普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
   普及指導員とは・・・こちら

RSS

◆2009年3月

愛知県
佐光佳弘

農大の校外学習に立ち会う

2009.03.18

 2月27日、愛知県立農業大学校(以下、農大)の校外学習に立ち会いました。
 農大は農業後継者を育成する学校で、高校を卒業したぐらいの方々が全寮制で学んでいます。机に座っての勉強もありますが、実際にハウスでトマトを栽培したり、トラクタに乗って田んぼを耕したりするなどの実習もたくさんあります。農大を卒業した学生は、自分の家に就農するほか、農業関連の企業に就職するなどしています。


 校外学習は、先進的な農業経営者から話を聞いたり、試験研究機関を視察するなど、学内だけでは学ぶことができないことを学ぶ機会です。今回は、作物専攻の2年生が弥富市鍋田町の(有)鍋八農産を訪ねることになり、農大と鍋八農産との日程調整に関わったことから、この校外学習に立ち会いました。

米の乾燥・調製設備について、鍋八農産の八木社長(左)から説明を聞く農大の学生  とても熱心に八木社長の話を聞いていました
左 :米の乾燥・調製設備について、鍋八農産の八木社長(左)から説明を聞く農大の学生 /
右 :とても熱心に八木社長の話を聞いていました


 鍋八農産社長の八木輝治さんから、経営の概要や現在の取組、経営に対する考え方について説明があった後、米の乾燥・調製施設や精米施設、トラクタなどを見て回りました。授業では聞くことのできない農業経営者の考え方、また見ることができない最新の設備に対して、学生たちはとても熱心に質問していました。

最新の農業機械を見られるのも、校外学習の魅力の一つです
最新の農業機械を見られるのも、校外学習の魅力の一つです


 後継者不足と言われる中、農業の次代を担う若者の育成は、大変重要な課題です。実際に農業経営をされている方から話を聞くことで、学生に農業の魅力が伝わり、将来的に何らかの形で農業に関わってくれるといいなぁと思っています。


(文中の画像をクリックすると大きく表示されます)

佐光佳弘

愛知県海部農林水産事務所農業改良普及課(海部農業普及指導センター)の技術指導グループで、作物担当として仕事しています。 県職員12年目ですが、職場では3番目に若い新米です(職員数は18人)。

長野県
寺戸久美子

お客様に選ばれる商品とは?

2009.03.16

プロの方からデザイン技術ではなく、思いや対象者を明確にすることが一番重要と学びました
 長野県上伊那農業改良普及センター駒ヶ根支所で中川村を担当している寺戸と申します。私が担当している中川村は、県南部の上伊那地域の中でも最南端に位置し、村の中央を南北に天竜川が流れる「日本で最も美しい村」連合に加盟している村です。


 「直売所にたくさんあるりんごジュースの中から、うちのジュースを選んでもらうにはどうすればいいかなぁ?」
 「ラベルや宅配に入れるチラシをもうちょっとうまく作りたい」
など、村を担当して以来、そんな悩みを農家の方からよく聞きます。お客様が商品を選ぶ際には、品質が良いことはもちろん、商品の魅力を高めるためのパッケージデザインが重要なポイントとなります。

 そこで、村では昨年11月から「農産物のパッケージデザインセミナー」というセミナーを開催しています。

ワークショップで受講者の課題を出し合いました


 セミナーでは、「自分が買ってもらいたいもの」が「お客様の欲しいもの」になっているか? といったことを考えたり、魅力的なラベルやチラシを集めて研究したり、自分の悩みをワークショップで話し合いながら、解決策を考えたりしています。また、プロの方からアドバイスを受け、デザインの基本的なことも学んでいます。


 現在、セミナーも終盤になり、我が家の新しいラベル・チラシづくりに向けて、自分の思いや、対象とするお客様、自分の商品の強みや、どのポジションを狙うか、などをまとめています。受講者の皆さんの頭の中は、商品に対する熱い思いがいっぱい詰まっていて、なかなか難しいようです。

 新年度から、村では直売所の移転や、新しい加工施設の建設が始まる予定で、これらにもうまく活用できればと思います。
写真 
右上 :プロの方からデザイン技術ではなく、思いや対象者を明確にすることが一番重要と学びました / 
左下 :ワークショップで受講者の課題を出し合いました

(文中の画像をクリックすると大きく表示されます)

寺戸久美子

長野県上伊那農業改良普及センター駒ヶ根支所で、中川村を担当しています。 村における集落営農のしくみづくりや新規就農者の育成支援を行っています。

岩手県
中森忠義

タヌキにだまされた!?

2009.03.13

 私が勤務する岩手県、現在は住宅地や国道には全く積雪がありませんが、少し山に行くと、下の写真のようにまだまだ雪がたくさん残っており、吹雪となることも、希にあります。



普及活動の移動中にちょっと車を止めて撮影(2009/03/12)


 先日、吹雪の中、メイン業務が一件終わった後の夕方から夜になる時間帯、とある農場に向かって車を走らせておりました。
 真っ暗な上に吹雪でしたから、車のライトはロービームにして、少し速度を落として走行中、あと少しで目的の農場、というところまで来た時、道路を横切る動物が!!!!

 多分、アナグマかタヌキだったことでしょう。
 私はできる限りの急ブレーキをかけ(といってもロックしないよう注意しながら)、適度なハンドル操作で動物を回避しました。
 その動物は、一度道路の真ん中に出てきた後、Uターンして、道路脇に消えていきましたので、無駄な殺生をすることなく済みました。

 ほっとしながら、左折して目的の農場に入ったつもりでしたが、そこは全く知らない場所でした。
 数秒考えて、慌てて一本手前を左折したことに気がつきましたが、これがいわゆる「タヌキに化かされた状態」なのかな、と思いました。
 気をつけて元の道路に戻り、さらに1本奥の道路を左折すると、目的の農場はきちんとありました。


 車のライトでも「狸寝入り」はしなかったので、あの動物はアナグマだったことでしょう。
 「さらに、ゆっくりと安全運転しなさい」というお告げだったのかもしれません。

(文中の画像をクリックすると大きく表示されます)

中森忠義

岩手県中央農業改良普及センターの滝沢村駐在で、主に畜産を担当しております。 本県の畜産は、養豚や養鶏もありますが、主に関わっているのは、酪農経営・黒毛和種(肉用牛)の繁殖経営・日本短角種の振興などです。

埼玉県
鈴木知子

OBに感謝!

2009.03.12

桐敷氏の農場の休憩室でお話を伺う。とても寒い日でした。左:半田氏、中:桐敷氏。

 普及指導員のOBには、退職後も現役時代同様、あるいはさらにパワーアップした普及指導活動に取り組む方がいます。
 花植木担当一筋でキャリアを重ねた半田洋一氏もその一人で、豊富な経験や人脈、磨き抜かれた判断力を携え、現在も多くの農家と連絡を取り続け、指導を行っています。


 先日、半田氏の紹介で、鴻巣市の花農家:桐敷氏を訪問しました。わい化剤を使わなくても徒長しないようになる、新しい育苗方法についてお話を伺うためです。

 たまたま別件で職場に電話をかけてきた半田氏に、実は今、わい化剤を使わずに花壇苗の徒長を防ぐにはどうしたらよいか検討している、と言ったところ、桐敷氏の取り組みを紹介してくれました。桐敷氏から実践的方法を、半田氏からは理論的なお話を聞くことができ、とても興味をそそられました。

 今年は、我々普及指導員もどこかでやってみようと、栽培試験を受けてくれる農家を探しています。
桐敷氏の農場の休憩室でお話を伺う。 とても寒い日でした。 左:半田氏、中:桐敷氏

(文中の画像をクリックすると大きく表示されます)

鈴木知子

埼玉県さいたま農林振興センター普及部の技術普及担当で、主に花植木と経営を担当しています。 埼玉県では女性農業改良普及員の1期生です。 農家と、若手の普及指導員が、夢を持って活動できるように支援していきたいと考えています。

岩手県
中森忠義

普及活動における二番目の楽しみ

2009.03.10

 私たち普及指導員の活動は、農業者や農業者らが属する地域や組織を対象としています。

 普及活動の結果、望ましい変化が確認され、その対象者から「良い情報をもらえました」とか、生産性や経営者の意識・地域の構造などに「良い変化がありました」といった報告の言葉をいただくことは、最も嬉しい瞬間であり、普及指導員をやっていて良かったと感じる時です。

 普及指導員は、全国に約八千人が配置されています。時に都道府県を越え、共通の課題について、情報の共有や、検討を行うことがあります。

 こうした検討会等に参加すると、以前お会いした他県の普及指導員や、試験研究機関の方々との再会の他、新たな出会いや、さらには新たな知見が得られるなどの効果もあり、普及指導員をやっていて良かったと感じることが多くあります。

スライドを用いて説明する筆者  スライドを用いて説明する筆者
スライドを用いて説明する筆者


 この日は、東北農政局が主催する、自給飼料増産を目的としたシンポジウムが開催され、本県の「トウモロコシを中心とした自給飼料増産の取り組み」について発表しました。

 報告に際しては、質問・意見・感想をいただくことが出来、大変良かったほか、やはり以前研修でご一緒した、他県の普及指導員や大学の同窓生などとも会い、情報交換ができました。

(文中の画像をクリックすると大きく表示されます)

中森忠義

岩手県中央農業改良普及センターの滝沢村駐在で、主に畜産を担当しております。 本県の畜産は、養豚や養鶏もありますが、主に関わっているのは、酪農経営・黒毛和種(肉用牛)の繁殖経営・日本短角種の振興などです。

前の5件 1  2  3

上へ戻る

カレンダー

loading ...

みんなの農業広場に戻る

アーカイブ