いちご炭疽病と闘う日々
2009.02. 3
今回は「いちご」の話題です。
近年、いちごの栽培現場では、炭疽病(たんそびょう)という病気が、深刻な被害をもたらしています。この病気に罹った株から苗を取っていると、後になってそのほとんどが枯れてしまうという厄介な病気です。
そのため徳島県では、苗を取るための親株(おやかぶ)の感染を診断する方法として、以下のような方法を行っています。
葉を1株から3枚以上取る。
→水道水で汚れを流す。
→水を含ませた新聞紙と葉をビニール袋に入れ、輪ゴムで封じる。
→28℃に保って約2週間培養後、炭疽病に罹っていれば葉に鮭肉色の点々が見えるので、その株は廃棄する。
左 :袋詰めできた状態。※インキュベーターで2週間おきます / 右 :カビカビになった葉に、顔を近づけて丁寧に調べます。写真は相方の山本さん
※インキュベーター :恒温器。温度を一定に保つための入れ物。
袋詰めまでは生産者が行い、普及指導員が培養、判定しています。一戸あたり数百の検体が持ち込まれ、年間検定数が9,000に達した年もあります。
検定中は換気していても部屋中にカビ臭が漂って、すばらしい仕事環境に・・・。
我がセンターでは、担当している私と相方の2人が立て続けに急性副鼻腔炎とちくのうになるという事態が起きましたが、前任者は何故か平気だったということなので、この仕事との因果関係は不明です!? 今ではマスクが検定時の標準装備となっています。
このように炭疽病との戦いは、色とりどりにカビた葉(精神的苦痛?)とカビ臭(肉体的苦痛?)との戦いなのです。がんばります!
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