普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
   普及指導員とは・・・こちら

RSS

◆2008年11月

岩手県
中森忠義

畜産分野を担当する普及指導員の業務

2008.11.20

 畜産分野を担当する普及指導員の業務として、主に家畜のエサとなる作物(牧草やトウモロコシ・ソルガム)の栽培とその利用に関する仕事の話題を多く書いてきました。

 これ以外にも、「エサをどのように貯蔵し給与すると、牛を健康的に効率的に飼えるのか」、「病気にならない牛の飼い方(この分野は一部獣医さんと連携する場合もあります)」、さらには、「費用がかからず効率的に作業ができ、牛も快適な牛舎の設計」などに関する活動も、少なからずあります。


 また、牛舎も含め、経営規模を拡大する際の資金の相談や、後継者に関する相談、また、糞尿の処理に関する相談まで、その活動分野は大変幅広くなっています。

 昨年来相談を受けてきた、黒毛和種の繁殖経営農場の新しい牛舎が完成し、一定期間が経過しましたので、その後の様子を伺いに行ってきました。


  
左 :牛(親牛)は寒さに強いので、この牛舎には壁がありません。右側は農場の経営主と話しをする同僚普及指導員。
右 :牛たちは普段、フリーにされていますが、人工授精(種付け)や発情の観察時には、この連動スタンチョンで保定されます。


 牛舎を使ってみて、不便な点が僅かですがありましたので、その対応策を検討しました。
 また、その事項については、普及指導員間で共有し、次の牛舎設計の支援に活用します。


(文中の画像をクリックすると大きく表示されます)

中森忠義

岩手県中央農業改良普及センターの滝沢村駐在で、主に畜産を担当しております。 本県の畜産は、養豚や養鶏もありますが、主に関わっているのは、酪農経営・黒毛和種(肉用牛)の繁殖経営・日本短角種の振興などです。

埼玉県
鈴木知子

土壌診断をする

2008.11.18

 施肥量の決定や生育不良の原因究明のために、必要に応じて、土壌中の肥料成分量を測定することがあります。

 精度を追求すると、土壌を乾燥させたり薬液で成分を抽出したりする必要があるので時間と手間がかかります。最近では、手軽に持ち運べる機器や試験紙を用いて診断する方法の開発が進み、現場で簡易診断ができるようになってきました。

高価な据え置き型の土壌診断機器。精密な測定ができる
高価な据え置き型の土壌診断機器。精密な測定ができる.


 生育がよくないから見に来て欲しいとか、そろそろ追肥をやった方がいいか判断して欲しいなどと言われた場合、管理状況を見聞きした上で、pH、EC、硝酸態窒素などを簡易診断します。機器の数値や試験紙の色を一緒に確認してもらうと、肥料のやりすぎや偏りなどが、すんなり納得してもらえます。簡易診断で判断できない時は、更に石灰、苦土、カリ、リン酸など項目も加えて実験室で測定することになります。目的や分析対象成分に応じて方法を使い分けています。


  
水で土壌中の窒素を抽出し、試験紙の色でおよその濃度を知る。簡易診断法。


(文中の画像をクリックすると大きく表示されます)

鈴木知子

埼玉県さいたま農林振興センター普及部の技術普及担当で、主に花植木と経営を担当しています。 埼玉県では女性農業改良普及員の1期生です。 農家と、若手の普及指導員が、夢を持って活動できるように支援していきたいと考えています。

岩手県
中森忠義

ソルガムの別な場面での活用

2008.11.18

 ソルガムの収穫実演会の準備をしているときのことです。
 今回実証に使ったソルガムは穂が出ないタイプです。しかし、交配が旨くいかなかった個体でしょうか、時折出穂しているものがあります。

出穂したソルガム
写真 :出穂したソルガム


 隣のほ場で豆刈りをしていた女性から、その穂を3本欲しいのだけれど、と声をかけられました。
お正月の飾り(生け花?)に使ってみたい、とのことでした。

 収穫ロスと比較すると遙かに少ない量でしたので、ほ場の管理者には事後承諾することとし、穂の部分だけ刈り取って差し上げました。

 もう正月の準備をする時期が近いのですね。


(文中の画像をクリックすると大きく表示されます)

中森忠義

岩手県中央農業改良普及センターの滝沢村駐在で、主に畜産を担当しております。 本県の畜産は、養豚や養鶏もありますが、主に関わっているのは、酪農経営・黒毛和種(肉用牛)の繁殖経営・日本短角種の振興などです。

長崎県
尾崎哲郎

婦人パワーでがんばるハウスニラ作り!

2008.11.10

 11月5日にニラ部会の現地検討会および販売反省会が開催されました。
壱岐地域のニラはアムスメロンとの輪作が特徴です。また、山口部会長以外はすべて女性であり、やや年齢が高い方々が多いようです。

熱心に質問される婦人たち

 昨年は1月に中国産ぎょうざ事件により、一時的にびっくりするような高値があったもののその後は落ち着き、結果としては昨年より束(100g)あたり+10円で販売が終了しました。写真 右:熱心に質問される婦人たち 


 長崎県での標準的なニラハウス栽培は3月に種まきをし、6月には圃場に植え付け、10月末までに株養成(ニラの茎葉を増やす:分けつ数を多く確保する)し、10月末に茎葉を刈り取ってマルチ、その後、ハウスの保温(ビニル被覆)を行い、6月まで収穫を行います。

 壱岐はメロンとの組み合わせにより、定植時期が7月と遅くなり、株養成期間が約1ヶ月ほど短くなります。株のでき具合を判断する方法として、分げつの数を参考にし、多い方で約40本程度、少ない方で約25本程度と開きがありました。


 今年は梅雨明けが早く、夏場からの高温により「さび病」の発生が目立ちました。
 1回刈り取って、その後伸びた茎葉にも発生が確認され、株養成中の防除不備が解りました。また、メロンとの組み合わせでハウス土壌中に肥料が溜まっており、恐らくニラにとっては肥料過多の条件になり、今年のように夏場の高温では、かん水を十分行っていないと、根が張らずに肥料が効いていない状態となり、さび病の発生、茎葉が軟弱になり倒伏してしまい、刈り捨て時期を早めなければならない状況に陥ったと思います。

新しい葉にも発生しているさび病  現地巡回結果による総評。 この後は酒を交えての意見交換
左 :新しい葉にも発生しているさび病 / 右 :現地巡回結果による総評。 この後は酒を交えての意見交換  


 最後に、ごちそうを目の前にして、現地巡回で明らかになったことを確認し、次年度はメロン作付前とニラの定植前に土壌分析を実施し、適正施肥により病気を出さない、茎葉を倒さないようにすることで、品質および販売量のアップに努めることにしました。


(文中の画像をクリックすると大きく表示されます)

尾崎哲郎

長崎県壱岐地方局壱岐農業改良普及センターの技術課で野菜を担当しています尾崎哲郎といいます。離島ならではの普及活動や普及指導員としての苦労など紹介できれば幸いです。

愛知県
佐光佳弘

大豆の収穫が近づいてきました!

2008.11. 7

 10月も下旬になり、大豆の葉が黄色くなって落ち始めました。
 葉が完全に落ちて、さやの中の豆が「カラカラ」と音がするまで乾燥すると、大豆の収穫が始まります。

落葉が始まり、倒伏状況が分かりやすくなりました
写真 :落葉が始まり、倒伏状況が分かりやすくなりました 


 海部地域では「フクユタカ」という品種が栽培されており、豆はおもに豆腐として使用されています。
 肥よくで湿潤な土壌のおかげで大豆の生育は良好ですが、時として伸びすぎ、倒れてしまって収穫できなくなることがあります。また台風が来ると、倒伏や冠水によって収量が激減してしまうので、毎年の収量を安定させることが大豆作の課題です。この対策の一つが先日のブログで紹介した摘心技術です。

摘心したところでは、倒伏していませんでした
写真 :摘心したところでは、倒伏していませんでした 


 早いところでは、あと1か月くらいで収穫が始まると思います。今後は豆が乾燥していくのを待つだけですので、このまま無事に収穫できることを祈っています。

(文中の画像をクリックすると大きく表示されます)

佐光佳弘

愛知県海部農林水産事務所農業改良普及課(海部農業普及指導センター)の技術指導グループで、作物担当として仕事しています。 県職員12年目ですが、職場では3番目に若い新米です(職員数は18人)。

前の5件 1  2  3

上へ戻る

カレンダー

loading ...

みんなの農業広場に戻る

アーカイブ