普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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◆2008年8月

長崎県
尾崎哲郎

壱岐地域のアスパラガスIPM技術確立に向けて

2008.08.18

 長崎県のアスパラガス面積は121.6ha(20年産)と近年はやや減少傾向が続いています。
 壱岐のアスパラガスは8.5haと順調に面積、出荷量は伸びており、20年産は販売額2億円を超えるように生産者、関係機関が一体となって取り組んでいます。


 アスパラガスの病害虫で被害が多いのは、褐斑病、スリップス、ヨトウムシ類の3つであり、今回、アスパラガスでのIPM技術確立のために、壱岐市石田町の農家圃場にて展示圃を設け、減農薬栽培がどれくらい可能か、調査中です。

 内容はヨトウムシ類対策として黄色防蛾灯、スリップス対策としてUVCフィルム、ホリバーロール(青)、シルバーマルチ、害虫の繁殖防止のために防草シートによる効果を確認しています。


 予定よりやや遅く8月1日に、シルバーマルチをハウス周辺に設置しました。
 1mのマルチをのこぎりで1/2にカット(電動カッターがあればかなり楽です)、マルチを固定するために針金を20㎝程度にカットし、環境担当の外尾技師と2人で炎天下、約2時間、作業をがんばりました。

夜蛾類対策の黄色灯(NBT製) (実際に設置してみて、高さは7m以上が望ましいことがわかりました。)ちなみに20年度は約4.2haの面積に黄色灯が導入されました。   シルバーマルチ切断 (電動カッターがあればな~)
写真 
左 :夜蛾類対策の黄色灯(NBT製) (実際に設置してみて、高さは7m以上が望ましいことがわかりました。)ちなみに20年度は約4.2haの面積に黄色灯が導入されました。 
右 :シルバーマルチ切断 (電動カッターがあればな~)


シルバーマルチを設置する環境担当の外尾技師(日焼け対策は完璧です!)  ホリバーロール、シルバーマルチ、防草シートの設置 
写真 
左 :シルバーマルチを設置する環境担当の外尾技師(日焼け対策は完璧です!)
右 :ホリバーロール、シルバーマルチ、防草シートの設置 


 ホリバーロール()を5月8日に設置し、調査を定期的に行っています。  今の段階ではスリップス被害は少なく、ヨトウムシ類の被害は皆無で、これからが飛来数が多くなりますが、恐らく黄色灯で防除はかなり抑えることが期待できます。そろそろ、ホリバーロールの張り替え時期です(メーカーは約3ヶ月の効果があるとのこと)。
 最終結果が出ましたらご紹介したいと思っています。


ホリバーロールの黄色はトマト黄化葉巻病対策で長崎県はすでに普及していますが、スリップス対策で青色の使用はまだ少ないと思います。恐らくアスパラガスでの使用は壱岐が初めてではないでしょうか?

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尾崎哲郎

長崎県壱岐地方局壱岐農業改良普及センターの技術課で野菜を担当しています尾崎哲郎といいます。離島ならではの普及活動や普及指導員としての苦労など紹介できれば幸いです。

埼玉県
鈴木知子

さいたま市シクラメン巡回

2008.08.12

 埼玉県南部では、消費者が多いという利点を生かして直売用のシクラメンが生産されています。生産者達は技術の研鑽や情報交換のために、地域ごとに研究会を組織しています。お互いのシクラメンを見て回る「現地検討会」を年に2~3回行っています。
シクラメンの現地検討会。皆でハウスを見て回る


 8月6日、さいたま市シクラメン研究会(8戸)で現地検討会が行われました。
 園主が管理状況を説明、鉢土の肥料濃度を普及指導員が測定、今後の管理の注意点などについて皆で意見を出し合う・・・といった流れで進んでいきました。今年はまあまあだな、とか、このあいだははちょっとボリュームが足りないと思ったけどここで葉っぱの数が増えてきたな、なんて言いながら。


 今年は去年ほど高温に悩まされることなく皆無事に夏越しができたようです。8月下旬からは仕上げ鉢への植え替えをし、11月下旬からの出荷に向けて株の充実を図っていきます。
写真 :シクラメンの現地検討会。皆でハウスを見て回る

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鈴木知子

埼玉県さいたま農林振興センター普及部の技術普及担当で、主に花植木と経営を担当しています。 埼玉県では女性農業改良普及員の1期生です。 農家と、若手の普及指導員が、夢を持って活動できるように支援していきたいと考えています。

愛知県
佐光佳弘

イネの生育調査

2008.08. 8

 7、8月は、イネの生育調査の時期になります。
 7月には、9か所の田んぼを回って調査しました。調査した田んぼは、直播栽培の田んぼ、肥料の展示を行っている田んぼ、新品種を作付けした田んぼなどです。


 試験場レベルで効果がはっきりしていることについては、実際に農家さんに栽培してもらい、地域のほかの農家さんにも見てもらって、その効果を確認していただいています。
 その際、生育状況を数字として把握したり、写真を撮ったりして、展示している田んぼを見ることができなかった人にも伝えることができるようにしています。


 写真は、7月の生育調査の様子です。
 地元のJAやJA経済連の方、農薬メーカーの方と一緒に調査しました。JAの方や農薬メーカーの方にも、調査しながら試験の途中経過を把握していただきました。

 8、9月になれば、これらの田んぼを坪刈りして、収量などを調べます。

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佐光佳弘

愛知県海部農林水産事務所農業改良普及課(海部農業普及指導センター)の技術指導グループで、作物担当として仕事しています。 県職員12年目ですが、職場では3番目に若い新米です(職員数は18人)。

埼玉県
鈴木知子

戦場ヶ原

2008.08. 1

埼玉県鴻巣市は60年の歴史を持つ花壇苗・鉢花の産地です。200戸を超す生産者が作り出す様々な花の中でも、プリムラ類は群を抜いて多く、生産量は全国一です。


プリムラ類は低温に感応して花芽分化をする植物です。暑い7~8月には栃木県の戦場ヶ原に‘避暑’に連れて行きます。戦場ヶ原は標高1400m、真夏でも30度を超えることは滅多にありません。プリムラ類は「山上げ」されることで、花芽分化が、そして出荷が早まります。そう、促成栽培が鴻巣の産地としての強みなのです。


プリムラは定植してすぐ山上げし遮光する  カランコエの花芽分化の様子を確認する
写真 左:プリムラは定植してすぐ山上げし遮光する / 右:カランコエの花芽分化の様子を確認する


この他にも、カランコエ、ガーデンシクラメンなども山上げされます。強い光、低い湿度、適度な風によりがっしり育ったこれらの花は、9月に入ると順次「山下げ」されます。

 山での生育状況を調査するために普及指導員も1シーズンに1~2回、現地に赴きます。

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鈴木知子

埼玉県さいたま農林振興センター普及部の技術普及担当で、主に花植木と経営を担当しています。 埼玉県では女性農業改良普及員の1期生です。 農家と、若手の普及指導員が、夢を持って活動できるように支援していきたいと考えています。

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