普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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◆2014年8月

blog_hukyu_kasahara_f.jpg 青森県
笠原 均

夏のレタスは、夜明けにて(連載第1回)

2014.08.28

【サラダは、好きですか?】
 唐突ですが、みなさん、サラダは好きですか? 
 私は、温野菜も好きですが、夏場に冷えたサラダをバリバリと食べるのが大好きです。私的にサラダに欠かせないのは、なんと言ってもレタスです。あのシャキっとした歯ごたえと、ほろ苦さ・・・サラダには、絶対欠かせない存在です。

 今回は、そんなレタス収穫の撮影に行った際の話を、みなさんにご報告したいと思います。


【畑が見つからない】
 今回は、有限会社サニタスガーデンの代表、山田広治さんの協力を得て、青森県八甲田山の標高750mにある開拓地、沖揚平地区の撮影に臨みました。
撮影に当たり、山田さんに「何時頃、収穫してますか?」と、問い合わせてみると、朝4時には畑にいるということです。

 もう、ここまで来ると「普及」ブログというより、完全に私の趣味の世界なのですが、朝3時に起きてサニタスガーデンの畑へ向かいました。どうしても、収穫風景が見たい!


 さて、昼間は、こんな感じで、さして迷うような所ではないのですが・・・・


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 実際に夜明け前に収穫しているレタス畑を探してみると、まったく検討がつきません。


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 収穫作業をする際のライトの明かりで、山田さん達を簡単に見つけられるだろうと思ったのは甘い考えで、深い茂みと原生林に囲まれて、光らしいものはまったく見えません。どうしよう?


 トラクターの音でも聞こえないかな? と耳をそばだてても、聞こえるのは、コオロギの合奏とフクロウらしき歌声、「ホー」。


 そこで、作業の邪魔になるかな~と思いながらも、山田さんに、
「集出荷場の前に来ています! 北側ほ場のどの当たりにいます?」
と、メールしてみると、「今、迎えに行きます!」と山田さんからの返信。

 趣味で来た割には迷惑な奴だな! と、自分の行動に反省しつつも開き直り、山田さんの案内で、深い森の・・・さらに奥の畑へと案内されました。静寂の中にも、微かに「モシャモシャ」とレタスを切ったり、外葉を取り除いたりしているような音が聞こえます。


【暗闇で作業している人に声を掛けにくいのですが・・・】


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 大きな畑の端に車をおくと、いくつものヘッドライトの明かりが蠢(うごめ)く畑へ歩いて行きました。作業をするみなさんは、無言です・・・。


 あまり静か過ぎて、声をかけづらいな~と思いつつも、みなさんに怪しまれないように、大きな声で、
「普及指導員の笠原と申します。今回は、山田さんのご厚意で撮影にやって来ました!」
というと、「お疲れさまでーす!」と複数の明るい声が返ってきました。どうやら、若い女性もいるようです。どうやら、安心して撮影に臨めそうです。

 ということで、さっそく、撮影開始!


 次回は、夜明けまでに撮影した、昼間では見られないシーンをご紹介します。

笠原 均

青森県の農業改良普及指導員(普及員)です。普及員歴はすでに20数年となるのですが、お話し好きが高じて、農業の担い手育成を担当していることが多いです。 プライベートでは、「気分はプロフェッショナルカメラマン」、「YouTube再生回数が伸びないけど作曲家とウインドシンセサイザー奏者」です。 加えていうと、15年前から音楽の秘められた力をフル活用して地域おこしをやっています。そんな活動のお陰で町内会役員から目をつけられ(勧誘され)、町内会の理事なんかやっています。もちろん、町内の草刈りやしめ縄づくりも、町内会最年少として参加しています。

大分県
塩崎洋一

枝肉共励会

2014.08.22

 先日のブログで紹介しましたが、管内のおもな肥育農家は1戸です。
 それでも、ほかに和牛繁殖肥育の一貫経営で、数頭の肥育をされている方もいます。
 もちろん昔は多くの肥育農家があったと思いますが、社会の時流ゆえか、減少した次第。


 そんな少ない中ですが、秋に開催される地元佐伯市の肉用牛共進会の、枝肉の部として開催されました。
 本県の和牛枝肉に関する課題はいろいろありますが、今回の結果としては、やはり枝振りが芳しくないの一言です。要は、赤肉が少ないのです。果たして他県の状況と比べると、一概に肥育農家さんだけの技術によるものではないと思いますが・・・・


 いずれにしても、できるところからやって、結果を変化させていきたいと考える次第です。
 やはり、まずは重量。正肉歩留・・・・要は赤肉部分の充実です。もちろん、そこがきちんとされれば、脂肪交雑もそれなりに伴うことは、言うまでもないことと考えています。


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実は、この風景がすべてを物語っているのです

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検討会では、いかにして枝肉の赤肉部分を増加させるかについて、さまざまな要因から話しました

塩崎洋一

昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興局を舞台に、普及活動の第二幕が上がった。臼杵市在住。

大分県
塩崎洋一

農業技術者協議会

2014.08.14

 管内のJA、市、農業共済や県関係の担当者等で組織する協議会の総会が開催されました。
 作物、野菜、果樹、花き、畜産の各部門ごとに部会があります。各部の部会長はJAさん、事務局は市と普及で受け持っています。しかしながら、この市町村やJA、普及も一緒になっての技術者協議会、最近では組織化されていないところが多いようです。
 予算の都合もあるのでしょうが、背景には普及活動の効率化など、組織的な都合に起因する理由も見え隠れしています。


 私が普及員になった四半世紀を超える以前(管轄は別のところでしたが)、当然その頃は平成の市町村合併がされる前、JAも広域合併がされる以前で、各市町村に農協がありました。

 それぞれの市町村農協から参加するので、一つの部会だけでも20数名を超える人員でした。当時私の管内では、普及が事務局を一手に引き受け、部会長をJAなどが受け持っていたように記憶しています。


 ところで、新人普及員がぶつかる壁の一つに、関係機関との連携があります。管内の市町村やJAの担当者や部課長さん方と連携をとる、業務の内容によっては、新人でも先方の部課長さん方と直接やりとりを交わす場面も出てきます。

 そうした関係機関との連携を訓練する最高の場面が、こうした関係機関による集まりの場です。
 この組織での会合は、いつの時も二部構成になっています。当然、第二部の準備に走り回るのが新人の重要な業務であったことは言うまでもありません。
 きっと古今東西、こうして、関係機関の皆さんと意思の疎通がなされていることと思います。


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中には、第二部に集中している人が、いるやもしれません


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最近では女子も増えました。昔のように、おじさんの感覚だけでは、通用しないのです

塩崎洋一

昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興局を舞台に、普及活動の第二幕が上がった。臼杵市在住。

富山県
柳瀬美智代

富山県産米 特A奪還へ

2014.08.11

 北海道「ゆめぴりか」熊本県「森のくまさん」、佐賀県「さがびより」・・・いずれも日本穀物検定協会の食味ランキングで最高位の「特A」を獲得した銘柄です。
 2013年産は、富山県を含む全国44道府県、131銘柄が参加し、過去最多の38銘柄が特Aを獲得しました。

 富山県産米は主力「コシヒカリ」、早生の「てんたかく」ともに特Aを逃し、2番目の「A」評価にとどまりした。2002年に「特A」の認定を獲得して以来、12年連続、「A」にとどまっています。

 県では、食味についての認識を深めようと、関係者を対象に研修会を開催しました。


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米の水入れ作業
サンプルの炊き方が均等になるように、水滴ひとつ、違わないようにと細かい作業です。


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米のほぐし作業
炊きあがったら、すぐにほぐして、盛り付け開始。
熱くてやけどしそうになりました。


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食味を記入する紙
ご飯の香り、味、粘り、硬さなどを総合的に評価し、最後は自分の主観でおいしさを決めます。


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かおりをかぐ私
評価する人は、体調不良でない、香水などをつけない、年齢構成も幅広くと、ばらつきがないように選ばれているとのことです。


 米の消費量が減少している中、食味ランキングで高い評価が得られれば、消費者にアピールできます。
 米の品質、食味ともに高い事が、産地の力になります。県下の総力を挙げて、米の「特A」奪還に向けて、動いています。

柳瀬美智代

富山県高岡農林振興センターで、地域担当しています。地域担当の役割は主穀作(水稲、大麦、大豆)の技術改善や集落営農等の組織化など、地域全体のコーディネートです。

大分県
塩崎洋一

牛舎改造

2014.08. 5

 わが管内の和牛の肥育農家さん、実は1戸です。
 その農家さんは共励会などで上位入賞をされたこともあるのですが、その性格ゆえか、飼養管理方法が昔ながらのままなのです。

 以前、広域普及指導班肥育担当の頃、この農家さんの牛舎を改造して、飼養管理しやすい、牛のストレスを軽減できるようにしたことがあります。そんないきさつもあって、今回、「塩崎さん、この牛舎を何とかできないかなあ」との相談を受けました。
 もちろん、条件付きです。工務店ではないので、いつもいつもはできません。時間のある時に、基本自分でやるのをお手伝いするのなら、ということで始めました。


 1頭ずつ、つないで管理しているのをつながずに、牛さんが牛房内で自由に動けるようにしてあげたい、とのことです。すべての牛房ではとてもできません。廃材の鉄枠を利用して、牛舎の中の1列、10頭分をやることにしました。


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鉄枠を立てて、番線で縛りつけます。筋交いの入れ直しもしました


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手前の柱の横から向こう側の柱に向けて、カンヌキを差し込むようにします


 農家さん自身、年も年です。後継者もいません。本人がこれで少しでもやる気が出て、そろそろ経営を止めようかという話が、あと5年でも10年でも延ばしてもらえるなら・・、という気持ちです。


 普及活動とはいえ、基本は行政施策の下で活動しています。本県でも、粗生産額の向上や担い手の確保など、いろいろな施策や目標が打ち出されています。ですから年間数千万円の粗生産額が、一人役の普及活動で確実に維持確保できるならしめたものだと思っています。
 完了したら、またお知らせします・・・・。

塩崎洋一

昭和63年に大分県で普及員として奉職。 令和4年3月に早期退職して農業に踏み込み始めたが、普及現場の要請により中部振興局を舞台に、普及活動の第二幕が上がった。臼杵市在住。

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