先日、子供から、「お父さんのお仕事はなに?」と聞かれました。
どうやら小学校の社会の宿題らしいです。
公務員と言ってもピンとこないし、試しに農業改良普及指導員と説明しても、さらに「なにそれ?」と返される次第です。
でも、よくよく考えてみると、一番接しているはずの農家さんでさえ、現地講習会や、パソコンに向かっている普及指導員の姿は見ていても、ほかにどんな業務をしているのか、ほとんど知られていないように思います。
そこで、今回は多岐に渡る普及指導員の業務の一つ、「測る」にテーマを絞って、ご紹介したいと思います。
普及指導員の活動根拠は「農業改良助長法」という法律です。この法律には、「科学的技術及び知識の普及指導を行う」という、普及指導員は「科学的」な技術と知識をもって活動することが明記されてます。
例えば、「高冷地の種まき準備の目安となる、今年の雪解けは早いのか遅いのか?」
科学的な根拠を持って活動しなくてはならない私達は、あいまいな事は言えないので、
「○月○日現在の△△地点の積雪が、□cmなので、昨年より雪解けが早く、平年並の5月○日頃から播種作業が始まると予想される」というような回答をしなくてはなりません。
そんなわけで、実際に現場に測りに来て、現場でタブレットの画面に書き込んでみましょう(寒いです)。
「ここは、八甲田山麓、標高750mの農業開拓地です。4月10日時点の積雪は140cmです。大雪と言われた昨年より積雪は59cm少なく、雪解けの進みは、平年並みと言えます(公式発表ではありません。あくまでブログの中での話ですよ)」

計測しているのは、私と同じく普及指導員の仲間です。

一見晴れていて気持ちよさそうに見えますが、気温は2℃。風まで吹いてきて、体感温度は氷点下です。
この八甲田山麓の畑は、年によっては4月上旬でも250cm以上積雪があり、時に調査棒の回収に苦労することさえある豪雪地帯です。雪解けが遅ければ播種できる面積が変わってくるから、雪解けの進み具合は、重要な意味を持つのです。
さて、調査しているのは積雪だけではありません。ほかにも普及指導員は、正確なデータをもって生産指導活動ができるよう、さまざまな作物の生育を調べています。
青森県の場合は、米、りんごの生育は当然ですが・・・

寒風にあおられながら、にんにくや・・・・

将来的に普及すべき技術を施した、いちごの生育を測ったりもしています。
科学的根拠に基づいた、正確で有益な情報を伝えるため、農家の皆さんの目に触れないところでも「正確に測っている」のです。
多くの皆さんに、こんな地道な普及指導員の活動を知っていただけるとうれしいです。
ということで、標高750m、春の八甲田山麓からの実況レポートを送信します。
青森県の農業改良普及指導員(普及員)です。普及員歴はすでに20数年となるのですが、お話し好きが高じて、農業の担い手育成を担当していることが多いです。
プライベートでは、「気分はプロフェッショナルカメラマン」、「YouTube再生回数が伸びないけど作曲家とウインドシンセサイザー奏者」です。
加えていうと、15年前から音楽の秘められた力をフル活用して地域おこしをやっています。そんな活動のお陰で町内会役員から目をつけられ(勧誘され)、町内会の理事なんかやっています。もちろん、町内の草刈りやしめ縄づくりも、町内会最年少として参加しています。