普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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◆2010年6月

徳島県
吉原 均

鉄とイネ籾のマリアージュ?

2010.06.28

 今回はちょっと変わった稲作についてです。その名も鉄コーティング直まき! 「みんなの農業広場>注目の農業技術」でも詳しく紹介されている技術です。

 徳島県では全然普及していない技術ですが、今回わが管内にチャレンジする農業者がいらしたことから、支援センターの出番となりました。
 コーティング作業には機械が必要なので、農業研究所からレンタル。また、高度支援センターの作物担当職員の協力も得て作業しました。


 この技術は、ずいぶん昔に、近畿中国四国農業研究センターで開発されたものです。そのころ研究員だった私は、担当の研究員さんから、直接説明してもらいました。
 そのときに見せてもらった、磁石にくっつくイネ籾のインパクトは大変強烈で、今でもよく覚えています。私は後にこの技術にヒントを得て、アマモ場再生技術を開発することになったのです。(興味のある方は→こちらをご覧下さい。水産関係のHPなので私の名前は出てきませんが、一応、発案者なんですよ)


  
左 :コーティング作業中。作業者は高度支援センター小牧主任班長
右 :コーティング直後の籾


 さて直まきですが、播種の4日ほど前にコーティングしたものを使いました。品種は「あきさかり」。
 播種作業はあっという間におしまい! 農家の方も「これは楽じゃ~」と感心されたようす。
水加減の関係で、多少の生えムラが出ましたが、順調に成育中です。この省力栽培法、どんどん広まって欲しいものです。


  
左 :5日後の籾。さびさびです!ずっしり重い!
右 :播種は除草剤散布用の散粒機で行いました


  
左 :約40日後の様子。いい感じで生えてます
右 :分げつも順調に増えてます。無事に収穫できるといいですね~

吉原 均

徳島県美波農業支援センターの吉原均です。野菜・作物担当で「きゅうり」、「いちご」、「水稲」、「藍」を担当しています。

沖縄県
照屋清仁

オリジナル商品で勝負!!

2010.06.21

沖縄市では、6月4日から約1週間、恒例の若夏植木市が開催されました。
中部に赴任して初の植木市です。

この植木市には、「始まると雨が降る」というジンクスがあります。
ただの噂だと思って気にしてなかったのですが、植木市が開幕すると雲行きがだんだんと怪しくなり、なんと本当に雨が降り始めました。
植木市に雨男がいるのか、はたまた植木市自体が雨乞いの力を持ったイベントなのか。次はぜひとも、農家が干ばつで苦しんでいるときに開催してほしいです。


さて、中部地区青年クラブの会員も、この植木市に出展しています。
その1人が「あん里ガーデン」の安里慎也さん。安里さんは草花鉢物の栽培をしており、品種改良により、オリジナル品種を作っています。


安い商品を大量に作って売るのではなく、いい商品、ほかと違う商品を作っていきたいという経営目標があり、現在はオリジナル品種として、フヨウ、ハイビスカス、トロロアオイを販売しています。

安里さんの話を聞いていると、草花などの嗜好品は景気に左右されやすいため、独自のオリジナル商品を作り、ほかと差別化を図ることで需要を確保することは大切なことだと思います。


別件で植木市会場に会いに行ったのですが、ひっきりなしにお客さんが来ていたので、今回もまずまずの成果があったのではないでしょうか。
私も安里さんが品種改良した、普通のハイビスカスより小さい花が咲く「オキビス」という品種を2種類買って、栽培中です。
(右上 :植木市のようす /左下 :今いち押しのクレマチスを手にする安里慎也さん。バックはオキビスシリーズの写真)


「あん里ガーデン」に興味のある方は、ブログがあるのでチェックしてみて下さい。
●ブログはこちらから

照屋清仁

沖縄県中部農業改良普及センターで新規就農、青年農業者を担当している照屋清仁です。新規就農者や青年農業者が安心して農業を続けられるように支援を行っていきたいです。

広島県
延安清香

普及指導員も勉強しています

2010.06. 7

 普及指導員も日々勉強しなくてはいけません。年に数回研修をし、自ら研鑽(さん)をしています。
 今回は、水稲の育苗の省力化技術として、「プール育苗」を勉強しました。

 「プール育苗」は、広島県内で導入されている技術ですが、まだ少数派です。
しかし、従来の方法では、特に大規模に水稲を植え付ける法人では、日々のかん水作業・温度管理が負担になっています。さらに、かん水ムラや病気などによる苗の事故も増えてきます。
 これらを解消する技術として、プール育苗が注目されています。


 研修当日は、私を含む農産担当者・法人担当者等、プール育苗に興味がある普及指導員が参加しました。
 実際に現場を見てみると「本当にプールに稲が漬かっている!」状態でした。ハウスいっぱいに広がっている稲は、まるで芝生のようでした。


  
左 :ハウス内は加温しなくても暖かい。水温があるためハウス内の温度は安定している
右 :水に漬かっているためカビは生えない


 おじゃました法人では、毎年2万枚の苗を生産し、その大部分を販売しています。
「プール育苗はよいことばかり」と、とても満足そうなようすが大変印象的でした。


  
左 :組合長(右側)にはお忙しい中お世話になりました
右 :先輩普及指導員(左側)が後輩(右側)に技術のポイントを伝授中?!

延安清香

広島県西部農業技術指導所芸北地域チームで、野菜と集落農場型農業生産法人の育成・支援を担当しています。普及員暦12年(途中3度の育児休業あり)。その間生活、情報と担当してきましたので、幅広い支援が出来る普及員を目指しています。

徳島県
吉原 均

やっぱり藍でしょう!

2010.06. 4

 私が行く所、藍がある(←?)。
というわけで、今回は新しい「藍」への挑戦をご紹介します。

 先日、徳島県でも最も南側に位置する、海陽町の熟田(ずくだ)地区で、藍の定植作業が行われました。
 藍と言えば徳島県、というわけで、徳島ならどこでも栽培されていそうなイメージの藍ですが、実は県内でも北側、吉野川沿いのごく一部でしか実用栽培されていません。

 ところが最近、当センター管内の海陽町で、藍の栽培に挑戦している方たちがいらっしゃいます。
 以前のブログでもご紹介しましたが、現在、地元の肌着メーカーなどと連携して、藍を使った農商工連携の取り組みを模索しているのです。構想には、地元産の鶏糞堆肥を活用することも組み込まれていて、地域資源の利活用といったテーマにも沿った形となっています。

 定植は、肌着メーカーの関係者や地元農家など、多彩な顔ぶれでワイワイと行われました。


   
左 :植え付け前には、天地の神様にお酒とお祈りが捧げられました
右 :植え溝を作る作業。今回は人力で挑戦! 私は腰が痛くなりました。写真は栽培に挑戦する農家Y氏


  
左 :地元肌着メーカーの専務さんとお嬢さん(写真手前のお二人)も植え付けに挑戦
右 :出番を待つ藍の苗。これは地面に播種して育てたもの。このように移植直前に抜き、水に漬けておきます


 なにせ、ほとんどの人が藍の定植初体験。まるで体験学習でイネを植える小学生のように、楽しく作業が行われました。
 追肥や除草を経て、7月中~下旬には収穫できる予定です。今後もこのブログで、生長のようすをレポートしたいと思います。


 古代、この地で朝廷に仕えた海部にちなみ「海部の藍(あまべのあい)」と名付けられたこの地域の藍。今後の動向に期待大です。


  
左 :こちらはセルトレイで育苗中の藍。まだ発芽したばかりです。これもそのうち移植されます
右 :移植から5日後の様子。雨で水浸しですが、藍はへっちゃらです! むしろこの方が元気 

吉原 均

徳島県美波農業支援センターの吉原均です。野菜・作物担当で「きゅうり」、「いちご」、「水稲」、「藍」を担当しています。

広島県
延安清香

ブロッコリー栽培プロモーションビデオ作成中

2010.06. 2

 新年度になりましたが、転勤はなく担当も代わらないということで、今年度もブロッコリー栽培の推進をしています。

 以前のブログでも紹介しましたが、私が担当している安芸高田市は、県内生産量一位のブロッコリーの産地です。
 現在、5月末から6月収穫に向けての栽培が始まっていますが、4月の低温と長雨により定植が遅れてしまい、このままでは収穫も少し遅れそうな感じですが、生産者の方はおいしいブロッコリーをお届けするために、がんばっています。


 当産地はさらなる産地拡大を図るため、新規栽培者を募集しています。
 新規栽培者の方がブロッコリー栽培を容易にイメージできるように、各作業の流れをビデオに撮影し、プロモーションビデオを作成することになりました。 この日は畦立て作業の撮影を行うと同時に、労働時間調査を行いました。


  
左 :園主(右側)は当産地の個人生産者では生産量トップクラスの方です
右 :機械の動きに合わせて撮影するのはなかなか大変でした


 労働時間調査は、ブロッコリー栽培における収支計算をするために必要なものです。
また、既存生産者の方もより効率よく働いてもらい、少しでも面積を増やして、たくさん栽培してもらうためにも必要なものとなっています。

延安清香

広島県西部農業技術指導所芸北地域チームで、野菜と集落農場型農業生産法人の育成・支援を担当しています。普及員暦12年(途中3度の育児休業あり)。その間生活、情報と担当してきましたので、幅広い支援が出来る普及員を目指しています。

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