牛の戸籍づくり
2013.07.24
私たちは「子牛検査」と言ってます。
人間は指紋が一人一人違いますが、牛さんは、鼻の模様が1頭ごとに全部異なります。人の指紋同様に、大まかな形には分類されますが、とにかく全部違うのです。
これを「鼻紋」といいますが、鼻つらに墨を塗り、和紙で写し取ります。
もちろん母親牛も子供の時にそうしてきてますから、この子牛はこの母親牛の子供であるとの証明に、母親牛の鼻紋もとり、登記簿を作るのです。
農家さんは子牛が生まれるたびに、この子牛はこの母親牛の子だと、きちんと把握しておかねばなりません。
牛の登記簿にはこんな感じで貼り付けます。
この横には、両親、祖父母、曾祖父の名前や、登記番号が載ります
厳しい規則もあり、これに違反すると、その子牛は黒毛和牛としての証明書がもらえなくなります。つまり、戸籍のない牛になってしまうのです。
この登録業務を専門に行う、和牛登録協会という公益法人組織があり、黒毛和牛の育種的な証明がされるようになっています。乳牛を毛染めで黒くしても、鼻紋は誤魔化せないのです。
ですから、こうした現地での作業も、登録協会の定める資格が必要な仕事になります。
ローラーで墨をつけて和紙で写し取ります。
農家さんが子牛を繋いでおいてくれると、作業は早く進みます。
ところで、これまた、いまどきの普及活動なのか・・・・、といわれそうです。
が、この時こそ、牛舎に入り、臭いをかいで、目で見て、時にはJAさんが作業している時に、気がついたところを農家さんと語らうのです。そして、その農場の問題解決の糸口を見つける・・・・。もちろん関係機関との連携も強化できて、一石二鳥です。