普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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◆2009年1月

埼玉県
鈴木知子

4Hクラブの研究大会準備

2009.01.21

4Hクラブとは、若い農業者が所属して、仲間づくりや情報交換、地域活動や研究活動、時にはレクリエーションなども行う集団です。
 管内には安行、さいたま、岩槻、新座の4つのクラブがあります。いずれもこれからの地域・農業の担い手であるため、重点的な指導対象となっています。

 毎年1月下旬に、各クラブの1年間の研究活動を発表する、青年農業者研究大会が開催されます。
 安行4Hクラブからは、「ヒメイワダレソウを活用した雑草抑制について」を発表します。パワーポイントを使った発表を行うためには、パソコンを使った資料作成や発表の練習が必要です。

原稿を読む発表者(右)と、パソコンの操作をする補助者。補助者は来年の発表者になる
原稿を読む発表者(右)と、パソコンの操作をする補助者。補助者は来年の発表者になる

 発表者の坂口さんと補助者の吉澤さんには何度か普及部に来てもらい、担当の佐藤普及指導員が一緒に準備を進めていましたが、任期切れで昨年10月に退職したため、最後の仕上げと練習を私が手伝いました。

 各普及部で行われる研究大会は、県大会への予選を兼ねています。どんな結果になるかか、楽しみです。


スライドをスクリーンで確認しながら発表の練習  発表者と一緒に原稿の推敲を行う
左 :スライドをスクリーンで確認しながら発表の練習 / 右 :発表者と一緒に原稿の推敲を行う


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鈴木知子

埼玉県さいたま農林振興センター普及部の技術普及担当で、主に花植木と経営を担当しています。 埼玉県では女性農業改良普及員の1期生です。 農家と、若手の普及指導員が、夢を持って活動できるように支援していきたいと考えています。

blog_hukyu_yoshihara_f.jpg 徳島県
吉原 均

仕事始めは

2009.01.13

 初めまして。徳島県鳴門藍住農業支援センターの吉原と申します。どうかよろしくお願いいたします。

 私の2009年最初の仕事は、「藍」から始まりました。
 徳島県立農業研究所からメールで、「他県の図書館から、藍畑と藍玉(あいだま)の写真を送って欲しいと頼まれたのだが、持っていないか?」との問い合わせが。かつて藍の研究をしていて、研究所HPの藍に関する部分も作った関係で、今でも全国から色々な問い合わせがあるのです。


女性グループの藍染め研究会で講演させていただいた事もあります  長葉の品種「小上粉(こじょうこ)」、草丈は60cm位。丸葉や縮葉の品種もあります
左 :女性グループの藍染め研究会で講演させていただいた事もあります。
右 :長葉の品種「小上粉(こじょうこ)」、草丈は60cm位。丸葉や縮葉の品種もあります。

     

 藍と言えば徳島の歴史、日本の文化を語る上で欠かせない作物です。
 かつて徳島では15,000ha(1903年頃)も栽培され、作られた染料は全国に出荷されていました。まさに「ジャパンブルーのふるさと」だったのですね。

 残念ながら、今ではわずか20ha程が残るのみです・・・。しかし最近では天然染料の良さが見直されつつあり、また藍が含有する機能性成分の研究が進み、皮膚炎の治療薬等への利用で注目されるなど、新たな需要も起きつつあります。


 話を戻しましょう。私はメールに答えるべく、写真を探すことにしました。
 しかし一つ問題が。「藍畑」の写真はたくさんあるのですが、「藍玉」の写真が無い!藍玉とは、染料である「すくも」を搗き固めて作った塊の事ですが、現在は製造されていないシロモノ。これは困った・・・。このままでは県庁一の藍博士(自称です)のプライドが許さない、と。そこで藍住町歴史館「藍の館」に行き、副館長の阿部氏にお話ししたところ、快く応じていただき、「藍玉」の写真を撮影出来ました。その後阿部氏とひとしきり藍談義。改めて藍に関する現状と課題を確認する機会となりました。


「藍の館」中庭。昔の「藍こなし」と呼ばれる作業を表した像。現在でも炎天下に行われる藍の収穫作業は過酷です   藍染め体験用の染色槽。液の色は青ではなく褐色。なぜ青く染まるのかは前述の農業研究所HPをご参照下さい。
左 :「藍の館」中庭。昔の「藍こなし」と呼ばれる作業を表した像。現在でも炎天下に行われる藍の収穫作業は過酷です。
右 :藍染め体験用の染色槽。液の色は青ではなく褐色。なぜ青く染まるのかは前述の農業研究所HPをご参照下さい。


「すくも」 :藍の葉を堆肥状にしたもの。すくも造りは色素indigotinを 濃縮する為の作業です。   これが「藍玉」。すくもに砂を混ぜて搗き固めた物

左 :「すくも」 :藍の葉を堆肥状にしたもの。すくも造りは色素indigotinを 濃縮する為の作業です。 
右 :これが「藍玉」。すくもに砂を混ぜて搗き固めた物。


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吉原 均

徳島県美波農業支援センターの吉原均です。野菜・作物担当で「きゅうり」、「いちご」、「水稲」、「藍」を担当しています。

愛知県
佐光佳弘

これが最後の『オペコン』

2009.01. 9

 12月19日、海部津島農業機械技能者連絡協議会(以下、オペ協)主催の「農業機械技術コンクール(以下、オペコン)」が開催されました。
 オペ協は海部地域の水田作オペレーターで構成されている組織で、トラクタ作業の効率や精度、安全運転技術の向上、水田作に関する知識(栽培技術や農政など)の習得、情報交換等を目的としています。


競技の様子。たくさんのトラクタが一度に水田を耕します
競技の様子。たくさんのトラクタが一度に水田を耕します


 オペコンはオペ協最大の行事で、設立以来30年、ほぼ毎年実施されてきました。
 内容は、トラクタによる耕起作業のスピードと精度を競うもので、約600㎡を13分以内に耕起します。オペコンのおかげで会員の運転技術は向上し、海部地域の水田作オペレーターの信頼性は上がっていきました。

 しかし近年、トラクタ作業の技術よりも、稲・小麦・大豆の栽培技術に関心を示す会員が増えたこと、小麦の種まきの時期と重なるため、小麦作を行っている会員は、準備も含めてオペコンに参加しづらいことなどにより、オペコンは今回をもって最後となってしまいました。


 最後となったオペコン当日は、会員や関係者など、70人以上の人が集まりました。
 40人ほどの会員が競技に参加し、経験年数等によりA級、B級、C級の3階級に分けて競技が行われました。多いときには、1枚の水田で7台ものトラクタが耕起作業をすることとなり、その光景はまさに圧巻でした。作業時間や耕し深さ、耕し具合を見て審査し、それぞれの級の優勝者には、立派な優勝旗が贈られました。

トラクタが耕した深さを測っているところ  優勝者には優勝旗が贈られました
左 :トラクタが耕した深さを測っているところ / 右 :優勝者には優勝旗が贈られました


 農業改良普及課は、オペ協の設立以来、その活動をずっと支援してきました。オペコンに代わる行事については、これから内容を詰めていくことになりますが、有意義な行事となるよう、会員の皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。


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佐光佳弘

愛知県海部農林水産事務所農業改良普及課(海部農業普及指導センター)の技術指導グループで、作物担当として仕事しています。 県職員12年目ですが、職場では3番目に若い新米です(職員数は18人)。

埼玉県
鈴木知子

「農業技術の匠」に選定!

2009.01. 9

 今年度から農林水産省が、地域活性化に資する現地創造型技術を有する農業者を「農業技術の匠」に選定する制度を始めました。全国で28人が選定され、さいたま農林振興センターが推薦した川口市「安行小梅園」の園主・小櫃敏行氏も選ばれました。

「農業技術の匠」に選定された安行小梅園の小櫃敏行氏  取り木養成中のモミジ(獅子頭)
左 :「農業技術の匠」に選定された安行小梅園の小櫃敏行氏 / 右 :取り木養成中のモミジ(獅子頭)


 小櫃氏は植木の産地として有名な川口市安行で、盆栽の生産を行っています。
 植物の生理生態を熟知した上で、台木の地際に短い穂木を接いで、丈の低い盆栽を生産する方法を確立したり、植木で行われている「根回し」の技術を取り木技術に取り入れたりして、今日人気が高い小品盆栽の生産技術を確立したことが評価されました。


 後継者の敏文氏は、昨年度の普及計画の対象者で、害虫防除方法について、一緒に検討を行った経緯があります。
 敏文氏を何度も訪問するうちに、父・敏行氏の優れた盆栽生産技術、地域での高い評価を知りました。この生産者・技術を表に出す機会がないか・・・と考えていたところ、農業技術の匠という制度ができたため、今回推薦させてもらった次第です。


育成中の赤花八重サンザシ  
左 :育成中の赤花八重サンザシ / 右 :センチュウの調査を行う小櫃敏文氏 


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鈴木知子

埼玉県さいたま農林振興センター普及部の技術普及担当で、主に花植木と経営を担当しています。 埼玉県では女性農業改良普及員の1期生です。 農家と、若手の普及指導員が、夢を持って活動できるように支援していきたいと考えています。

岩手県
中森忠義

畜産経営における機械の導入について

2009.01. 8

 現在の畜産経営においては、数万円程度のものから、数千万円するものまで、様々な機械が利用されています。
 このブログでも一度、「細断型ロールベーラ」という飼料の収穫機械の利用について記載をしました。
 畜産経営における機械利用は、大規模な経営を行い、かつ省力的な作業のためには、極めて有効な手段です。

 一方、機械の利用には、コスト増や従来の作業体系の変更など、様々なデメリットがある場合もあり、導入条件や導入後の経営試算を行う必要があります。
 また、機械導入後に、当初計画どおりの能力が発揮できない場合もあることから、導入後の活用方法について、普及指導員が技術支援を行うこともあります。


 酪農経営においては、搾乳(=いわゆる乳しぼり)作業を人に代わって行う「搾乳ロボット」が一部農場で導入され始めており、その利用者らを対象とした現地検討会を開催しました。

搾乳ロボット。牛の前肢と腹が見えています  ただいま順番待ち中。
左 :搾乳ロボット。牛の前肢と腹が見えています。牛が中に入ると、ロボットは個体を識別し、ブラシで乳頭を洗浄後、記録された乳頭の配置情報をもとに、4本の乳頭の位置を確認しながら、ミルカー(搾乳機械)を装着します。搾乳が終了するとゲートが開き、牛は自分で退出します。
右 :ただいま順番待ち中。


 検討会では、各経営の課題やロボットの稼働状況などを紹介し、今後協力して解決すべき課題を確認したほか、試験研究機関での最新の情報(=研究成果)についても検討しました。



概要説明の後、牛や牛舎・機械を見ながら、参加者・農場主らで検討を行います。この後は、会議室に移動して研修会を行いました。


 私たち普及指導員は、既に機械を導入している方々が、より効率的に機械を利用できるよう支援するほか、導入を検討している方々が正しい判断ができるよう、情報を提供するなどの支援を行います。また、必要に応じて、試験研究機関での試験研究の実施を働きかけます。

 本県の畜産研究所にも搾乳ロボットが導入されており、1,200戸ある酪農家のうち、9戸に10台の搾乳ロボットが導入されています。


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中森忠義

岩手県中央農業改良普及センターの滝沢村駐在で、主に畜産を担当しております。 本県の畜産は、養豚や養鶏もありますが、主に関わっているのは、酪農経営・黒毛和種(肉用牛)の繁殖経営・日本短角種の振興などです。

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