普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
   普及指導員とは・・・こちら

RSS

◆2009年1月

愛知県
佐光佳弘

大豆の検査に出会う

2009.01. 7

 12月の半ば、大豆の収穫が盛んに進められていました。収穫された大豆は、所定の水分状態まで乾燥させた後、選別機によって大粒、中粒、小粒などに分類されます。選別はJAの施設内で、JA所有の選別機を使って行われます。選別の現場に行くと、おおよその大粒比率や収量、病害虫の発生状況等が分かるので、よく足を運んでいます。

 12月16日、選別の現場に行ったところ、すぐそばで大豆の検査が行われていると聞きました。検査の様子を見ることはあまりないので、さっそく顔を出してみました。

検査会場にずらりと並べられた大豆  
検査会場にずらりと並べられた大豆


 検査会場には、袋詰めされた大豆がたくさん並べられていました。検査では、検査員が袋の中から大豆を取り出し、汚れた豆や変形豆の混入具合等から、1等、2等などに区分します。この検査の結果も、次作の対策を立てるのに有効なデータとなります。検査の結果が出そろったら、JAの担当者と一緒に分析し、より安定した大豆生産を目指して、対策を考えていきます。


袋の中から大豆を取り出し、検査員が実際に豆を見て検査します  見せていただいた大豆は、とてもきれいでした
左 :袋の中から大豆を取り出し、検査員が実際に豆を見て検査します
右 :見せていただいた大豆は、とてもきれいでした


(文中の画像をクリックすると大きく表示されます)

佐光佳弘

愛知県海部農林水産事務所農業改良普及課(海部農業普及指導センター)の技術指導グループで、作物担当として仕事しています。 県職員12年目ですが、職場では3番目に若い新米です(職員数は18人)。

埼玉県
鈴木知子

三相分析をする

2009.01. 6

 以前、「土壌診断をする」と題して土壌化学性の分析について書きましたが、今回は鉢物用土の物理性分析についてです。

 鉢物の根は、鉢の中という限られた環境の中で、水や養分を吸収するだけでなく呼吸もしています。土壌の保水性が良いと水やりの労力の軽減ができ肥料のもちも良いですが、通気性も確保しないと根が酸素を吸えなくなり根腐れします。保水性、透水性、通気性といった物理的性質は、土壌の中の固相(土)、液相(水)、気相(空気)の容積割合である三相組成と関係が深いので、その分析をしてみました。

採取した土壌をポットに入れる。土壌表面までの容積を100%とする  土壌表面まで水を入れたあと、30分の間に鉢底から落ちる水の割合が気相率
左 :採取した土壌をポットに入れる。土壌表面までの容積を100%とする / 右 :土壌表面まで水を入れたあと、30分の間に鉢底から落ちる水の割合が気相率


 鉢物用土の三相組成は、使用資材の種類や割合を良く反映しています。安価に入手できる赤土の割合が高いと、重くて通気性の悪い土になってしまいます。堆肥などの有機物が多いと、比較的大きな隙間ができて気相率が高くなります。鉢物苗物生産者に対しては、有機物の割合を増やして保水性、透水性、通気性が良い土を作ろう、作業性も考えてあまり重くない土を作ろうと呼びかけてきています。目標は気相率10~20%の土壌です。写真に写っている土壌は気相率12%、合格でした。

 物理性と化学性、両方がよい状態でないと良い土壌といえません。また、コストも考えなくてはいけません。土壌は難しく、奥が深いです。


(文中の画像をクリックすると大きく表示されます)

鈴木知子

埼玉県さいたま農林振興センター普及部の技術普及担当で、主に花植木と経営を担当しています。 埼玉県では女性農業改良普及員の1期生です。 農家と、若手の普及指導員が、夢を持って活動できるように支援していきたいと考えています。

愛知県
佐光佳弘

コムギ、出芽は順調

2009.01. 6

 12月も半ばになると、コムギが出芽したほ場が増えてきました。初めに出芽してきたのは、11月中下旬から種まきをした「イワイノダイチ」です。種まきは、24~30cm間隔で、すじ状に行います。そのため、コムギが出芽したほ場では、緑の線(条)がたくさん現れます。暖冬と言われているので出芽が早いかと思いましたが、種まきから出芽までおおむね2週間で、平年並みでした。


芽が出てきたコムギ栽培ほ場  コムギの芽がそろって出ています
左 :芽が出てきたコムギ栽培ほ場 / 右 :コムギの芽がそろって出ています

 コムギが出芽してくると、展示ほ場の出芽数の調査が始まります。12月15日を皮切りに、順次調査を進めています。今回、出芽数調査は、1mの間に生えているコムギの芽の数を数えました。出芽がそろっており、まだ分げつも出ていないので数えやすいです。

 今後、「農林61号」の出芽数調査も実施していきます。このようにして集めたデータは、収量調査の結果とともに栽培技術の改善に活用します。

出芽数は、1mの間に生えている芽の数を数えました
出芽数は、1mの間に生えている芽の数を数えました


(文中の画像をクリックすると大きく表示されます)

佐光佳弘

愛知県海部農林水産事務所農業改良普及課(海部農業普及指導センター)の技術指導グループで、作物担当として仕事しています。 県職員12年目ですが、職場では3番目に若い新米です(職員数は18人)。

埼玉県
鈴木知子

試験場に検査を依頼

2009.01. 5

 農家から植物の病気や害虫の診断を依頼された場合、見ただけでわかるものはその場で回答し対策を指導します。
 よくわからない場合(よくわからないことが結構多い・・・)は持ち帰って調べた上で回答します。書物やインターネットですぐにわかることもあれば、1日~数日ビニール袋に入れて培養し、増殖したカビを顕微鏡で観察して判断することもあります。それでもわからない場合は、試験場に診断を依頼します。


 先日、キク農家から、「生育が悪いのか草丈が低い株があるのだけど・・・。」との相談を受けました。
 キクには、ウイルスより小さい植物病原体・ウイロイドによるわい化病という病気があります。もしかしたらウイロイドに感染しているかもしれない、そうだとしたら試験場に検定を依頼するしかないと考え、サンプルとなる株を採取して早速試験場へ持参したところ、県農林総合研究センター生物機能担当の平野専門研究員が対応してくれました。


ハウスの中で育つキク。ここは順調  生育が劣る株を調べる平野専門研究員。 県農林総合研究センター園芸研究所にて
左 :ハウスの中で育つキク。ここは順調 / 右 :生育が劣る株を調べる平野専門研究員。 県農林総合研究センター園芸研究所にて
   

 数日後、検定結果がメールで届きました。お願いしたウイロイドだけでなく、主要な病害のウイルスについても検定を行っていただき、全て陰性(病気ではない)とのことでした。
 農家に連絡したところ、おそらく親株の選抜が悪くて草丈の低い系統の苗が混ざったのだろうと納得してもらいました。


(文中の画像をクリックすると大きく表示されます)

鈴木知子

埼玉県さいたま農林振興センター普及部の技術普及担当で、主に花植木と経営を担当しています。 埼玉県では女性農業改良普及員の1期生です。 農家と、若手の普及指導員が、夢を持って活動できるように支援していきたいと考えています。

前の5件 1  2  3

上へ戻る

カレンダー

loading ...

みんなの農業広場に戻る

アーカイブ