普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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◆2009年11月

北海道
田所由理恵

日高の軽種馬を盛り上げよう!

2009.11.18

季節はあっという間に進み、北国北海道では雪がちらついています。
私の住む日高地域は北海道でも温暖な地域なので、まだ“気分は晩秋”ですが、秋片付けがすすんでいるほ場や、直売に並んでいる漬け物用野菜や、「今年の営業は○○日まで」の案内を見ると、「今年も終わりだな~」としみじみ感じる季節ですね。


ホッカイドウ競馬マスコットキャラクターの「ホクト君」。メンバーが“なりきって”で頑張りました前に紹介しましたとおり、日高地方は、軽種馬生産が盛んな地域です。日高の入口でもある日高町には、北海道の地方競馬「ホッカイドウ競馬門別競馬場」があります。先日そこで、軽種馬生産に係わる女性農業者(日高女性軽種馬ネットワーク:40名)がイベントを行いました。
右 :ホッカイドウ競馬マスコットキャラクターの「ホクト君」。メンバーが“なりきって”で頑張りました


「この秋一番!」と言われる寒波に襲われた11月3日、「軽種馬産業の土台でもある競馬を、自分たちの目線・自分たちで出来ることで盛り上げよう!」と、15名のメンバーが競馬場内に“キッズ・ルーム”を設置しました。

日頃子育てに奔走する世代(子育て終了世代含む)ならではの発想で、「子供を連れて行き、子供と一緒に楽しめる環境の提供を」と、テント内にカーペットを敷き、読み聞かせ・ぬりえ・絵本・ブロック・ミニジャングルジム等を準備。たくさんの人々(子供&大人)が私達のテントを訪れて、大人も子供もそれぞれに楽しく過ごしました。


読み聞かせに子供達は真剣!!見守るお母さん達も嬉しそうでした<br />
  子供に大人気!!「ホクト君」
左 :読み聞かせに子供達は真剣!!見守るお母さん達も嬉しそうでした
右 :子供に大人気!!「ホクト君」


特に好評だったのが、会員による「読み聞かせ」。座る場所がないくらいの盛況ぶりで、子供も大人も声を合わせて“参加”。お話に合わせて、子供(と、大人)達の「おおきくな~れ」「おおきくな~れ」の声はテントの外にも響き、“明るく&賑やか&楽しい オ~ラ”で会場を盛り上げました。

会場を訪れた人達からは「競馬場の中に、子供も楽しめる場があるのはありがたい」「またこのような取組をして欲しい」との声も聞かれました。また、競馬関係者(男性の方)からは「我々にはない発想。提案されて初めて気がつくことも多く、とても参考になり、ありがたい。」と、なかなかの手応え。女性の役割発揮の意味からも、今後の活動が注目される取組となりました。


子供達はぬりえや絵本・ブロックで楽しく過ごしました  テントの外側の飾りつけも工夫して、見た感じにも楽しい雰囲気になりました! ! (^o^) !
左 :子供達はぬりえや絵本・ブロックで楽しく過ごしました
右 :テントの外側の飾りつけも工夫して、見た感じにも楽しい雰囲気になりました! ! (^o^) !

田所由理恵

平成24年から檜山農業改良普及センター所属。25年度に高付加価値に係わる仕事に変わりました。北海道に新幹線が来るのも間近!北海道の入り口で地域農畜産物の付加価値向上に邁進します。

徳島県
吉原 均

藍のある授業風景

2009.11.10

 今回は、徳島ならではの授業風景をご紹介したいと思います。

 先日、藍師の一人、新居修氏を訪ねたところ、「今日は、県内の小学5年生が130人ほど見学に来る。」とのこと。これは良いブログネタが出来た! と思い、見学させてもらうことにしました。

 新居氏の所には、毎年何校かが見学に訪れるそうです。今回の小学校は自分たちで藍を育て、「すくも」を作って藍染めまでしているという本格派。すばらしい、いい経験してるなぁ。
藍師(あいし) :乾燥葉藍から「すくも」と呼ばれる染料を作る技術者


 しばらくすると、大型バス3台が到着。元気よく子供達が飛び出して…と思ったら、何だかスゴイことになっている! そうです、例のインフルエンザ対策で、全員マスク装備。本当にびっくりしました。今、学校では大変なことになっているんですね・・・。

 大勢のマスクボーイズ&ガールズは、新居氏による「すくも」作りの説明を熱心に聞いた後、さまざまな疑問をぶつけていました。
 藍を発酵させるときには、70℃近くまで温度が上がる、という話が出ると「おぉ~」と驚きの声。「すくも作りのコツは?」と尋ねられると、笑いながら「辛抱!」と新居氏。伝統産業の厳しさをやさしく教えていました。
また、「どんな時がいちばんうれしいですか?」と聞かれたときには、「使った人から、いい色が出たよ、と言ってもらえた時」と答え、仕事の喜びを伝えることも忘れません。


新居氏が積み上げた葉藍に水を打ちます。水加減が大切です  切り返します。発酵熱で水蒸気が立ちこめます。奥は息子さん、手前はお弟子さん(写ってませんが・・・) 
左 :新居氏が積み上げた葉藍に水を打ちます。水加減が大切です
右 :切り返します。発酵熱で水蒸気が立ちこめます。奥は息子さん、手前はお弟子さん(写ってませんが・・・) 


作業場ですくも作りの説明。写真や実際の機械を使い、手慣れた様子の新居氏  藍染めの火消し装束を試着。すごくうれしそう
左 :作業場ですくも作りの説明。写真や実際の機械を使い、手慣れた様子の新居氏 
右 :藍染めの火消し装束を試着。すごくうれしそう


 その後、子供たちは「寝床」と呼ばれる葉藍の発酵施設を見学。発酵中の葉藍の山に手を入れて、その温度とにおいを体感していました。


 「すくも作りをずっと伝えてゆきたい。そのために、後継者を育てることに力を入れている。出来るだけ多くの人に、技を伝えたい。」と話す新居氏。子供たちにも、伝統を伝えることの難しさ、大切さが伝わったようでした。
 私にとっても、阿波藍という伝統の継承に少しでも役立ちたい、そう再認識させられる日になりました。


自分で染めたハンカチを新居氏に見てもらいました。新居氏:「おぉ~、上手に出来とるなぁ!」  発酵中の葉藍に手を入れて温度を体感。中心部分は70℃近く。この後みんな「あっちっち~」と手を引っ込めます(笑)
左 :自分で染めたハンカチを新居氏に見てもらいました。新居氏:「おぉ~、上手に出来とるなぁ!」
右 :発酵中の葉藍に手を入れて温度を体感。中心部分は70℃近く。この後みんな「あっちっち~」と手を引っ込めます(笑) 

吉原 均

徳島県美波農業支援センターの吉原均です。野菜・作物担当で「きゅうり」、「いちご」、「水稲」、「藍」を担当しています。

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