TPP以前の問題、ありませんか
2013.10.15
今回の女性農業経営士会の研修会は、お題を頂きました。それも「TPP」についてです。
世間では、これについて、反対か賛成か、何がどうなるのかと議論はつきないようです。もちろん、私たちの所属する地方自治体においてもさまざまかと思います。
ところで、よくよく考えてみれば、TPPで取りざたされることには、前提があることに気がつきました。「自由な経済活動」とか「市場原理に基づいて」といったことです。ならば、「この前提の及ばないところで、自分の身の丈にあった経営を展開すれば、受ける影響を軽減できるだろう、と思いませんか」と考えたわけです。
今日明日すぐに関税が撤廃されるわけでもないし、人によっては自分の代で経営が終わる方もいます。ならば、TPPを含めていろいろな経済情勢の変化に対して、「これならできる」と思うようなアイデアや対策を意識してもらうことの方がお得な話では、と感じてもらえるだろうと思いました。
たとえば、年間数百万円の売上であれば、取り扱う品物の量は、どの程度か。仮にそれが、すべて直売で売られて、市場出荷はしないのであれば、どうなるか。その人の流通は、少なくとも安易に市場原理の支配は受けない、と 言えませんか。そのお客さんは「多少高くても、あなたの作ったものを買います」という付加価値を求めている方たちということにもなるでしょう。
中山間地域の家族経営、複合経営においては、地域の自然や歴史、農家民宿でのゆったりとした時間や空間など、さまざまな付加価値があると思いますが、こうした付加価値が農産物にくっついて、簡単に市場で流通するものとは思えないのは、私だけでしょうか。
左 :話題提供の読み合わせです。ホントは参加者の誰かに読んで欲しかったのですが・・・
右 :読み合わせの時はこんな風景ですが、読み終えて話し始めると、いつものように、鋭い視線です