普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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◆2008年9月

長崎県
尾崎哲郎

壱州にんにく産地の復活をめざして!

2008.09.17

 壱岐は古くはにんにくの産地であり、最盛期は約80haほどあったと聞いています。知る人ぞ知る、「壱州早生」、「壱州ホワイト」の発祥地であります。

 現在の普及センター、JA壱岐市営農センターほかの敷地は、かつて長崎県農業試験場壱岐分場がありました。そこでにんにくの育成が行われ、西南暖地を代表する2品種が誕生しました。


 にんにくは、出荷調整に労力がかかること、生産者の高齢化、価格低迷などにより、産地としての規模は縮小し、ほとんど消えかかるほどでした。
 しかし、今年の1月末に発生した中国産ギョウザ事件で販売が好転し、びっくりするような単価で、生、乾燥にんにくともに販売ができ、JAへの業者の引き合いが強く、21年産については作付け推進を図りました。


 9月3日(水)、にんにく栽培講習会を開催したところ、例年の倍以上の参加があり、びっくりしました。

 JA壱岐市の長岡課長から、「加工業者からも注文があり、ぜひ、産地復活を目指したい」と力強いあいさつがあり、種子のりん片はずし、種子消毒、植え付け、収穫時期の判断、出荷調製方法など初心者向けに時間をかけて丁寧に講習を行いました。皆さん、大変、真剣に耳を傾けており、説明にも熱が入りました。

例年になく参加者の多かった講習会


 最後に、昨年度、普及が仕掛けた葉にんにく栽培についても紹介し、ぜひ、今年は小さいりん片(くず種)を活用し、葉にんにくを作ったらどうか、また、ぜひ食べておいしさを知ってほしいと呼びかけました。

 個人的には、葉にんにくは軽量で、市場等ではまだ認知度が低いので、宣伝いかんでは大変おもしろい商材だと思っています。なんとか成功させたいという一念です。

昨年度に普及で取り組んだ葉にんにく展示圃  JAの四季菜館で試験販売
写真 左:昨年度に普及で取り組んだ葉にんにく展示圃 / 右:JAの四季菜館で試験販売


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尾崎哲郎

長崎県壱岐地方局壱岐農業改良普及センターの技術課で野菜を担当しています尾崎哲郎といいます。離島ならではの普及活動や普及指導員としての苦労など紹介できれば幸いです。

愛知県
佐光佳弘

普及指導員研修で、病害虫の撮影方法を学ぶ

2008.09.16

 9月9日、県内の普及指導員を対象とした研修に参加しました(研修参加は本年度2度目)。研修のタイトルは「病害虫データマネジメント研修」でした。


 午前中は「病害虫の写真撮影方法」で、写真撮影が上手な県庁職員が講師となり、病害虫の写真撮影のコツを教えてもらいました。その後、研修会場の周りで病害虫を探し、各自デジカメで撮影しました。その写真を講師に見てもらい、問題点などを指摘してもらいました。

 私は害虫の写真を撮りましたが、接写機能が乏しいデジカメで撮影したので、デジカメの画面では何が撮れているのかよく分かりませんでした。しかし、パソコンで再生したところ、何とか害虫の特徴が分かる写真が1枚撮れていて、ホッとしました。


実習として害虫や病気の写真を撮りました   撮影した写真をパソコンに取り込み、見てもらいました
写真 左:実習として害虫や病気の写真を撮りました / 右:撮影した写真をパソコンに取り込み、見てもらいました


 午後は、「インターネットを使った情報収集方法」として、私たちの仕事に活用できるさまざまなサイトを教えてもらいました。

 日ごろ、このような話を聞く機会はほとんどありません。そのため、自分の仕事の仕方を見直したり、レベルアップさせたりするには、研修はありがたいものだと思っています(忙しいときには勘弁してほしいと思いますが…)。


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佐光佳弘

愛知県海部農林水産事務所農業改良普及課(海部農業普及指導センター)の技術指導グループで、作物担当として仕事しています。 県職員12年目ですが、職場では3番目に若い新米です(職員数は18人)。

長崎県
尾崎哲郎

収穫作業に汗を流す先生たち(農業体験学習)

2008.09.12

汗だくで収穫する若い先生

 将来を担う子供たちが農業に対して関心を持つために、まず、小・中学校教員に対し農業に関する知識および農業技術習得の支援等を行い、農業および農村への理解を深めるために農業体験学習を実施しています。


 今年は8月18日に、アスパラガス収穫体験と花苗の播種作業の2コースを設け、私はアスパラガス収穫体験コースを受け持ちました。当日は雲ひとつない晴天日で、1時間ほどの作業でしたが、17名の先生方、皆さん汗だくになり、がんばっていました。
写真右 :汗だくで収穫する若い先生


 圃場はJA壱岐市アスパラガス部会の郷ノ浦支部長、平田氏の協力を得て、3箇所のハウスごとに分かれて、収穫を行いました。事前に平田支部長より収穫時の注意点や方法などを指導して頂き、1本、1本丁寧に収穫されました。長さ30㎝以上のものを収穫しますが、なかなか長さの判断が難しかったようです。


 参加された先生方は、今の時期のアスパラガスが1日に15cm近く伸びることや、朝、昼、夕方と3回収穫していることなどを知り、驚いていたようでした。


 収穫後は、平田支部長の倉庫にて、JAへ出荷する前の事前選別の仕方も見せて頂き、その後、JAの共同選別作業を見学しました。農家の手から、JAの選別、市場出荷までの工程が理解されたと思います。

 土づくりにこだわった壱岐産アスパラガスは、東京、大阪にも出荷してますので、もし、店頭でお見かけしたら、どうかご賞味ください。

 最後に普及センターで意見交換を行い、寺井所長より生徒さんへ農業のすばらしさ、農業を職業として選択してほしいと先生方に熱いメッセージを送り、無事終了しました。


アスパラガス収穫コースに参加した先生たち 前列左より3人目が平田支部長


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尾崎哲郎

長崎県壱岐地方局壱岐農業改良普及センターの技術課で野菜を担当しています尾崎哲郎といいます。離島ならではの普及活動や普及指導員としての苦労など紹介できれば幸いです。

埼玉県
鈴木知子

光でガを防ぐ

2008.09. 3

緑色(左奥)と黄色(右奥)の蛍光灯を設置したシクラメンのハウス。園主の笠原氏と

 農作物を育てるときに問題になる害虫。これからの季節は雑食性のハスモンヨトウ防除が重要です。

 ハスモンヨトウを始めとするヤガ(夜蛾)類には、周囲が暗いとき(夜間)には活発に活動するけれど一定以上の明るさになると行動を停止する性質があります。


 そこで、夜間もほ場を明るくしておくことで、ヤガ類の飛来、産卵を抑制しようというのが「光防除」の考え方です。作物を食べてしまうのは幼虫ですが、そもそも産卵にやってくる成虫を寄せ付けないようにしよう、ということです。

 光防除は農薬散布量を削減できるうえ、薬剤散布労力が軽減できるため、環境に配慮した害虫防除法として注目を集めています。
写真 緑色(左奥)と黄色(右奥)の蛍光灯を設置したシクラメンのハウス。園主の笠原氏と


 通常の蛍光灯では日長反応が問題になるため、まずは黄色の蛍光灯が普及しました。
 近年、花芽分化への影響が黄色より少ないという、緑色の蛍光灯が出てきました。


 そこで、シクラメンを栽培している農家のハウスで、1棟に黄色蛍光灯、もう1棟には緑色蛍光灯を設置し、ヤガ類の被害軽減効果と、シクラメンの生育への影響の比較を行っています。

緑色蛍光灯 黄色蛍光灯
写真 左:緑色蛍光灯 / 右:黄色蛍光灯

(注:本来、電気を付けるのは夕方から明け方ですが、写真を撮るために点灯してもらいました。)

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鈴木知子

埼玉県さいたま農林振興センター普及部の技術普及担当で、主に花植木と経営を担当しています。 埼玉県では女性農業改良普及員の1期生です。 農家と、若手の普及指導員が、夢を持って活動できるように支援していきたいと考えています。

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