普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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blog_hukyu_katano_f.jpg 秋田県
片野英樹

慣れてきたあいさつだったのに...

2025.03.19

 秋田県由利地域振興局農業振興普及課の片野です。
 早いもので令和6年度も残すところあと2週間となりました。

 当課で課長を拝任して2年が過ぎようとしています。以前のブログでも記載しましたが、不慣れであったあいさつもパターンをつかんできたせいか、ある程度流ちょうに述べることができてきました。


 しかし油断大敵です。
 普段はいつでも現場に出動できるよう作業着で通勤しており、セレモニーがある時はスーツを持参しているのですが、すっかり失念して作業着だけで出勤してしまいました。
 2月の寒い日に某組織の総会であいさつを依頼されていましたが、もうどうにもなりません。
 幸いネクタイは事務所においてあったので、少しでも正装に見える様に、ネクタイを締めて、作業着の上着を脱ぎ、寒さに耐えながらYシャツ姿であいさつをしました。下はもちろん作業ズボンです。丁寧にお詫びの言葉を挟みながら無事あいさつは終了しました。


 本来であれば、慣れたあいさつの写真をアップするところですが、課員が気の毒がって気を遣ったのかわかりませんが写真はありませんでした。なので、過去の写真を掲載します。


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 年度末でいろいろ忙しくなっていますが、体調をくずして休んでしまえば元もこうもありません。健康に留意し年度末を乗り越えましょう!

片野英樹

秋田県で平成4年度採用から普及指導員ほぼ一筋で30年経ちました。主に水稲・大豆担当でしたが、一時期集落営農や法人育成にも携わりました。現在は裏方として、水稲新品種「サキホコレ」の普及に取り組んでいます。

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笠原 均

必要なのは、猛獣か?

2025.03.14

 これを書いているのは令和7年の3月上旬。公務員なので転勤を強く意識するタイミングです。
 いつもと違って、少しだけ真面目なことを書こうと思います。


 農業改良普及指導員として、「少子高齢化、人口減少社会において、農村をどうやって維持していくか」をテーマに、この6年間お仕事をしてきました。
 農業改良普及指導員なので、「農家を相手に話をすれば良い」と思っていたのは最初の数か月で、すぐに他産業の人々も巻き込まなくてはならないことに気が付きました。モデル集落の僅か2割にも満たない農家だけで「集落を動かす」なんて、とても無理な話なのです。実際に集落には農家だけでなく、保育園があり、学校があり、お店があり、福祉施設があり、政治家も大工さんも土建業の人も、リサイクル業者の方もいます。
 私が「農業」という分野だけに限って、農村を運営する組織、いわゆる農村RMO(Region Management Organization)を形成するのが無理だとすぐに気が付いたのも、皆さんにご理解いただけると思います。


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農村RMOを牽引する仲間達(五所川原市三好地区にて)


 つまり、私の業務は、普段からお付き合いのある農家だけでなく、「人口減少社会の中で、全く知らない分野の人々を巻き込んで農村という地域を運営する組織を作る」ということだったのです。非常に壮大な話です。
 誰か先に教えてよ。ヽ(`Д´#)ノ怒!


 さらに、組織を運営するために必要だと気がついたのは、
①人が集まって組織として機能すること。
②組織運営に必要な活動費が確保できること。
③組織の新陳代謝が毎年のように行われること。
 ということに気づきました。
 組織なので、人が集まらなくてはならないし、それぞれの人が能力を発揮して、組織としての総合知を発揮できるように機能しなくてはなりません。さらに「お金」というか運営するための「お金」が必要なのです。2回もカッコ書きで強調するほど、農村を運営する組織を維持するためには「お金」が大事なのです。いつまでも補助金は期待できないし、ボランティア精神だけで運営できるほど、集落社会は「お金」に余裕がある訳ではなく、「時間」に余裕がある訳でもないのです。


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多くの人がボランティアで関わっているのです


 さ・ら・にー、組織は作って終わりではないのです。
 毎年でもメンバーが少しずつ変わる組織でないと、組織内のヒエラルキーが固定されるし、考え方も硬直します。ただ集落組織の場合は、引退を勧告しなくても、足が悪い、心臓が悪い・・・というような理由で、一人二人と抜けていくので、重要なのは新しいメンバーが「面白そうね!どうか私も入れて!」というような魅力的な組織を作ることが大切だと気づきました。


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農村RMOは、一人ではできません。地域に佇む人に協力の手を差し伸べよう


 ちょっと話がズレますが、最近読んだIT関係の本で使われていた「IT業界は猛獣の宝庫である」という言葉に心惹かれました。優秀なITエンジニアとなると、突出した才能とともに、突出した個性まで持ち合わせているそうで、彼らをまとめあげ最大の利益を叩き出すマネジャーは、まさに「猛獣使い」のような立場だそうです。

 そう! 
 猛獣の宝庫、そして猛獣使い!
 IT業界のみならず、活力を失いつつある日本の農村に必要なのは、猛獣なのかも知れません。


 と、訳のわからないフリを入れて話は次回に続くのです。
 次回は、強引に猛獣の話に誘導した理由を書きます。ここに転勤の不安を抱えた私が絶対に伝えたくなる農村RMOに対するポリシーがあるのです。


 To be continued !

笠原 均

青森県の農業改良普及指導員(普及員)です。普及員歴はすでに20数年となるのですが、お話し好きが高じて、農業の担い手育成を担当していることが多いです。 プライベートでは、「気分はプロフェッショナルカメラマン」、「YouTube再生回数が伸びないけど作曲家とウインドシンセサイザー奏者」です。 加えていうと、15年前から音楽の秘められた力をフル活用して地域おこしをやっています。そんな活動のお陰で町内会役員から目をつけられ(勧誘され)、町内会の理事なんかやっています。もちろん、町内の草刈りやしめ縄づくりも、町内会最年少として参加しています。

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笠原 均

鳥獣害対策という名目で柿が食べたい(後編)

2025.02.12

●前回の話はこちら


 最初におこなったのは、柿の木の持ち主であるおばあちゃんの紹介と、柿の収穫の仕方です。
 おばあちゃんから、「生で食べる柿と、干し柿にする場合は、残すツルの長さが少し違うんですよ」「柿は折れやすいので登ってはいけませんよ」という、ありがたいお話を聞くと早速収穫です。


 「わーっ」と言って子供達は柿の木の下へ走っていく子供達・・・。わざわざ「わーっ」と言うほどでもないと感じるのは、私が子供の頃、たった100円で仕事として柿の収穫や薬かけを手伝わされていたからだろうか?
 騒ぐほどではない。


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指導するおばあちゃんと、柿を採る小学生
(子供が写っているので、水彩画風に加工)


 子供達には、基本的に大きくて丸い柿を取って欲しかったのだけど、子供達に人気なのは変形果です。特に男の子は、柿のヘタ当たりから突き出した指のような柿(図を参照)が大好きです。「Kちゃんのお父さんも、男ならわかるだろ!?」と不敵な笑みを浮かべて私に見せてくれます。私的には、どうでも良いのですが、子供達が喜んでいるので、「おーっ、これはすごいな!」と一応、合わせます(君たち、本当に楽しいか?)


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収穫する子供達。絵的に良いです(子供が写っているので、水彩画風に加工)


 さて、晴天にも恵まれ、1時間ほどで柿の収穫は完了。
 続いて、町内会館へ移動して渋抜きです。ヘタに少しだけ焼酎をつける作業ですね。


 りんご箱6箱が満杯という収穫量だったので、単調な渋抜き作業はなかなか大変です。激しく不人気です。すぐに子供達は飽きてしまって、会館の奥のホールに行きフラフープで遊んでいます。仕方がないので、大人達だけが黙々と単調な作業を繰り返します。


 やっと渋抜きの作業が完了しました。さて、ここからが問題です。
 この柿を誰にあげるか!?・・・となるのです。
 中には、「私、柿食べられなーい」と堂々という子供もいて、「じゃぁ、何しに来たんだ?」とツッコみたくなりますが、「ママも嫌いなんだよ」とすぐ横にいる母親を指さして言われると、その母親は無言のまま私から目を反らします。


 結局のところ、行き場を失った柿は、アチコチにLINEで「もらってくれない?」と連絡して配り、ありがたいことに多くの人々から感謝を言われ、時に消費期限切れ間近のお菓子や、ビール等に形を変え、柿イベントは無事に終了を迎えるのでした。


 二週間後、そろそろ良いだろうと、袋を開けるとツヤツヤしている柿がゴロゴロしています。皮を剥いて食べると、甘い! パリパリしたものや、どろっとしたもの、熟しすぎて赤くなっているもの・・・。色々あって、私は、心の底から柿の旨さを堪能しました。

 今度の秋は、栗とクルミを拾いたいです。

笠原 均

青森県の農業改良普及指導員(普及員)です。普及員歴はすでに20数年となるのですが、お話し好きが高じて、農業の担い手育成を担当していることが多いです。 プライベートでは、「気分はプロフェッショナルカメラマン」、「YouTube再生回数が伸びないけど作曲家とウインドシンセサイザー奏者」です。 加えていうと、15年前から音楽の秘められた力をフル活用して地域おこしをやっています。そんな活動のお陰で町内会役員から目をつけられ(勧誘され)、町内会の理事なんかやっています。もちろん、町内の草刈りやしめ縄づくりも、町内会最年少として参加しています。

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榎田純子

乳牛の成育目標を持とう

2025.02. 4

 令和6年2月に酪農女性を対象とした、ほ育・育成牛の飼養管理研修会を開催しました。
 その研修会で、講師の酪農試験場OBから、こんな投げかけがありました。
 「自分の牧場の乳牛の現状を知った上で、どんな牛に育てたいのか、そのためにどんなことをしていくのか、目標を立てて実現していくことが大切ではないでしょうか」
 目標を立ててみたいと手を挙げた酪農女性の牧場で、ターゲットグロース調査に取り組みました。


 5月に、ほ育・育成牛全頭と成牛10頭の体測調査を普及センター地域係と酪農試験場研究員と共に行いました。
 実測した体測データから成育曲線を講師と酪農試験場で作成し、酪農女性、普及センター、試験場で検討を行いました。
 理想の初産分娩月齢にはなっていないこと、成育停滞が初回授精開始の前に起こっており、密飼いになっていることが要因ではないかと検討されました。


 牧場では、密飼いを解消すべく、10月に群分けを実施しました。
 11月に2回目の体測調査を行いましたが、群分けをした効果はまだ現れていませんでした。次の体測調査では、効果が数字に現れることを期待しています。


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11月に行った体測調査の様子


 この取組で、農業者自身が自分の牧場の課題に気づき、改善策を考え実践することができました。普及センターは、農業者と共に調査し共に検討したことで、農業者の取組を支援しました。

榎田純子

平成10年に北海道庁に普及職員として入庁し勤続26年、今年(令和6年)50歳になりました榎田純子と申します。現在は、北海道の東、酪農王国別海町にあります根室農業改良普及センターに担い手主査として勤務しています。こちらのブログで、北海道の農業・農村で働く普及の仕事について紹介していきます。どうぞ、よろしくお願い致します。

blog_hukyu_katano_f.jpg 秋田県
片野英樹

大盛況だった農業者発展フォーラム

2025.01.14

 秋田県由利地域振興局農業振興普及課の片野です。令和7年もよろしくお願いします。

 たびたび古い話で恐縮ですが、令和6年12月18日、当管内の農業者・法人が一堂に会する「由利地域農業者発展フォーラム」が開催され、200人を超える参加があり大いに盛り上がりました。


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フォーラムの全景


 筆者不在のまま、「今回はパネルディスカッションで行こう!」となり、「コーディネーターは農業振興普及課長にしてしまえ!(筆者想像)」と決まっていました。
 「地域農業の今後の展開~持続可能な農業経営と農地利用のために~」と題し、新規就農者と農業法人、関係機関がパネリスト・アドバイザーとして登壇しました。地域の農地を維持するためにどうすべきか、農業者の確保をどうすべきかの2点について熱い議論が交わされました。


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コーディネーターの筆者


 1時間30分という長丁場でしたが、あっという間に過ぎていきました。200人を前にしたコーディネートは初めてであり、さすがに1時間30分集中しっぱなしは、老体にこたえました。


 閑話休題。事前の打ち合わせでは、どんな格好で登壇するかと話題になり、「筆者はノーネクタイで行くから気楽な格好で」と申し合わせたのですが、当日は全員バリッと決めて、ある方から「ネクタイがないと首元が寒いから」と言われる始末。普段からネクタイだけは持ち歩くよう心に誓いました。

片野英樹

秋田県で平成4年度採用から普及指導員ほぼ一筋で30年経ちました。主に水稲・大豆担当でしたが、一時期集落営農や法人育成にも携わりました。現在は裏方として、水稲新品種「サキホコレ」の普及に取り組んでいます。

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