普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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◆2010年3月

徳島県
吉原 均

テントウムシは太陽の虫だッ!

2010.03.29

 Buon Giorno! 今回は非常にユニークな取り組みについてです。
 テントウムシがアブラムシの天敵ということはご存じですよね? 現在、このテントウムシをアブラムシ防除に応用しようという取り組みが行われていて、私も農業研究所の調査をお手伝いしています。


 対象作物は、徳島特産の「春にんじん」。当管内が最大の産地です。
 実はこのテントウムシ、普通のテントウムシではありません。なんと! 「飛ばない」テントウムシなんです。その名も「飛ばテン」。(独)近畿中国四国農業研究センターで育成された、遺伝的に飛ばないナミテントウです。羽も筋肉もちゃんとあるそうなので、「飛べない」ではなくて「飛ばない」ということらしいですが・・・。


  
左 :今回の戦場はここ。にんじんのトンネルです
右 :調査中の研究所の方々。調査は常に中腰。「腰イテー」が合い言葉です 


 さて、「なんで飛ばんの?」「さぁ?」などという会話をしつつ、調査開始。アブラムシとテントウムシを数えます。
 調査していると「飛ばテン」発見。確かに飛びません! 普通のテントウムシなら、何かの先端までたどり着くと飛んでしまうものですが、クルリと引き返してしまいます。これなら遠くに脱走せずに、作物についたアブラムシをたくさん食べてくれるかも! 葉っぱの上をヨタヨタ歩く姿はちょっと頼りないけど、彼らの活躍に期待してます!


  
左 :新芽に発生したアブラムシ。飛ばテン、ご飯はここですよ!
右 :飛ばないナミテントウ。背中の模様は色々個性があって、おしゃれな感じ。このコはわりと派手なタイプ



卵です。放飼した時の木屑に産んでいました。ツヤツヤです。幼虫もアブラムシを食べてくれます

吉原 均

徳島県美波農業支援センターの吉原均です。野菜・作物担当で「きゅうり」、「いちご」、「水稲」、「藍」を担当しています。

広島県
延安清香

野菜振興検討中

2010.03.26

 とうとう3月となり、年度末を迎えました。この時期は、今年度の反省と来年度の活動について、検討することが多い時期です。
みんな真剣です 3月15日に安芸高田市役所にて、安芸高田市役所・JA広島北部・県(西部農林水産事務所・西部農業技術指導所)とで安芸高田市の来年の野菜振興について話し合いを行いました。

 前回のブログでも紹介しましたが、この地域は県内一のブロッコリー産地です。それぞれの機関が役割分担をし、産地のバックアップを行っています。この日は、産地の更なる拡大を図るための検討を中心に行いました。
 こういう会議に出席すると「がんばらなければ!」と身の引き締まる思いがします。
右 :みんな真剣です 


 2月から、5~6月収穫のブロッコリー栽培が始まりました。
 みなさんにおいしいブロッコリーをお届けするために、私たちもがんばっています!

延安清香

広島県西部農業技術指導所芸北地域チームで、野菜と集落農場型農業生産法人の育成・支援を担当しています。普及員暦12年(途中3度の育児休業あり)。その間生活、情報と担当してきましたので、幅広い支援が出来る普及員を目指しています。

徳島県
吉原 均

いちご炭疽病対策その後

2010.03. 9

 今回は、イチゴの炭疽病対策についての話題です。以前も書きましたが、徳島では「親株の簡易検定」という手法を使って、早期に、この病気にかかったイチゴを排除する取り組みを行っています。

 数年前に猛威を振るった「炭疽病(たんそびょう)」ですが、最近はちょっと落ち着いてきています。当センター担当者の山本さんと私は、「これが簡易検定の効果なのか~!」「カビまみれで頑張った甲斐があった~」と喜んでいたのですが、実はハッキリと分からないので、ちょっとがっかり。近年は台風も来ていないし、雨も少ない、炭疽病まん延の条件がそろっていないだけ、という説もある一方、生産者からは「絶対に効果はある! 今後もお願いします。」という、号泣モノのお言葉も。どのみち、この病気に強い新品種が育成されるまでは、簡易検定や株元灌水で対抗するしかないようなので、カビ臭い葉っぱとの格闘は、まだまだ続きそうです。

 今は簡易検定のシーズンに突入中。今日も山本さんとともに、ばっちりマスクして、のぞんでいます。検定の効果でも天候のおかげでも、どっちでもいいから、今年も炭疽病があまり発生しませんように!


  
左 :炭疽病が発症したイチゴ。枯れます・・・。
右 :私たちが格闘しているカビカビの葉っぱです。お見せするのがためらわれるので、ちょっとボカシときます(逆効果?) 


  
左 :「炭疽病バスターズ(もちろん自称)」のメンバー、山本さん。検体が山積みです~♪
右 :同メンバーの私。カビ対策には気を遣ってます。ちなみにこのチーム、メンバーは2人だけです。がんばります! 

吉原 均

徳島県美波農業支援センターの吉原均です。野菜・作物担当で「きゅうり」、「いちご」、「水稲」、「藍」を担当しています。

沖縄県
照屋清仁

斧を片手に、さとうきび展示ほ調査

2010.03. 3

沖縄の冬は、意外に晴れの日が少なく、日照率は下から数えたほうが早かったような覚えがあります。
そのわずかな晴れ間を狙って、西表島に展示ほ調査に行ってきました。

普及課では、資材や技術の効果を実証するために、農家に協力してもらい、いろいろな作物の展示ほを設置しています。

さとうきびは、現在、奨励品種として農林27号までが登録されていますが、実際に栽培してみないと、現地の環境や土壌に適しているか分かりません。
西表島のさとうきびほ場は、島で普及させる品種を選抜するための展示ほで、今回は収量を調べました。
調査項目は、本数、仮茎長、茎径、ブリックス(糖度)、10本重の5項目です。

さとうきびほ場を見たことがある人は、少ないと思いますが、2~3mあるさとうきびの中に入って、本数を数えるのだけでも、かなり重労働です。
職員2名だけでは辛いので、製糖工場職員に協力してもらいました。4名で調査したのですが、約2時間かかりました。


  
左 :調査するさとうきびを刈り倒しています / 右 :重さを計測中。ここでは腕力が必要です


この栽培試験のデータをもとに、品種の検討をおこないます。
西表島に適した品種が広がり、さとうきび生産が向上することを夢見て、今後も地域と協力して、品種の選抜をおこなっていきます。

照屋清仁

沖縄県中部農業改良普及センターで新規就農、青年農業者を担当している照屋清仁です。新規就農者や青年農業者が安心して農業を続けられるように支援を行っていきたいです。

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