普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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◆2009年2月

長野県
平谷敏彦

花の審査会続いてコーディネーター

2009.02.13

 長野県上伊那農業改良普及センター駒ヶ根支所の平谷です。昨年4月に着任して一年目、支所長業務に加え、生活、集落営農など不慣れな担当業務に戸惑うことの多い毎日です。
 2月6日(木)は、複数の業務が重なり、大変忙しい1日でしたが、その様子をご紹介します。


 まず最初は、ウインター信州フラワーショーの審査会です。「信州で冬にお花?」と思われるかもしれませんが、今回出品の中心だったアルストロメリアは、本県が全国一の生産量を誇り、なおかつ、その大部分が当上伊那で生産されています。

 当日はダリア、アネモネ、促成花木など、365点が出品され、会場はとても華やいだ雰囲気となりました。
 アルストロメリアの審査を担当しましたが、毎年新品種が次々と導入され、年々花色が鮮やかになってきています。また、最近は大輪系の品種も増え、目を引くようになりました。

 最優秀の関東農政局長賞には、アルストロメリアの「ピンクサプライズ」が選ばれました。鮮やかなピンクの覆輪、生産性も高い期待品種です。

審査会もいよいよ佳境  (最後の順位付け、写真中央が私)  最優秀賞の関東農政局長賞「ピンクサプライズ」
左 :審査会もいよいよ佳境(最後の順位付け、写真中央が私)/ 右 :最優秀賞の関東農政局長賞「ピンクサプライズ」

 
 つづいて3時からは、支所管内4市町村の認定農業者が集まる組織交流会が開催されました。パネルディスカッションのコーディネーターを依頼されており、事前の打合せもあったため、フラワーショーの審査会を中座し、会場に向かいました。
 交流会には関係者も含め80名が参加し、各市町村から推薦された5名がパネラーを務めました。 


認定農業者交流会のパネルディスカッション
認定農業者交流会のパネルディスカッション


 「燃油・肥料等資材高騰対策」「環境にやさしい農業」「地域の担い手育成」の3つをテーマに進行しましたが、それぞれすばらしい経営を確立され、弁も立つパネラーに助けられ、なんとか無事2時間のディスカッションを終えることが出来ました。終わったときには、脇の下にびっしょり汗をかいていました。
 コーディネーターは今回で3回目ですが、パネルディスカッションは、会場で聞いているのが一番ですね。


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平谷敏彦

25年4月から諏訪農業改良普及センター勤務、20年ぶりに戻ってきた職場です。慣れない次長職で事務に追われる毎日ですが、花の現場に出ると元気をもらえます。

埼玉県
鈴木知子

関東東海花の展覧会

2009.02. 9

 毎年この時期に池袋サンシャインシティ文化会館で開催される「関東東海花の展覧会」は、国内最大規模の花の展覧会です。関東東海地域、1都11県の生産者が育てた2000点以上の花が出品され、品質と商品性を競います。

 生産者にとって、この品評会で入賞することは名誉なことであり、最高位の農林水産大臣賞を目指して研鑽を続ける生産者がたくさんいます。


  
入り口付近の装飾展示。今年の当番は東京都であるため、オリンピック誘致など東京都らしい飾り付けが見られました


 品目や品種の動向、有名な産地や、生産者の実力をうかがい知ることができるため、ほとんど毎年視察に出かけています。
 メインの品評会のほか、フラワーアレンジメント教室や即売コーナーもあるため、生産者や農協、普及指導員といった関係者だけでなく、一般消費者も多数来場する、にぎやかなイベントとなっています。
  

キク部門。色・花形ともバラエティ豊か  多数の来場者が見事な花を観賞
左 :キク部門。色・花形ともバラエティ豊か / 右 :多数の来場者が見事な花を観賞


  
会場中央付近に設けられた特別賞コーナー。各部門の上位に入賞した出品物が展示されています。今年は、埼玉県からは農林水産大臣賞が選出されず、残念でした


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鈴木知子

埼玉県さいたま農林振興センター普及部の技術普及担当で、主に花植木と経営を担当しています。 埼玉県では女性農業改良普及員の1期生です。 農家と、若手の普及指導員が、夢を持って活動できるように支援していきたいと考えています。

愛知県
佐光佳弘

家族経営協定書に調印

2009.02. 6

 1月23日、JAあいち海部総合支援センターにおいて、家族経営協定の調印式が行われました。今回調印したのは、弥富市内の7戸の農家です。


家族経営協定調印式には、7戸の農家が出席されました    
家族経営協定調印式には、7戸の農家が出席されました


 「家族経営協定」とは何か知らない方も多いと思いますので、少し説明します。

 農業は、家族労働力主体で営まれているケースが非常に多いです。
 この場合、夫と妻、後継者、後継者の妻などで農作業から金銭管理、家事などを分担することになりますが、暗黙の了解で進められることがほとんどだと思います。

 また、休日や、妻や後継者などの給料については、明確に決められているわけではありません。メリハリのない仕事を続けなくてはならず、意欲が向上しないということがあります。さらに、妻や後継者が、経営主に意見を言うことができないというケースもあります。


   
左 :父と息子が、協定書に署名・捺印しています 右 :協定書には、立会人も署名・捺印しました


 それぞれが意欲を持って、効率的に働けるようにするため、家族の役割、休日や給料などを明確にしたものが、「家族経営協定」です。「家族経営協定」を締結したことによって、自分の家の農業経営について、話し合いができるようになり、経営が伸びたという事例もあります。


 家族経営協定とは何かを農家の方に説明し、どのような項目について、家族で話し合ったらいいかを提案したり、家族間の意見を調整したりしています。



署名・捺印した協定書は額に入れ、立会人から各家族に渡されました
  

 さて調印式では、家族経営協定書に署名・捺印をし、立会人である弥富市農業委員会長、JAあいち海部南部営農センター部長、私が所属する愛知県海部農林水産事務所農業改良普及課長が署名・捺印しました。すべての人が署名・捺印した協定書は額に入れ、それぞれの方にお渡ししました。

 せっかく調印した家族経営協定なので、家族みんなが見ることができる場所に協定書を飾っていただき、仕事の分担などについて話し合うきっかけにしていただきたいと思います。


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佐光佳弘

愛知県海部農林水産事務所農業改良普及課(海部農業普及指導センター)の技術指導グループで、作物担当として仕事しています。 県職員12年目ですが、職場では3番目に若い新米です(職員数は18人)。

長野県
倉田庄一郎

信州飯島町むら夢楽塾

2009.02. 5

 長野県の上伊那農業改良普及センター・駒ヶ根支所で、飯島町を担当している倉田です。

 飯島町は長野県の南部にあり、東に南アルプス、西に中央アルプスを望み、中央に天竜川が流れる美しい町です。集落営農の先進地として、平成「3年度に日本農業賞の大賞を受賞するなど、地域複合営農への取り組みが脈々と続いています、

 今回は、私の担当する長野県飯島町で開催された、農業懇談会「むら夢楽(むら)塾」の様子について紹介します。

 「むら夢楽塾」は、町の農業者が集まり、お互いの交流と、村からの情報発信をしょうと昭和61年から開催され、今年で23回を数えます。
 今年もエコファーマーの認定式が開催され、36名の新エコファーマーが誕生しました。新エコファーマーには、認定番号入り飯島町オリジナルプレートが授与され、町内のエコファーマーは、合計84名になりました。


エコファーマーに交付した飯島町オリジナルプレート。カラマツの間伐材を活用し木目のきれいなプレートです  飯島町を背負う若い農業者の面々、今後に期待します
左 :エコファーマーに交付した飯島町オリジナルプレート。カラマツの間伐材を活用し木目のきれいなプレートです 
右 :飯島町を背負う若い農業者の面々、今後に期待します


 上伊那農業改良普及センターでは、環境にやさしい農業の推進に、エコファーマーの取得を積極的に進めています。今回の飯島町オリジナルプレートは、農業者の環境意識を高める良い取り組みだと思います。

 そのほか、タレント辻イトコさんを迎えた「みかん農家のおばちゃんから、元気の出前」と題した講演会では、元気をもらいました。パネルディスカッション「若けえ衆がんばってるに」では、若手農業者たちが、農業後継者の本音を語り合いました、彼らの今後の活躍が期待されます。

 なお、飯島町の農業情報はこちらをご覧ください。


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倉田庄一郎

長野県農業改良普及センター駒ヶ根支所で飯島町を担当しています。 現在環境にやさしい農業を推進し、減農薬・減化学肥料での水稲栽培試験を現地で実施しています。

徳島県
吉原 均

いちご炭疽病と闘う日々

2009.02. 3

 今回は「いちご」の話題です。
 近年、いちごの栽培現場では、炭疽病(たんそびょう)という病気が、深刻な被害をもたらしています。この病気に罹った株から苗を取っていると、後になってそのほとんどが枯れてしまうという厄介な病気です。


炭疽病に罹ったいちご  これが憎き炭疽病菌
左 :炭疽病に罹ったいちご / 右 :これが憎き炭疽病菌 


 そのため徳島県では、苗を取るための親株(おやかぶ)の感染を診断する方法として、以下のような方法を行っています。

 葉を1株から3枚以上取る。
 →水道水で汚れを流す。
 →水を含ませた新聞紙と葉をビニール袋に入れ、輪ゴムで封じる。
 →28℃に保って約2週間培養後、炭疽病に罹っていれば葉に鮭肉色の点々が見えるので、その株は廃棄する。


袋詰めできた状態。インキュベーターで2週間おきます  カビカビになった葉に、顔を近づけて丁寧に調べます。写真は相方の山本さん
左 :袋詰めできた状態。インキュベーターで2週間おきます / 右 :カビカビになった葉に、顔を近づけて丁寧に調べます。写真は相方の山本さん 

インキュベーター :恒温器。温度を一定に保つための入れ物。


 袋詰めまでは生産者が行い、普及指導員が培養、判定しています。一戸あたり数百の検体が持ち込まれ、年間検定数が9,000に達した年もあります。

 検定中は換気していても部屋中にカビ臭が漂って、すばらしい仕事環境に・・・。
 我がセンターでは、担当している私と相方の2人が立て続けに急性副鼻腔炎とちくのうになるという事態が起きましたが、前任者は何故か平気だったということなので、この仕事との因果関係は不明です!? 今ではマスクが検定時の標準装備となっています。

 このように炭疽病との戦いは、色とりどりにカビた葉(精神的苦痛?)とカビ臭(肉体的苦痛?)との戦いなのです。がんばります!


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吉原 均

徳島県美波農業支援センターの吉原均です。野菜・作物担当で「きゅうり」、「いちご」、「水稲」、「藍」を担当しています。

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