・・・小さい文字が見えにくくなった・・・コナダニどころか、ハダニさえ見えなくなった・・・花を叩いたとき、花の中から出てきた黄色い粉が、ゴミなのか、花粉なのか、いやいや・・・害虫なのか?

 はたまた自分の目からおちた「目ヤニ」なのか「鱗(うろこ)」なのかさえ区別できない!
 ・・・というのは別にして、見えないのは本当に困りますね。


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花の中から出てきた害虫「アザミウマ」


【見えないと仕事になりません】
 私も人並みに、小さなものが次第に見えなくなりました。
 現場で生産者から作物の被害を相談されたら、これまでの経緯や症状から速やかに原因を特定し、対策をとらなくてはなりません。
 よく武術の世界では、「五感を研ぎ澄ませ!」とかいいますが、ダイコンの軟腐病の臭(くさ)いニオイをかいでみることはあっても、味覚で味わってみるはずもなく、植物を悩ます病害虫を判定する場合の多くは視覚からの情報に頼らざるを得ません。


 でも、よく見えません。


 これは、普及指導員の資質にも関わるものではないかと、だんだん心配になってきます。
 もちろん、普及指導員ですから、こんなものを使ってますが・・・ 


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ルーペの類


 とにかく、よく見えなければ不便だし、オフィスのスマート化が進む昨今、他の事務所にいる仲間達に相談しようにも、写真がなければなかなか話が進みません。
 さて、どうしましょう?


 次回は、知る人ぞ知る「今時の普及指導員」らしいアイテムをご紹介します。

笠原 均

青森県の農業改良普及指導員(普及員)です。普及員歴はすでに20数年となるのですが、お話し好きが高じて、農業の担い手育成を担当していることが多いです。 プライベートでは、「気分はプロフェッショナルカメラマン」、「YouTube再生回数が伸びないけど作曲家とウインドシンセサイザー奏者」です。 加えていうと、15年前から音楽の秘められた力をフル活用して地域おこしをやっています。そんな活動のお陰で町内会役員から目をつけられ(勧誘され)、町内会の理事なんかやっています。もちろん、町内の草刈りやしめ縄づくりも、町内会最年少として参加しています。

北海道
田所由理恵

普及指導員の「目合わせ会」~職場研修~

2014.10.30

 わが檜山農業改良普及センターは、管内に本所1カ所・支所1カ所で活動をしています。北海道の中では小さい規模の普及センターです。
 しかし、本所・支所がそれぞれに活動をする中で、技術や情報の交流がおそろかになってはいけない! と、計画的に各専門での研修会を行っています。


 今回、園芸担当職員の職場研修が行われ、普及センター本所・支所の園芸担当普及指導員のほか、檜山振興局農務課・道南農業試験場技術普及室の関係職員が参加し、今年度の生育状況の確認と栽培試験等の実施状況確認、情報交換等を行いました。


 会場は支所管轄のせたな町と今金町。
 まず、せたな町農業センターの野菜苗の育苗状況、畑作物・野菜の試験展示ほの状況を確認し、その後、今金町の指導農業士宅でミニトマトの栽培についてと、農業法人経営でブロッコリーの栽培状況等の研修を行いました。


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左 :せたな町農業センターで、ほうれんそうの比較試験について状況確認と研修。病害に強い品種の選定が期待されています
右 :今金町指導農業士宅のミニトマト選果施設。労働軽減やコスト低減に関する様々な取組状況を研修


 日常の業務に追われる中で、このような研修は各自が担当している地域との比較や情報の交換、また、檜山全体の園芸作物の課題や将来性等を考える機会となり、改めて"同じ目線や方向性で活動をして行こう!"と、意義ある研修になっています。

田所由理恵

平成24年から檜山農業改良普及センター所属。25年度に高付加価値に係わる仕事に変わりました。北海道に新幹線が来るのも間近!北海道の入り口で地域農畜産物の付加価値向上に邁進します。

大分県
塩崎洋一

台風一過の調査です

2014.10.28

 台風18号が過ぎ去りました(ところが、この原稿を準備していたら、19号が来やがった・・・・)。
 管内でも風が吹き、雨がふり、でした。早速、稲の状況を調査に行くとのことです。また、牛の餌となるWCSも見るとのことで、私も同行しました。


 結論的には、風でやられた、というよりはウンカでした。倒れたところは先に少々ウンカにやられて、稲がへたっているところに風が吹いたようです。

 ウンカやイモチの話を聞いていると、そんなことなら、もっと薄く間隔を空けて植える、堆肥を使うなら十分に完熟した物を使う、その他肥料はやり過ぎなければいいのに・・・・、とか素人ながらに思ってしまいます。


 もう退職された大先輩が言われたことを思い出します。
「日本人は2000年、米を作ってきているのに、いまだに毎年米作りの勉強をするんじゃ」


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台風後ではありますが、水はけが悪いところが多いのも管内の特徴です。平均の収量も県最下位。以前紹介した「佐伯の殿様は浦でもつ」の言葉の意味が分かる気がします


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二人の稲作担当。これまた以前紹介したKさん(手前)とMさんです。普段から稲の都合に合わせて現場に出ていく姿には感心させられます

塩崎洋一

昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興局を舞台に、普及活動の第二幕が上がった。臼杵市在住。

長野県
平谷敏彦

カーネーション主産地懇談会開かれる

2014.10.23

 警戒していた台風19号ですが、幸い当管内での農作物や施設に被害はまったくなく、胸をなでおろしているところです。被害に遭われた地域の皆さんには心からお見舞い申し上げます。


 さて、このブログでも過去に紹介したことがあると思いますが、長野県が全国一の生産量を誇る品目がいくつかある中にカーネーションがあります。夏の冷涼な気象条件を活かし、冬に定植して夏から秋にかけて2回切る作型が標準的に取り組まれています。

 そのカーネーションですが、県内にはJA系統、個選組織、個人といった販売形態がいろいろあり、以前はお互いをライバル視して情報提供を拒むといった動きが当たり前の時代もありました。

 しかし、ご承知の通り国内消費量の半分以上が、コロンビアを中心とした輸入品で占められている昨今「共選だ個選だと言っている時代じゃないだろう」ということで10月9日(木)主産地懇談会が当普及センター管内の富士見町で開催されました。


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視察ほ場への行き方を説明中


 当日は県内でカーネーションの生産に携わる生産者や関係者約60名が一堂に会し、ほ場視察の後、カーネーションの研究部門で第一人者とされる宇田花づくり研究所の宇田明先生から講演をいただき、その後各産地や団体からの情報交換を行いました。


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ほ場視察


 宇田先生の講演を拝聴し、快適な環境で栽培されるコロンビア産に、高冷地とはいえ、近年の温暖化で夏が暑くなっている長野県産が、品質や日持ちで上回るのは至難の技かな、というのが率直な感想です。ただ、出来るだけ評価を上げるために、前処理を適切に行うなど、基本技術を励行することが重要だと感じました。


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宇田先生の講演


 先生のお話の中で、一番好きな花は「さくら」が圧倒的に多いという日本人の感性には、剛直な輸入品より、柔らかではなくしなやかさを持った国産カーネーションを好む方も多いはずと思いたいのですが・・・

平谷敏彦

25年4月から諏訪農業改良普及センター勤務、20年ぶりに戻ってきた職場です。慣れない次長職で事務に追われる毎日ですが、花の現場に出ると元気をもらえます。

北海道
田所由理恵

檜山の花き

2014.10.20

 水稲や畑作物に目が行きがちな檜山農業ですが、実は花き栽培も取り組まれています。面積はそう多くはありませんが、南部地域・北部地域でそれぞれ数種類の花きが生産されています。

檜山振興局農務課ホームページ参照
     

 その一つ、「テマリソウ」という花をご存じでしょうか?
 江差町・厚沢部町で栽培されているテマリソウは、手鞠のような、マリモのような、栗のイガ状の球形・モコモコのグリーンの花が特徴で、主役にはならないけれどブーケやアレンジに活用される、特徴的な花です。全道的にも生産している産地は少なく、どちらかというと"あまり知られていない"檜山の花です。
 「見たことはあるけど、これがテマリソウなの!?」という人が多いのではないでしょうか?


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全体がグリーン一色になるテマリソウハウス


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左 :一本一本を大切に調整して出荷します
右 :アレンジメントに花束に... 需要が高まっています


 もう一つ、最近はとてもメジャーになった「われもこう」です。
こちらも、江差町・厚沢部町を中心に栽培され、9~10月の秋の花として出荷が盛んです。


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えんじ色に染まったほ場~秋の季節感を作り上げます


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左 :家族そろって出荷調整
右 :"がく"の先まで色むらなく、鮮やかなえんじ色に仕上がりました!


 檜山の花きは地域農業を支える主要農作物ではないけれども、花一本一本に気を配る生産者と、生産者を支える関係者によって作り上げられて来ました。普及指導員の活動は華々しい"講習会開催!"というよりも日常の巡回指導の中での細かいサポートが中心になっていますが、こうした地道な支援が美しい花一輪を作り上げ、小さいながらも産地として継続・発展に繋がっているのでは...と思います。

 普及指導員の活動は、"主役にはならないけど、脇役として需要が高まっている"テマリソウやわれもこうのようなものでしょうか...?

田所由理恵

平成24年から檜山農業改良普及センター所属。25年度に高付加価値に係わる仕事に変わりました。北海道に新幹線が来るのも間近!北海道の入り口で地域農畜産物の付加価値向上に邁進します。

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