提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


「野菜ソムリエ」の元気を作るおいしい食卓【49】

2018年01月15日

「国産小麦で春餅(チュンピン)」料理教室


野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター 田代由紀子   


tashiro_49_2.jpg 全国各地で生産されている国産小麦。昨年2017年は前年の生産を上回り、増加傾向にあるようです。栽培に手間がかからず、高齢化の進む農家でも作りやすいこと、また品質への安心感から消費者の「国産志向」がその背景となっているようです。

 国産小麦といっても地域ごとに特色があり、その小麦にあった郷土料理が数多く存在します。今回は各地の国産小麦の特色を探り、その特色を生かした料理を作り、研究するプロジェクト『和麦Labo(ラボ)』のアンバサダーとして、岩手県産小麦を使った「和麦cooking教室」を開催しました。


▼和麦アンバサダー ホームページ


■岩手県小麦事情
 岩手県は春から夏に吹く冷たく湿った東よりの風「ヤマセ」の影響で米が採れなかったため、古くから小麦栽培がおこなわれていたそうです。そのため、小麦粉を使った郷土料理が数多くあります。すいとんの一種「ひっつみ」(地域によっては「とってなげ」「つめり」ともいう)は、水でこねた小麦粉を「ひっつんで」、具材の入っただし汁で煮込んだ料理。こねた生地を薄くのばしてゆでた「はっと」は、ずんだ(枝豆をすりつぶし砂糖を加えたもの)をからめて食べるお盆の行事食。クルミを包み込んで豆のように丸めた団子を汁で煮た「まめぶ」。盛岡じゃじゃ麺、盛岡冷麺も小麦粉を使った麺です。


■岩手県産小麦で作る春餅(チュンピン)
 今回は、岩手県産の2種類の小麦を使用しました。一つは香りの良さに定評のある「ナンブコムギ」。もう一つはお菓子などふっくらと仕上がる「ゆきはるか」。小麦の香ばしい風味も味わってほしいため、ナンブコムギは全粒粉を用意しました。


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 『和麦Labo(ラボ)』では国産小麦の存在を身近に感じてもらうこと、そしてもっと手軽に小麦粉料理を楽しんでもらうことも目的のひとつです。そこで岩手県の小麦事情を知ってもらいつつ、家庭で手軽に作れる料理を紹介しようと考えたのが、中国の家庭料理「春餅(チュンピン)」。春餅(チュンピン)は、小麦粉を使い円形に薄く焼いたもので肉や野菜を巻いて食べる料理です。具材を変えればアレンジ自在、デザートとしても楽しめる優れものです。今回は2種類の小麦粉の配合を変えた2通りの生地を用意しました。参加者の皆さんには実習だけでなく、生地の様子、焼き時間、香り、食感、味の特徴などの意見交換もしてもらいました。


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■ナンブコムギ(全粒粉)とゆきはるか(薄力粉)で作る「春餅(チュンピン)」レシピ 


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【材料】(直径12cm 約10枚分)
薄力粉(ゆきはるか)   125g
全粒粉(ナンブコムギ)  125g
水            500cc
油            適量


【作り方】
①薄力粉・強力粉を混ぜ、水を加えてよく混ぜ30分ほどおく。
②ホットプレート(フライパン)に薄く油をしき、①を丸く流し表面が乾くまで焼いたら裏返し反対の面も焼く。


焼いた皮に甜麺醤を塗り、鶏の照り焼き、キュウリと長ネギの千切りを巻けば北京ダック風に。その他お好みでチャーシューやお好みの野菜を巻いてもおいしく召し上がれます。ぜひ試してみてください。

たしろ ゆきこ

野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。